「The Public」パブリック 図書館の奇跡 critique_0102さんの映画レビュー(感想・評価)
The Public
publicの意味を再考するいい映画だったと思う。
日本では、「公共」や「公立」といった翻訳だけが一人歩きし、場合によっては誤解さえ生じかねない言葉になっている。
副題が「図書館の奇跡」となっているが、こんな陳腐な日本語を追加してしまうのも、やはりpublicの意味が十分に浸透していないからなのだろうか。
図書館員スチュアートも立てこもるホームレスも、ラムステッドもpublicのひとりだし、それはディヴィスでも同じことだ。ただ、その多くの者が、独りよがりの独善的なpublicを振りかざす時、その専横的なpublicから締め出される者たちがいることを忘れてはならない。
誰もが「裸」であるということこそがpublicの場を存在根拠なのかもしれない。でなければ、その場所が誰にとってもcommonたり得るものにならない。
それを考えれば、図書館はpublicそのものであり、具現化されたものをそこにみてとることができる。・・・・って大半の司書は誰でもそう思ってると思うけど。。
この映画に何ら新しい視点などのない。
それは、顕在化されてはいない凡庸なるpublicだけがあるに過ぎない。
しかし、それを誰も理解しようとしない。
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