「「図書館は民主主義を守る最後の砦だ」」パブリック 図書館の奇跡 少女の埴輪さんの映画レビュー(感想・評価)
「図書館は民主主義を守る最後の砦だ」
この言葉に惹かれて視聴したのだが、何かやるせない気分になった。
書棚はドアをふさぐためのものではないし、館内でピザは食べないでほしい。
まして、机の上に土足で乗るなど言語道断。
確かに、静粛な環境でページをめくる音だけが聞こえる図書館などは時代遅れで、「秋の日の図書館の ノートとインクのにおい」は郷愁の彼方なのだろう。
図書館の自由に関する宣言(抄)
図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することを、もっとも重要な任務とする。この任務を果たすため、図書館は次のことを確認し実践する。
第1 図書館は資料収集の自由を有する。
第2 図書館は資料提供の自由を有する。
第3 図書館は利用者の秘密を守る。
第4 図書館はすべての検閲に反対する。
図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。
この宣言と、劇中の館長の言葉
「図書館は民主主義を守る最後の砦だ」
との間には、共通点はあるが、映画の内容とは限りなく越えられない違和感がある。
「何も、図書館でなくてもいいんじゃないの!?」
長く、図書館と関わってきたものにとっては、これが本音の感想だ。
結局、私の概念とは異なった「図書館」を描いた作品だったということだろう。
(むしろ「図書館戦争」のほうに共感してしまう浅学の徒である。)
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