「人間の描き方が薄すぎて・・・」さんかく窓の外側は夜 よしさんの映画レビュー(感想・評価)
人間の描き方が薄すぎて・・・
呪いの殺人を調べる除霊士と、そのアシスタントを描く物語。
漫画を原作にしたサスペンスのようです。原作は、ややBLよりの作風のようですね?余り好きなジャンルではありませんが、「オカルトサスペンス」として楽しめれば・・・と考えて鑑賞。結果、「オカルトサスペンス」としても楽しめない映画でした。
「漫画原作」ということもあり、設定の説明を同時に行った為、サスペンスが中途半端になったのが致命的。
それなら、除霊士・冷川の過去だけを掘り下げるストーリーの方が、分かり易い話になったように思います。
人間の描き方が薄いのは、さらに致命的。
例えば、呪いの少女。何人も殺しているはずなのに、当たり前のように三角の隣に居られたのでは、死んでいった人たちが浮かばれません。
例えば、妻が生死の瀬戸際にいるのに、冷川への懇願を取り下げる刑事。そこは土下座してでも、足にしがみ付いてでも頼むところでしょう。
そして、エピローグ。霊が見えることを告白する三角、あっさりと受け入れる母。浅い・・・浅すぎます。同じようなシーンなら、「シックスセンス」を思い出しますが、比較にならない程浅い。もしかして、冷静を装うことが優しさ・・・という描き方だったのでしょうか?それとも、恐怖や嫌悪を冷静さのオブラートに包む演出だったのでしょうか?今までの苦しさと「嫌われるかも」という恐怖を押し殺して伝えたはずの三角。霊視を当たり前のように流しても、三角の感情は流してはいけなかったはず。その演出に愕然としてしまいました。
私的評価は、当たり前のように極めて低くなりました。