泣く子はいねぇがのレビュー・感想・評価
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酔うと化け物になる夫が嫌い
映画館の予告を見て面白そうだと思ったので鑑賞。 仲野太賀のこういった役、私大好きですよ 予想的中。やっぱり太賀が良かった いい内容ではあったのだが、あまり響かず何か気に食わなかった。 意気地無しで頼りなく、酒癖が悪いタスク(仲野太賀)のもとに子供が生まれる。しかし、その酒癖の悪さのせいで妻からも仲間からも見放されてしまう。 仲野太賀の演技が光る。 どちらかと言うとB級映画に出演しがちですが、中村倫也みたいにジャンル問わずに出演して欲しいものです。すごくいい俳優。泣き、叫び、嘆く姿がグッとくる。 余貴美子は映画に温かさを 胸に刺さる言葉ばかり。 それも、直接的に言うわけでもなく少し遠回しに。全部叶えればいいのに。1つ手に入れると何か1つ捨てなければならない。 うるっと来たり、熱くなったり、応援したくなったりと色んな感情が溢れ出るそんな映画。なまはげ襲来に対する感情が最初と最後で違うのは面白い ただ、テンポが悪く話が途切れ途切れになっていて見事に飽きてしまった。どうなったの?というより、だからなんだよと。感じ方の違いかもしれませんが、私はハマりませんでした そのせいか、すごく疲れてしまった。 ゆっくりと進む映画は嫌いじゃないし、むしろ好きな方なんだがどれもこれも中途半端で納得がいかず、思ってたのと違う感が強かった。 良かったところ!とか悪かったところ!とか聞かれるとハッキリとは言えないが、もしそう聞かれるとしっくりは来なかったかなと言うかもしれない。 どうであれ、酒は怖いな。恐ろしいな。
線でも、面でもなく、点で魅せるストーリーテリング
優れたストーリーテラーは物語を線で語る。より優れたストーリーテラーはその線に幅を持たせ、面で観せる。しかし、本作は点を推して魅せる。タイトルが示す通り、映画はなまはげで始まり、なまはげで終わる。つまり、始点と終点は対称関係となる。それには対称となる点が必要となる。映画は人生の転換点というその一点に全神経を集中させる。 特段何の目標もない男が再起をかける物語は多いが、本作の主人公はその再起をかけることさえままならない。全てが空回り、全てが思い通りにいかない。物語はゆっくりと進む。思考不足で優柔不断な主人公の言動に苛立ちを感じる人もいるだろう。しかし、ダメ男映画と一喝することはできない。身勝手な振る舞いによって、自分が意図しなくとも、それが他人の気持ちを無下にした経験は誰にもあることだからだ。 故に宙ぶらりんに生きてきた男が自分自身の過ちの大きさを気付くシーンでの主人公の目の泳ぎ方に私の目頭は熱くなる。ここが転換点だ。言葉でも行動でもなく、現実に目を向けたことによって事の重大さを理解するからこそ、このシーンの重みが増し、物語にコントラストを与え始める。 元妻との“対決”シーンもさることながら、迎えるラストシーンの間の取り方と終わり方の巧妙さは『クレイマー、クレイマー』を初めて観た時と似た余韻を覚えた。ここで終わっていなかったら、作品の持つ印象も変わっていたことであろう。冒頭とラストのなまはげが持つ意味を鑑賞後に観た人たちと色々語り合いたくなる、そんな一作だ。
う~ん
地元の映画という事で観たが・・・。 全体的に風景は良かったが、各シーンが冗長。 テーマがぼやけてたのでは?(酒の失敗からのなまはげ存続の危機と主人公の反省・成長?) ラストもなんか中途半端だった。
なまはげに罪はない。問題なのは・・・
田舎者のエゴイズム中心の映画。 学生気分で作った子供をどうやって育てるかという現実を突きつけられる父親に対し、養育費を男に全て擦り付けようとする母親に腹が立った。正直、自分を養わせるために子供を作ったとしか見えない。 また田舎の伝統行事をお酒で無理やり盛り上げようとする年寄りにも腹が立った。 なまはげを守るためと言いつつ、単に酒を飲んでストレス発散させたいだけのサークル集団にしか見えない。 他力本願の人が多い中、不幸のどん底でみんなに認めてもらおうと自分なりに奮闘する主人公にエールを送りたくなる作品。 エンドロール後の映像は謎。
断りきれずに起こす失敗と過ち
あるよね。あるある。 主人公の場合、酒に呑まれてしまうのもあるが。 根っからの悪い奴では無いからこそ だらしなさや優柔不断な点が際立ってしまう。 泣く子はいねぇがって自分自身に言って聞かせてるような太賀の圧巻の演技に心を震わせられ加点。 P.S. やっぱり悪友≒親友よね。寛一郎が悪友として親友としてとても良い味を出していた。
#104 ちょっとわかんなかった
何故夫婦仲が最初から悪いのか、酔っ払って裸で町を歩いたら村八分にされるのか、全然理由がわからなかった。 エンドロール見たら生ハゲのプロモーション映画なのかと疑いたくなった。 誰か納得のいく話の筋を教えて欲しい。
親になるタイミング
凄くダメな主人公だが、妊娠して子供を産むって行為自体しない男性は実はこんな感じなんじゃないだろうか? 極端な言い方になってしまったが、主人公たすくみたいな気持ち、男性なら少なかれ持ってるだろうなと察してしまった。 もしかしたら、アルバイト先で職場で、あんな感じの男子達に刺さる様な言葉を浴びせたかもしれない。ちょっとだけ胸が痛くなった。
泣く子は自分自身
レビューでそこそこ評判がよく、最近なにかと目にする機会の増えた仲野太賀くんの演技に興味があって鑑賞してきました。期待どおりの秀逸な演技のおかげで、寒々しい風景の中にいつのまにか引き込まれ、静かに流れる時間に浸り、行間を読むように味わうことのできる作品でした。 ストーリーは、秋田のなまはげで失態を晒した男が、一度は故郷を離れ、それでも捨てきれずに戻り、失った家庭を取り戻そうとするものです。自分の居場所を求めてもがく男の姿が、秋田県男鹿の風景と相まって切なく描かれます。 まずは、テレビでしかみたことのないなまはげについて、準備の様子やそこに込められた思いを知ることができたのはよかったです。そして、これが後の展開と終盤への伏線になっているのもよかったです。自分の地元に伝わる、神社への奉納手筒花火や喧嘩神輿を思い出して、ノスタルジックな気分になりました。それだけに、その文化に泥を塗るような行為を許せない人々の思いには、大いに共感するものがあります。 一方、太賀くん扮するたすく側の視点からみれば、酒によるたった一度の失敗。それで家族を失い、地元にも居られず、生きる気力までなくしかけた姿は同情を誘います。いささか酷なようにも映りますが、これが現実社会。おそらくここに至るまでにも、語られぬ不甲斐ない姿があったのでしょう。未熟で、精神的な自立のないまま父親になった男が、初めて真摯に自分と向き合い始めます。自分の不始末の重大さを自覚し、それでも失った家族を取り戻したいともがく姿に胸を打たれます。 終盤、なまはげで失った家族に、なまはげの姿を借りて会いに行く場面が、本当に痛々しくて切なかったです。もう取り戻すことはできないとわかっていても、妻と娘のもとに向かわずにはいられず、玄関先で大声で吠える姿に、胸が苦しくなりました。成長した娘に会い、伝統に則って最後に一度でも父親らしい姿を見せたかったのではないでしょうか。それが今の自分にできる、父としての唯一の行いであり、同時に、ふらふら生きてきた自分との訣別の証ではなかったのかと思います。Wikipediaによると「『なまはげ』は怠惰や不和などの悪事を諌め、災いを祓いにやってくる来訪神」だそうです。最後にたすくが「泣く子いねぇが」と言って探し当てた「泣く子」は、自分自身だったのかもしれません。
主人公のどうにもダメな葛藤部分とか丁寧に描かれていたと思う。ラスト...
主人公のどうにもダメな葛藤部分とか丁寧に描かれていたと思う。ラスト部分は感情解放という感じだったが、もう少し展開が欲しかったのは否めないかなという印象だった。
ラスト痺れるくらい感動した〜この映画はすごい〜
話がすすむにつれ たすくと周りの人々の気持ちがビシビシ伝わってきた。どんどんシーンは変わるけど、気持ち途絶えることなくそれぞれのシーンが自分の記憶のように繋がっていった 特に母と元嫁のパチンコ屋の再会シーンは秀逸〜他にもいっぱい蘇る。 そしてラストだ。たすくがもう我が子になってて、もうみてられなくて辛くてかわいそうで切なくて、でもどこかあー越えられたと喜ぶ泣き笑いでたった一人だったから顔くちゃくちゃにしたまま映画館を出ました。 もっと多くの人にぜーひみてもらいたい〜最高の映画です。
半人前の主人公が出したラストに心震える、父になったらまた観てみたい
父になったらまた、見方は変わるのだろうか。まだまだ半人前の私には、共感ばかり覚えてしまった。それでも、ラストに心を震わせているのは、紛れもない興奮なのかもしれない。 たすくは、なまはげの行事の席で失態を犯し、逃げるように都会で暮らした。何もないことを自覚しながらも、不器用なりに過去と未来に向き合うことを決めて動き出すが…。仲野太賀が魅せる哀愁と、未熟さを感じさせる挙動の数々。口数は多くないものの、垣間見える"半人前"な姿に、他人事ではないような気がしてならない。私もはたちで、「子供が生まれたら父になれる」なんて浅はかな幻想を持っていた。しかし、なれるはずはない。環境がいくら変わろうとも、自分が変わらない限り、無意味なのだ。男鹿に流れる優しい時の流れと自然、その過程で移ろうたすくの心に、じんじんと心が暖まってゆく。 仮面を被らないと父になれないひとりの男の、不器用で暖かいドラマ。父になったら観てみたい。たすくの姿を再び観たとき、私にはどう映るのだろうか。
大好きな作品
もうこれは大好き過ぎる映画でした。 佐藤快磨監督、初の長編映画でありながらこの傑作というかクオリティというか…脱帽です。この脚本を読んでとても魅力を感じた是枝裕和監督やその団体が企画・協力をし、秋田の人達の協力も果て出来上がった作品。(佐藤監督は、脚本・監督・編集を自ら行う是枝監督等と同じスタイル)。男というもの女というもの、人間というものや郷土や伝統、しきたりなどの色々リアルなところを、良い所も悪い所も炙り出して描き出していて。それでいてエンタメとしての魅力もあり、観た人の心を掴んで離さない1本の傑作映画に昇華させてて、この映画に出会えて幸せだと思った。 舞台は秋田。子どもが生まれて父となった主人公たすくは、伝統芸能のなまはげに参加するために地域の人達と大晦日の夜に繰り出していくのだけど、そこで犯してしまった自らの失態のせいで、嫁からは見離され地元には居られなくなり東京へ逃げるようにして行くが、やはり家族に会いたいという想いで数年後また秋田へ戻るが…といったストーリー。 主人公が精神的に底の底まで落ちて(その分周囲の人間達は更に辛い状態になってますが…)、そこから成長して這い上がっていくストーリーかと思いきや、そういう訳ではなく…。家族の為に何とかしたい、家族と一緒に居たい、っていう気持ちは強く持っているし、酷い人間性があるわけではない男だと思うんだけど、家族や周囲が納得出来るような感じには動けず、且つ男性本来なのか自身が本来持ち合わせているものなのか、甘えた部分や大人・親になり切れない部分があって、そういった言動もさり気なく見え隠れさせている感じが、脚本・演出や仲野太賀の俳優としての力として濃ゆく出ていてめちゃくちゃ良かった。勿論太賀だけでなく、嫁さん役をしていた吉岡里帆も、太賀の母親余貴美子や兄の山中崇も、友人役寛一郎も、父親代わり的な人でもあったなまはげという行事や地域をまとめている柳葉敏郎も…。凄く良かったよ、俳優としての経験値や魅力やその役として生きている姿が惜し気もなく出てて、目が離せなかった。 私が知識と映像だけで知っている「なまはげ」というものも、何故最初はなまはげの映画なの?という疑問があったけど、秋田出身でもあり父親という存在が居なかった生活の経験者でもありクリエーターでもある佐藤監督の思いや家族・父親観などをパンフレットで読んでみて、凄く納得して興奮したし、映画が更に魅力的なものに思えた。そしてラストシーンも、太賀扮するたすくがなまはげを通して、家族と家族でいる事が難しかった主人公の純粋な色んな思いが爆発していて、マジで名シーン過ぎました。映画観た後に予告編を観ると泣けてしまうし、タイトルだけでも泣けてしまう。 この映画の魅力は語り尽くせないぐらいあって他にたくさんあるんだけど、とりあえず今の私から言えるのは太賀という俳優が本当に素晴らし過ぎて… 今年は色んな映画に出てて全て良い仕事してるけど、「生きちゃった」「泣く子はいねぇが」は両方とも主演でもあり同じ"家族"というテーマの映画でもあるので、自分が映画館持ってたら2020年・太賀傑作映画として二本立てにして上映したいよ笑。 公開待機中の、西川美和作品も今泉力哉作品も、よくぞこの監督作品に出てくれたよ最高!って感じで今からもう褒め称えたいです笑。 初日舞台挨拶も、ほんと太賀だった!最高だよ…好き。
心が震えた
是枝監督が好きなこともあり、鑑賞。 言葉は少なく、音楽も多くを語らない。 退屈な面もありつつ、何を伝えたいかを考え、感じ、観ていました。 ラストシーンは、大方予想はできていましたが、それまでの過程、役者の演技、おもい、主人公の成長、全てが詰まっており、心が震えました。 ただ、喜怒哀楽の波で表現するだけがえいがじゃない、複雑な感情を見事に伝えていた映画でした。
未練を断ち転身早いのは女のひと
NCWのOBなので観てみた。監督出身地の秋田だけに、ロケなどの空気感に実感がこもっている。 男はたどたどしく不器用で未練がましく、女は潔くさっさと見切りをつけて転身も早い。そんなことを実感させられるようなプロット。 男性も女性を見習ってさっさと未練を絶って前だけを向いた方がいいね。ほんともっとオトコは女を見習うこといっぱいある。ちょっとしたことでも、たとえばたまたま行った喫茶店のケーキが半額になってて幸せを感じてわーって盛り上がったり、相手のことにうんうんって共感したりして泣いたり、お茶しよう~って言いたいこと言い合って、で?それで?結局何?てこと突っ込まずにそうそう!って言い合ったり。 特に小さなことに幸せを感じる、これは生きていくうえで大切なことだと思うんですよね、いちばん、女性に見習いたいところです。
泣く子はいねえがー
朝一とはいえ、映画館が貸切でびびりました、笑。1人って、、、贅沢、笑。 話の内容はバツイチ子持ちのワタクシは感じ方がきっと他の人と違い、ヘビーでしたね。幼稚園のシーンとかいたたまれない。苦しい。 仲野くんにぴったりの役でしたね、代わりにやる人がいないくらい。ちょっとした目や表情がさすがだなと思います。今後どういう役に幅が広がるのか楽しみ。 吉岡里帆もよかったですなーいつものかわいい笑顔がほぼ見られなかったのは残念ですが、ほんと車のシーンもラストの玄関もいい顔、いい目でとても素敵でした。カッコよかったなぁ。。。
地味にずっと辛くて苦しい
人としても男としても未熟なまま父親になってしまった主人公が、自業自得とはいえなかなかキツイ人生を送る様が淡々と描かれていました。 物凄い不幸というわけじゃないけど、結構救いがないし希望もない。取り返せない過去を悔いて自分の未熟さに苛立ちながら過ごす日々は、見ていてなんとも言えない気持ちになりました…。 でもラストシーンは僅かな希望と受け止めていいのかな。 ちゃんと覚悟ができて、まずは自分が子どもを卒業しないと、親になっちゃだめですね。
泣きたいピエロは鬼の面を被る
予告を見た時は、だらしない男が自分なりにもがき這い上がる"再生の話“だと思った。 しかし、そんな優しいモノではなかった。 太賀くん演じるたすくは一発逆転は望んでおらず、地道に+1を重ねていきたかったのに、終始0地点のまま。 この現状維持はつらい。 絶妙に格好がつかない所が笑るたすくのキャラクターと、明るさがアンダー気味の画がいい塩梅だった。 太賀くん以外のキャスト陣も良かった。 まずは吉岡さん。いい感じに表情から疲れを感じられ、主張のない素晴らしい演技でした。 余さん、山中さんはさすがですね。シリアスな役も演じられる余さんですが、今作のとぼけた感じの方が僕は好きだな。 そして個人的MVPは寛一郎くん。やはり父と祖父の血を引いてますね。雰囲気抜群で常に目が離せませんでした。海で警察に見つかった時の笑みは、父・佐藤浩一さんが重なって見えた。 今後の活躍がとても楽しみです。 柳葉さん演じるなまはげの会長が「(なまはげを)魂でやっているんだ」と言っていたように、ラストは魂を感じた。 まあ、たすくはなまはげに対してではなく、娘や自分の現状に魂をぶつけていたのだと思うのですが。 どんな時もヘラついてしまうピエロの面を被っていたたすくは、父が残した鬼の面を被り、やっと出会えた娘へ「泣く子はいねぇが⁉︎」と心の底から叫びます。泣いていたのは彼自身なのに。 何かふつふつと湧き上がってくるものがあり、帰りの車でスピードを出しすぎてしまいそうになった。
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