泣く子はいねぇがのレビュー・感想・評価
全96件中、81~96件目を表示
もうこの役を演じれるのは太賀しかいないと思った
期待はしましたが、期待以上に良かったです。最近意味わからない邦画多すぎて、こんなにちゃんとストーリーを描いて、感情移入もできて、伏線も回収して、おちもある映画、本当に見やすかった。
太賀の演技も文句なし。見ているうちに何度もおもうけど、この役に適している今の俳優ってもはや太賀しかいないかと、役にぴったりすぎて感心した。笑
決して悪い人ではなく、不器用でどうしようもないやつだが、ぜんぜん嫌いにならず、むしろ愛しく感じてしまう主人公を、うまく演じてくれた。
ふざけてばかだけど、今までのふざけてバカな太賀とは違う、今までのない本物感を感じた。
ヘラヘラ笑って、叱られたあとのちょっと寂しそうな目は忘れられない。
【居場所】
東京に居場所はないと言うが、実は田舎にも居場所は少なかったりする。
仕事が少ないかもしれないし、くだらなく感じる因習だって多いに違いない。
もしかしたら、なまはげ自身も同様かもしれない。
僕は男鹿に親戚がいる、
幼い頃、男鹿の大叔母のところに遊びに行って、なまはげのエキシビジョンのパフォーマンスに連れて行かれて、大泣きしたのを覚えている。
「泣ぐ子(ご)はいねぇがぁ」と怒声を聞いて、思いっきり泣いていた。
そして、それを父が笑って見ているのに気がついて、とんでもないことだと怒りとも悲しみともつかない気持ちになったことを思い出す。
僕達には実は定まった居場所なんてない。
もともとないのだ。
だから、辛いのだ。
だから、辛さを堪えたり、頑張ったり、励ましあったり、努力したり、悲しみを乗り越えようとしたりするのだ。
車の助手席のことねの横顔。
たすくのなまはげを家に招き入れる時のことねの表情。
言葉はなくても、たすくに強いメッセージを発しているように感じた。
誰にも居場所なんてもともとないのだ。
だから、頑張ってきたのだと。
お前は何をしているのだと。
年老いて父や母はいずれは亡くなる。
友人もバラバラになったり、家庭を持ったりする。
製材所だって人手に渡る。
考えると辛いことだらけだ。
男鹿のなまはげだって、少子高齢化で、未婚男子が基本のなまはげのなり手は激減し、大晦日に子供が怖がるから、なまはげの来訪を断る家も多くなっていると聞く。
なまはげだって居場所が保証されているわけではない。
「泣ぐ子(ご)はいねぇがぁ」と捲し立てながら、なまはげも実は泣いているのかもしれないのだ。
たすくも凪と一緒に泣いていたのかもしれない。
でも、泣いてばかりはいられない。踏み出さなくてはならないのだから。
良かった
大げさな演出や派手さはないが、終始見入ってしまった。
キャスティングもすごく良かった。
コツメカワウソのような太賀、脇役だけど主役のような存在感はさすがの寛一郎。柳葉さんも、まさに適役で。
本物だから途中訛りが強くて聞き取れないシーンも。(笑)
東北の自然や寂れた街の風景。
懐かしくて涙が出そうだった。
話している相手、水族館の魚、写し出されるまでの時間が愛おしい。うまいなぁ。
これからの作品も期待したい。
男は幾つになっても所詮は女々しい子供なんだと
導入部分みている限りはじめから離婚ありきの吉岡里帆のスタンス見せられちゃったらそりゃ太賀もプッツンしちゃうだろうと…
そこに至るエピソードのひとつふたつ描いて欲しかったです。
東京に逃げて来た部分でもあそこでやっちゃう位自分落としても良かったんじゃ無いかと。(裏山)
秋田に戻って来てからの描き方は凄くイイと思う。
田舎独特の時間の流れと空気感が伝わってきます。
そして再婚相手に番長持って来たのは秀逸。
これ幸せ約束された感MAX(笑)
ラスト太賀と吉岡里帆の無言のやり取りも凄いです。
道を譲る吉岡里帆の覚悟の目線がなんとも言えません。
女は強いと。
そして最後のぶった切り。これで良かった。
この作品でもギバちゃんはギバちゃんでしたwww
【”酒は飲んでも飲まれるな!” 父親としての自覚無き男の苦き贖罪の日々と、”成長”を描いた作品。】
ータスク(仲野太賀)は、娘凪が生まれ、嬉しさの中、大晦日の男鹿半島の伝統行事「ナマハゲ」に父の手彫りの面を被り、参加する・・。
妻、コトネ(吉岡里帆)の”お酒を飲まないで・・”と言う言葉を背にしながら・・。
だが、街を練り歩く中、悪友シバ(寛一郎)から差し出されたウィスキーを飲むうちに・・。
”お前、何やってんだよ! 結婚して子も出来たのに・・”と、苛苛しながら、鑑賞。-
◆あの、事件から2年。
タスクは東京で一人暮らしをしている。あの為体では、離婚したのであろう・・、と思いながら、鑑賞続行。
ー 東京でのタスクの生き方と、タスクの元を訪れたシバの描き方がやや粗い・・。ー
・そして、シバから聞いたコトネがキャバクラ嬢をしているという話を聞き、重い腰をあげ、
”どの面下げて、帰るのか・・”
と思いながら観ていた、久しぶりの故郷への帰郷。
母(余貴美子)は自然に迎え入れるが、兄(山中崇)は冷ややかだ・・。
・「ナマハゲ」はタスクの行為で、一時中断されていたが、役場勤めで伝統行事「ナマハゲ」を仕切っていた男(柳葉敏郎)達の努力により、復活していたが・・。
■印象的なシーン
・タスクがコトネをシバと共に、歓楽街を捜し歩くシーン。漸く再会したコトネから出た言葉。”私、再婚するの・・”
・タスクが、”凪”が通う保育園の発表会をこっそり観に行くシーン。コトネと再婚相手は直ぐに見つけるが、舞台の上の”凪”がどの子か分からず、狼狽するシーン。
- あのな、幼子の成長は早いのだよ・・。2年経ったら、分からないだろう。-
・タスクが、自分の愚かさ故に、失った物の大きさに気付く”車の中での、コトネとの会話”のシーン。
そして、タスクは亡き父の彫ったナマハゲの面を被って、”父として、娘にしてあげられる最後の行動”に出る・・。
-このシーンは、今作の白眉である。
新しい家族のいる家に、険しい目をしながらも、タスクを入れるコトネを演じた吉岡里帆さんの表情と、
腹の奥底から絞り出すように”泣く子はいねぇが!”と、愛娘”凪”に
”強い子に育ってくれ!”
という願いを込めたタスクを演じた仲野太賀さんの、面の下の”眼”・・。-
<序盤から中盤は、ストーリー展開がやや粗く、”勿体ないなあ・・”と思いながら鑑賞。
仲野太賀さんも吉岡里帆さんも寛一郎さんも余貴美子さんも山中崇さんも、皆、良い演技をしているのに・・。
”是枝監督が惚れ込んだ”とフライヤーにあるが、前半は、画と画の繋ぎが粗く、ストーリー展開にも膨らみが出ていない。
だが、タスクが故郷に戻った、中盤から後半、漸く良い数々のシーンが展開される作品。
”最初から、あのトーンで作品を仕上げておくれよ・・、俳優さんたちは皆、頑張っているのに・・”と思ってしまった作品である。
が、中盤からラストシーンは、見応えがある作品でもある。>
愛しく哀しきクズ男の(再生は出来ない)物語
自分も含めて大半の男はクズである。
男は良い意味ではロマンチストだが、悪い意味ではいつも地に足がついていない。
永遠に大人になれない大人。
今度こそちゃんとするからと、何度も過ちを繰り返す。はたから見たら滑稽で喜劇だが、身内から見れば単なる悲劇でしかない。
主人公(たすく)をみて、「自分は彼とは全然違う」と胸を張って言える男はどれだけいるのだろうか。妻(ことね)の冷ややかな視線を前にすると、男はヘビに睨まれたカエルのようだ。
エンディングには多くの観客が引き込まれると思うが、個人的にはふたりが海を前に車の前席で会話するシーンが一番印象的。
後ろから撮るとドラマとして画になりにくいかもしれないけど、とても現実的なシーン。
演じる吉岡里帆の沈黙の間や顔を見ないで相手を突き放すところに彼女のすばらしい演技をみせてもらった(彼女は大根役者だという人は是非この作品をみてから感想を言って欲しい)。
また、義母せつ子との再会シーンでそれまで歩んできた生活の苦労や、これから歩み始める新しい生活への決意をひと言二言のセリフと顔の表情だけで表現している。
ナマハゲを作品の中心におくのも素晴らしいアイディアだし、男鹿の風景や東京とのコントラストの描き方に何度もうならされる。
佐藤快磨監督の作品は初めて観るが、とてつもない才能と今後の大活躍を感じさせてくれる。とてつもない完成度の高さ。これからの作品がますます楽しみ。
しかし幼少期にナマハゲに襲われたらトラウマになりそう…
身に覚えが
酒の上の失敗。この映画程ではないですが、ありました。家族の反応もあんなものです。
ペーソスのある失敗を純文学のように淡々と描いています。何かにハマっていて家族が冷たい目で眺めていると気づいたら身につまされる映画です。
「巨匠の秘蔵っ子」と言う地雷
また踏んだーー!
地雷だっつーのw
劇場映画としてのクオリティは高いです。難点なんか有りません。役者さん、撮影、演出、脚本、全部A級かねぇ…
だかだかだが、しかし。巨匠の弟子の映画に特有のアレどす。主人公に同情/共感ポイントが皆無なんだす、わたくし的には。
自分の幼さと弱さが故に、妻に見捨てられた男が、ナマハゲを「悪用」して娘に会いに行く話。コレがプロットの起点で、肉付けの人間関係とエピソードがぶら下がります。
そもそもが、自分がぶっ壊したナマハゲ文化を自己の願望実現のためだけに利用する魂胆が理解しかねる上に、テロ紛いの急襲で元嫁の幸せに傷を付けることにでもなったら、どうすんのかと。
謝るよりも責任取れ。責任取れないなら、姿を消せ。って思ったりする。
吉岡里帆さん、大賀さん、共に好演で、見どころと言うと、役者さんでした。
と言う事でした。
にしても巨匠、弱い人間が好きやなぁ…
だから映画は辞められない
新しい才能の登場を素直に喜びたい気分です。
佐藤快磨監督、良いじゃないですか。
映像、音楽、脚本、演技、私はすべて支持します。特にオープニングで正月飾りがストンと落ちる演出はこれから始まる作品全編を暗喩していたようで印象的。
是枝監督の秘蔵っ子(噂?)らしいけど、師匠の良いところをしっかり受け止めて、加えてさらにしなやかで瑞々しい。好みです。
次回作も期待します。がっかりさせないでくださいね。精進してください。
経世済民!
経済の事を経世済民と言う。経済で民を救う事を意味する。こんな日本に誰がした!私も無知で小泉政権に騙された口だが、構造改革とはインフレ対策である。デフレの時にやるのはタブーである。最近知ったが日本は国債をいくら発行しても自国通貨だてなら破綻しないらしい。インフレ率に気をつけてさえいれば。日本に必要なのは、消費意欲が生産性を上回るまで積極的な財政出動らしい。このコロナ化財政出動して国民を救う事が必要なのに構造改革とか言ってできていない。日本が国債で破綻しない事は財務省も認めている。構造改革で国際金融資本に日本を売っていいのか?例えば、大店法を改正して、地方にイオンを作ることを許し、商店街を潰し、日本は災害大国なのに、公共工事を半分にまで減らし、インフラ整備を怠り被害が甚大になった。
一度落ちたらどうやって這い上がればいいんだ今の日本は!
富裕層も他人事ではない!南海トラフ、首都直下型地震は来る。
災害が少ない欧米なら個人主義でいいかもしれない。だが、災害大国の日本では助け合うために共同体を守らないと駄目だ。
この映画の主人公はどうしたらよかったのだろう?
東京一極集中では地方が廃れて日本が衰退していくことの兆しが感じられた救いのない映画でした。
彼の叫びは娘に届いたのか・・・
こういう人っていますよね、私の知り合いでも、普段はおとなしく、家族思いなんですが、お酒が入ると豹変していまう・・・・
結局、その知り合いもお酒が止められなく離婚と言う終焉を迎えましたが・・・
本作品も大人にんりきれず、父親になりきれないひとりの男性が、秋田のなまはげを通して、最後は父親になるって話ですが、私とは対照的な主人公なので、見ていてイライラするばかりで・・・・
しかし、好きなモノを絶って本当に辛いんでしょうね・・・私ならきっかけや理由があれば止められると思いますが、こういう人って本当にいますよね・・・
また、本作品、主人公の話を通して、秋田の伝統なお祭り、なまはげを通して、少子高齢化社会や地元に若い人がどんどん居なくなることで、伝統的なお祭りも開催が危ぶまれていく様を伝えています。
最後の叫びは、主人公にとってどういう意味が有ったのか・・・・
本作品で考えさせられる人もいるのではないないでしょうか・・・
うわぁ、すごくよかった。
泣げぇぇぇーーーー!!!!
今にも泣き出しそうなのは自分自身だった。そして父になる --- 少し遅すぎたかもしれないけど落とし前。親は子を守って回りまわって家族のつながり。泣いたのは他の誰でもない自分だった!これは俺への"お小遣い"か?んだ。とにかく役者の力、太賀のすごさ。吉岡里帆も普段のキラキラさが無くていい。安定の太賀必殺ヘラヘラごめん。安定の近年ベスト・オブ・友達役寛一郎いいよな。主人公家族のキャスティングがいい、安定の大ベテラン余貴美子さん流石っす。
秋田県出身の佐藤監督が描くなまはげ。同じく秋田県出身の"ギバちゃん"柳葉敏郎も出ており、その役が作中テレビの取材で言うことが本作のテーマをなまはげに親しみのない人にも届けていると思う(ex.『ノーカントリー』トミー・リー・ジョーンズのキャスティング?)。男性はいつ父になるのだろうか?分かりやすく誰にも等しく伝わる答えなんて無いけどきっと。他でもない、仮面の下でどれだけ泣いたってそれを見せはしない。ただ溢れ出すばかり。
凪と名づけた娘ができた主人公。テレビ局も駆けつけた、なまはげの夜に酒に酔って全裸で走り回ったことから、離婚し東京に。おかげでなまはげの伝統は危ぶまれる始末。けど2年後、義父の訃報を聞いたことから帰省した主人公は、別れた妻を探し回る。ユーモアのセンスが絶妙で最高、クセになっちゃう。これは笑ってしまうよ、けどふとした瞬間に込み上げるものもあって…。エンディング曲もすごくよかった
オンライン試写会、海賊版とかネット流出・悪用防止のためだろうけど、画面3方向に「フィルマークス」「バンダイナムコ」「SAMPLE」と文字情報多くて笑ってしまった。
いつまでもあると思うな親と金
「決めたの、君じゃないって」「チャンスがほしいです」「もう生きてける」今日だけはお願いします!今日だけはお願いします!「パパいるから大丈夫だよ」
日本映画の未来は明るい
ある試写会にて観賞。
是枝監督の秘蔵っ子、佐藤快磨監督が初の劇場映画。
率直な感想「やべぇ天才が現れた、、」
ユーモアとペーソスの教科書のようなシナリオ、細やかな演出力、音楽、カメラどれを取っても抜群に良い。
全てのキャストが光り輝いていた。
会う人会う人に薦めまくっています。
11/20に日本映画界の明るい未来が誕生する。
佐藤監督の大きな背中を押した是枝監督に感謝します。
全96件中、81~96件目を表示