「未来人が弱すぎない?」トゥモロー・ウォー odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
未来人が弱すぎない?
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エイリアンものとタイムトラベルを合わせたSFに家族の絆を絡ませた欲張りムービー。
30年後の未来人がSOS、ホワイトスパイクというエイリアンに襲われて人類存亡の危機、足りなくなった兵士の補充にやってくる。過去の戦争にタイムスリップする話は多かったが現代人が未来に行って戦うシチュエーションは珍しい。
セオリー通りなら未来人の狙いはエイリアンが増える前に元を絶とうと特殊部隊を送り込む筈なのに徴兵とは不可解。もっともその役割は未来から戻った兵士たちが担うから遠回しにしただけ。
何より頂けないのはホワイトスパイクはリドリースコットのエイリアンの亜種のよう、凶暴だが所詮野獣の類、苦戦するのは小銃や拳銃で戦うから、地上戦では数の劣勢は明らか。プロレス同様、さんざんやられてから反撃のカタルシスという目論みなのでしょう。
タイムトラベルもできる未来ならもう少し強力な兵器もあるはずだし、爆薬で殺せるなら毒薬に拘るのも解せません、コロナ禍だからバイオテクノロジーを絡ませたかったのでしょう。
エイリアンの出没地を探すのに火山フリークの教え子の知識が役立つというのもジュブナイル向けのサービス、子供たちの未来を救うというスローガン、ベトナムPTSDのおじいちゃんがJ・K・シモンズさんというのも贅沢、相変わらず癖が強くて笑えます、最後は大活躍でした。
そんな父親との確執と和解、未来の愛娘との出会いと別れ、戦友との絆など幅広い観客層に受けを狙って盛りだくさん、メジャーらしい商魂たくましい作りですね。もっとも予算たっぷりの恩恵もあり、既視感やプロットに不満はあるもののエンタメとしては楽しめました。
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