「ハラハラさせつつも目が離せないジェシー・バックリーの魅力」ワイルド・ローズ 村山章さんの映画レビュー(感想・評価)
ハラハラさせつつも目が離せないジェシー・バックリーの魅力
『ジュディ 虹の彼方に』では歌手ジュディ・ガーランドのサポート役を好演していたジェシー・バックリーが、こちらではガッツリ歌いまくるカントリーシンガー役で驚いた。いや、カントリーシンガー志望のシングルマザーと呼ぶべきか。
階級格差、貧富の格差などの社会問題を折り込みつつ、主人公ローズにとっての最大の敵は、理想の高さと反比例するだらしのない自分自身。歌声は素晴らしいし、自信も夢もあるけれど、現実と向き合うことがとことんヘタ。「そんな不器用なダメ人間がどこまで成長できるのか?」がこの映画の主軸であるとすれば、まあここにしかないよなというところに落ち着く話ではある。
そういう意味では驚きはないのだが、ジェシー・バックリーのハラハラさせつつも魅力的な演技と歌声で、やはりローズという人物を応援せずにいられない。口を歪めるような笑い方も、ローズというキャラクターにピッタリ合っていてチャーミングだと思う。
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