魚座どうし

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解説

文化庁委託事業「ndjc(New Directions in Japanese Cinema):若手映画作家育成プロジェクト」の2019年度に製作された短編3作品のうちの1作。小学4年生のみどりはママと2人暮らし。パパは仕事で外国へ行ったきり、ほとんど帰ってこない。ママの心には穴が空いていて、みどりは自分がそれを埋められないことを知っている。学校へ行けば友達がいるけど、なんだか満たされない。同じく小学4年生の風太の家にもお父さんはいない。お母さんは宗教に熱心で、お姉ちゃんは中学生になって反抗しはじめた。子どもたちは今日も「起きたら何もかも大丈夫になっていますように」と願いながら眠りにつく。監督は、初監督作「あみこ」がPFFアワード2017に入選、第68回ベルリン国際映画祭に史上最年少で招待された山中瑶子。

2020年製作/30分/G/日本

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(C)2020 VIPO

映画レビュー

4.5子供たちVS優しくない世界

村山章さん
2020年7月31日
PCから投稿

19歳で撮ったという怪作『あみこ』の山中瑶子監督が、文化庁委託事業の「プロのスタッフを使って35mmフィルムで短編を撮る」という企画に参加した30分ほどの作品だが、山中監督の恐るべき才能がここでも炸裂している。

小学生の女の子と男の子、近いところに住んでいるけれど交わることのない二人の日常が綴られているのだが、周りの大人たちの不安定さが、日常にいつ崩壊するかわからない脆さを与えていて、もうホラー映画を見てるみたいにハラハラするし不安になる。

それでいて、ミニマムでこぢんまりとした作りに陥ったりはせず、小さな話なのに、子どもたちを押しつぶしかねない大きな世界の存在を感じさえる。決して優しくはないけれど、外の世界には確かに可能性が広がっていて、子供たちがこの閉塞した日常が飛び出せる日を願わずにはいられない。

いや、そんな映画だったっけ?と思う人もいるかも知れないが、それはそれできっとこの映画の別の可能性なのだろう。決して一義的な解釈に収まることにない、なんとも挑戦的な作品なのである。

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村山章
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