劇場公開日 2020年2月21日

「本作の長編版を観たい、観たい、観たいーーーー。」魚座どうし バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5本作の長編版を観たい、観たい、観たいーーーー。

2021年6月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ポレポレさんで「あみこ」と併映で鑑賞。
30分の短編です。

親子の関係ってなんなんでしょうね?
親にとっての子供、子供にとっての親。
登場する子供達は小学生。
そして登場する大人達は子供が従わざる
を得ない人達。

ここで描かれる世界は、きっと珍しくない
現実の縮図なんでしょうね。
それをなんの説明もなく、映画として語りきる
演出は見事だと思います。
画面に無理無く、たくさんの情報を入れるの
うまいなぁ。

ある事を守ろうとして崩壊していく2つの家族。
守るべきなのに守られない、
皺寄せを一手に引き受ける子供達の
また来る明日、変わらぬ(もっとひどい?)明日を
予感させるエンディング。

どんどん違和感が増幅し、ゾワゾワ、ザワザワと
たった30分なのに、気持ちが描き乱れました。
なんという作品を作ってしまうのでしょう、
この監督は。長編を作ったらどんな作品になるのでしょう?

題名の「魚座どうし」の意味は、アフタートークで
監督自身が語ってくれましたが、なるほど。
足りないところを補う性質があるそうですね。
大人の仲の子供が、まさにその役回りなのかもしれません。

本作は、僕としては「中途」で終わっている認識です。
この題材で長編作ってもらいたいなぁと切に思いました。

バリカタ