「イーサン・ホークを楽しむ.」ストックホルム・ケース 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
イーサン・ホークを楽しむ.
2018年(カナダ/アメリカ)ロバート・バドロー。
コメディですね。極限状態での洒脱なユーモアが楽しい。
なかなか面白かったです。
アメリカとボブ・ディランとマックィーンのブリットが好きな強盗=イーサン・ホーク。
イーサンのおマヌケな銀行強盗に対処する警察。
出たとこ勝負で刻々と状況が変化する。
人質を取る→刑務所の悪友グンナー(マーク・ストロング)を呼ぶ。
逃走に車(マックィーンがブリットで乗ったムスタング)を要求。
金を奪って逃走する予定が、銀行の金庫室に閉じ込められ・・・事態がこじれて行く。
スウェーデン首相とじきじきに人質ビアンカ(ノオミ・ラパス)が交渉する。
「人質と強盗をどちらも助けて!!」
人質と銀行強盗が仲間になった瞬間だった。
ストックホルム症候群(ストックホルム・シンドローム)
この言葉は1973年にスウェーデンのストックホルムで起きたこの銀行強盗事件から
生まれた言葉です。
誘拐・監禁事件の被害者が犯人に極限状態で好意を持ってしまうケースのことを言います。
命の危険→チカラになってくれない警察や官邸→対して頼りになる優しい犯人。
映画は1973年の事件の実際の出来事と殆ど同じだと監督は話しています。
これが事実だとかなりヤバいです。
(まるで洗脳されたような人質たち)
ゆるう〜い愛すべき、ろくでなしイーサン・ホーク。
有能な銀行員で母親のノオミ・ラパス。
見せ場は少ないけれど、70年代の自由の香りのするマーク・ストロング。
(髪があると凄くイケメンですね)
実録映画のワクを超えて楽しめる、粋な映画だった。