劇場公開日 2020年3月20日

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三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のレビュー・感想・評価

全203件中、1~20件目を表示

4.5相手の敬意を持つこと

2021年7月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

当時を知らない筆者は、全共闘にも学生運動にも三島由紀夫にも思い入れはなく、歴史の中の出来事と言う感じなのだが、この映画は今を生きる人間に響くものがあると強く感じた。
安田講堂事件を引き起こした左翼学生グループの全共闘が、保守の論客でありスーパースターの三島由紀夫と激論を交わす。互いに思想信条は相いれないはずだが、議論の果てには共通の敵のようなものが見えてくる。全共闘メンバでーでこの論戦でも壇上で三島を激論を交わした芥正彦は、当時を振り返って、それは「あいまいで猥褻な、この国」と表現する。
映画を通して感じられるのは、互いへのリスペクトだ。豊島監督は映画を作るにあたり、仮想的として現代のSNSの議論を思い浮かべていたそうだが、たしかに敬意なく罵詈雑言に終始し、マウントを取ることばかり考えているかのようなSNSの空間と、この講堂での熱は対極にありそうな気がする。
三島の天皇論もわかりやすく披露されており、三島由紀夫の思想を知る上でも貴重な資料になる作品だと思った。

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杉本穂高

4.0三島由紀夫も東大生もアツい。ウザい。

2020年8月25日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

三島由紀夫が割腹自殺したとき、私は小学生でしたから、現役時代の三島に関する記憶はまったくありません。だからこの映画で初めて、動く三島、喋る三島をちゃんと見ました。「論壇」とか「言霊」とか、今のネットメディアには登場しなくなった単語が頻出で、「そんな時代もあったのね」と不思議な感慨が湧いてきます。それにしても、三島由紀夫も東大生もアツいしウザい。「安保」って何? 「民青」って何? 「革命」って何? 50年で時代はこんなに変わるんですね。

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駒井尚文|映画.com編集長

3.5ノンポリ世代も見やすい「三島由紀夫という右翼」指南

2020年6月30日
PCから投稿

ドキュメンタリー映画化を依頼されたのが豊島圭介監督という人選が面白い。東大卒という経歴が理由だったのかは知らないが、豊島監督はこの討論会の時にはまだ生まれておらず、政治的なステートメントを押し出してきた映画作家でもない。だからこそ本作は、三島由紀夫や学生運動を知らない世代に、とてもエネルギッシュで面白い人たちがいた、という事実を提供してくれている。

特に驚いたのが三島由紀夫の佇まいや論法で、世代が違う若者たちの土俵に敢えて乗ろうという姿勢は、頭の凝り固まった老害ではまったくない(老害というにはまだ若いが、当時の学生たちには老害に見えていただろう)。マッチョ信奉で極右化した文豪、という雑な先入観がこの映画によって書き換えられたのは大きな収穫だった。

ただ、ノンポリな姿勢故に、この映像が現代にどんな意味を持つのかを提示するまでには至っておらず、興味と好奇心を刺激された者として、もっと踏み込んだものが観たいと感じはした。ともかく入口としての機能は確実に果たしてくれていると思う。

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村山章

4.0三島以上に、赤ん坊を抱いた男の印象が強烈すぎた・・・

2020年3月26日
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鑑賞方法:映画館

三島の本は2、3冊しか読んでないし、その内容もはっきり覚えていない。そんな自分がこの濃厚な香りが充満するドキュメンタリーを見て何か感じるものがあるだろうかと、多少なりとも尻込みして臨んだ本作。いやいや、この圧倒的な熱量には度肝を抜かれた。何かを表現するたびに右だの左だので喧々諤々となる昨今、ひとつ間違えば本作もその格好の餌食となりそうなものの、しかしこの映画は決してそうならない。作り手の豊島監督が証言者たちに色々教えてもらいながら当時を振り返るというスタンスゆえ、映画の視座そのものがとても観客に近い、とでもいうべきか。主義主張の異なる両陣営が暗黙のルールを侵すことなく、さらにはユーモアという武器を駆使しながら戦う様は見ていて痛快だった。何よりも登場人物一人一人のキャラクター、特にあの赤ん坊を抱いた男の存在が際立っている。史実をあまり知らなかった私は、一本の映画として本作を楽しんでしまった。

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牛津厚信

3.0すごい人間

2024年1月1日
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プライア

3.0全共闘、当時のエリートたちは何を思っていたのか。

2023年11月24日
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鑑賞方法:VOD

全共闘について調べてた過程で見つけた映画として鑑賞。
当時の空気の一端と、三島由紀夫氏のカリスマ性を感じるには良い作品だった。

全共闘は、ヘルメット、火炎瓶、大学封鎖、みたいな過激で穏やかでないイメージがあったんだけど、こんな知的討論の場を設ける側面もあったんだなあ、とイメージが少し変わったかも。
当時の活動に参加してた人々の複雑な思いを知れたのも良かった。

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ゆめ

2.5タイトルが大袈裟かなぁ

2023年11月16日
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鑑賞方法:VOD
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背中にエンジン

4.0三島由紀夫の天皇論、闘っている相手は同一とする東大全共闘運動への共感は刺激的

2023年6月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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Kazu Ann

4.0圧倒的熱量

2023年2月7日
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鑑賞方法:映画館

三島由紀夫vs.東大全共闘というタイトルからすると、単純に右翼対左翼の激論が展開されることを想像した。確かに、両者の理念は正反対で、議論は噛み合っていないのだが、実は反米愛国という部分では一致していて、全共闘側はできれば三島と手を組みたかったのだということが、終盤でわかった。
議論は、時間、他者、国家、天皇などをテーマに観念的、抽象的な言葉が熱情をもって交わされ、ハイレベルな哲学の講義のような光景が繰り広げられる。言葉というものにまだ力のあった時代で、言葉で人を説得し、言葉によって世の中を変えていけるということが信じられていた、純粋で真摯な時代だったのだ。
圧倒的熱量を持った議論など失われてしまった今、コロナショック後の世の中は、変わっているのか、変わっていないのか。

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ミカエル

5.0論争の先に見えた本当の敵は何か?

2023年2月7日
iPhoneアプリから投稿

私は世代的に学生運動を殆ど知らない。まして三島由紀夫という人間も、歴史や国語の授業で聞いたくらいの門外漢だ。そんな私でもこの論戦からは目が離せなかった。何故なら、そこには日本の未来を憂う両者の"熱"があったからだ。

立場、思想は違えど、日本の進もうとしている方向に疑問を感じ、行動してきた両者。
だからこそ、彼らが舌戦の末に共通の敵のような物を見出した時の感覚には興奮するものがあった。

そしてその敵は今も変わらずそこにある。
悲しいかな、彼らは歴史に敗北し、我々はその後の日本を生きている。主体性のない国、空虚な日本というこの国で生きている。
もしも彼らの情熱があの時代を革新していたら、我々が住むこの国はもっと良い形になっていたのだろうか?

IFを語っても仕方がない。
理屈ではそう分かっても想像せずにはいられない。
一つだけ言える事は、熱情こそが世界を進める糧であってほしいという事だ。
熱情なき政治の先には腐敗しか待っていないのだから。

対立しているはずの全共闘の若者の演説を、どこか満足そうに笑みを湛えながら聞き入る三島の表情が印象的だった。彼らの熱情を見て、三島自身「この国もまだ捨てたもんじゃない」と、そんな希望をどこか見出していたのかもしれない。

未来を作るのは老人ではない、彼らのような活気ある若者であってほしいものだ。そんな未来に私は生きたい。そう思った。

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ジョイ☮ JOY86式。

3.5議論が出来てるが、頭良すぎてバカになってる。

2023年1月16日
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鑑賞方法:VOD

内容は国体思想vs共産革命の議論。議論は民主主義の根幹。実際は思想のぶつかり合いでしか無いが、議論はしていた。

思想の軸が真逆なのに議論をする。
今の政治には無い。
議論はしているが歩み寄ることはない。後日談で三島が全共闘のメンバーを勧誘したって話はあるが現場では軸を譲る事は無かった。
それでも笑い声が上がるユーモア、理解はするが交わらない態度。真剣勝負の議論はいつまででも見ていたい気にさせられた。

しかし議論の中身は思想的なもの、屁理屈vs屁理屈。テーマの立て方はボンヤリしたもの、それに三島が持論を展開。そこからあとは理屈の応酬。
それでも不思議とキャッチボールが成り立ってる。
ただしキャッチボールみたいに取りやすいところに投げるのではない。厳しい場所に速球を投げ合う。
「これ受けれるか?どうだ手が痺れるだろ」と言うようなやり取り。
学生だから出来る議論に三島が合わせる。余裕を見せつけると言うが三島には余裕があったのだろう。対芥以外は相当の余裕が見えた。
余裕が議論としての歩み寄りに見える雰囲気を作り出したのだろう。

こう見えるのは演出の賜物だろうな。面白い作品になった。

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mrkc7

3.0右か左か、勝つか負けるかでは無く

2023年1月11日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

右か左か、勝つか負けるかでもなく、
語り合ってわかったことは、
互いにこれからの日本を真剣に憂いた。
今この国を本当に憂いて真剣に考える熱情溢れる若者がどれほど居るだろうか?
最後の在り方はどうかと思うが、出来れば生きてその熱情を持ち、この国を憂い続けて欲しかった。

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上みちる

3.0この時代の熱量を感じる

2022年12月15日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

知的

難しい

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Keita

4.0相手の立場に立つ、誠実に本気!

2022年12月12日
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知的

現役東大生(全共闘)相手に自分を曝け出してして自分の考え方を述べ質疑応答でも冷静で迷いがない、凄い人だ!と感心する。
でも真面目過ぎた!
思い込んだら命がけ!も場合による。
切腹する事なかったのに?
あんなにどんな人にも誠実に見える人はいないように思いますが、今の時代ならノーベル文学賞は川端康成じゃなく三島由紀夫だったかもね?
惜しい人を亡くしたように思います。
残念。

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kachasin

3.5三島由紀夫本人が登場しているから迫力満点。 抽象的な議論に終始し、...

2022年11月7日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

三島由紀夫本人が登場しているから迫力満点。
抽象的な議論に終始し、何を言っているのか理解できないことも多かったが、それでも当人間では議論が成立しているのがすごい。
三島がこれほどの武闘派だとは知らなかった。

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省二

5.0三島由紀夫の全共闘との真摯なやりとりが感動的

2022年11月6日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

三島は決して学生を馬鹿にしたような発言はしないし、学生から馬鹿にされたような発言があってもユーモアを交えて真面目に対応している。1970年の自決も真面目過ぎたのが原因だと思う。

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あっちゃんのパパと

5.0芥氏は『全共闘は失敗しましたか?』と言う問いに『全共闘は自殺しなかった。』と嫌味を込めて言う。

2022年10月24日
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マサシ

3.5三島由紀夫・・・生まれてくるのが早かったのか?遅かったのか?

2022年8月30日
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琥珀糖

5.0切腹って

2022年6月30日
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怖くないん!?おれこわい!

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ミスター

2.5天皇も東大も

2022年6月12日
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まやかしで作り上げられ練り上げられた言葉の呪詛のようなものである。という事を長時間に渡り表した作品。
三島の嘘をつけない魂の清々しさと、こねくり回し独りよがりな思想を展開する全共闘の対話が
後に三島の自決で本質としての違いを露呈した。と言うのが事実だと僕は思う。
なぜ、全共闘の自決はなく、三島の自決で終わったのか?本当に問い詰めるべき事柄ここに集約されているよ。
と見た感想として残したい◎

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tomokuni0714