「犬のフランクの名演技」ザ・グラッジ 死霊の棲む屋敷 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
犬のフランクの名演技
2004年、東京の映像から始まるストーリー。ハリウッド版のJUONのリブートらしいが、登場人物で同じなのは洋子という名前、そしてカヤコだけだ。東京に留学していたフィオナは生ゴミがいっぱい置かれている屋敷から逃げるようにアメリカへ。そして事件が発覚するのは2年後から。
前半部分は時代が行ったり来たりするので頭を使わされる。簡単に言うと、04年のランダース一家と不動産屋のスペンサー夫婦の惨劇、05年はマシスン夫婦とドクター・デスのような自殺ほう助屋ローナ・ムーディの惨劇、そして06年は女性刑事マルドゥーンが二つの事件の屋敷に踏み込んでしまうストーリーなのです。
“カヤコ”の存在が明らかになるのはエンドクレジットでだ!ボーっと観てたのがいけなかったのか、それとも映画の説明不足か?とにかく知らない俳優さんばかりで、知っているのはジョン・チョウだけ。彼が一番上にクレジットされ、2番目がカヤコなのだ。かなり反則!そして、トシオは出てこなくて、代わりにメリンダという少女が登場する。効果音は呪怨シリーズで一貫していて、この作品は音楽もいい。
マルドゥーン目線で物語は進むのですが、最初に頭を使ったので眠気はもよおさないものの、そのため怖さは半減。04年、06年とハリウッド版『呪怨』を踏襲しつつ、日本産であることをもリスペクトしていたし、カヤコの呪いをペンシルバニアまで持ち帰ってしまったことの因縁も感じられた。また、44番地や4時44分など、不吉な数字も日本を意識したのだろうか。カセットテープを登場(いつの時代の代物だよ)させるなど、どことなく古さも感じさせるのも興味深いところです。頭から指が出てくるという新しい映像もあったり、ウィルソンの特殊メイクが凄かったりで、最後はかなり驚いたので2点から3点にアップ!
小難ししくない程度にちゃんと捻りもきいていたし、何なら呪怨を観ていなくても楽しめそうな感じでしたね!
これで怖さをもっと感じられるつくりだったら言うことなしでした。