劇場公開日 2020年10月9日

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「韓国の物語であり今の日本の物語でもある」82年生まれ、キム・ジヨン あささんの映画レビュー(感想・評価)

4.5韓国の物語であり今の日本の物語でもある

2020年10月14日
iPhoneアプリから投稿

80年から90年代中盤に生まれたミレニアル世代と呼ばれている私たちは、今子育て真っ只中の人が多い。ある人は誰かの妻であり、ある人は誰かの母親であり、誰かの娘で誰かの姉であり妹である。

女は生まれたときから女であることの呪縛によって

女らしくしろ
料理はできて当然
片付け掃除、裁縫はできないといけない
運悪く性被害、またはそのような怖い目に遭ったときには「露出した格好をしているお前が悪い」「誰にでも愛想よくするからダメなんだ」
夜に出歩くから、人通りの少ないところを歩くから、脇が甘いからダメなんだと咎められ

30歳前になれば結婚はまだか?
結婚をすれば子どもはまだか?
35歳過ぎたら妊娠しにくくなり高齢出産になるから子どもは早く産め、
1人目が生まれたら2人目はまだか?
次は男だ、次は女だ
子どもが生まれたら、3歳までは母親が育てるべきだ、
0歳から保育園は可哀想。
子育ては大変でしんどい。少しでも弱音を吐こうモノなら、「自分が望んで産んだのでしょ?」と返ってくる。

世の中のお母さんのほしい言葉は「お疲れ様。よく頑張ってるね」ただ、その労りの言葉が欲しいだけだ。
それだけ、育児は誰からも評価されず、孤独との戦いの日々。

さて、この作品、特に今の一部の45歳以上の今流行の“昭和おじさん達”がこの作品を観て、どう感じるのか?純粋にこの人たちの感想を聞いてみたいと思った。
なぜかと言うと彼らの世代の母親の多くが専業主婦だったからだ。男が外で稼ぎ、女が家を守る ということがスタンダードだった時代であり、そのため、どこかで未だに、「女は家を守り、女が家事と育児をするのが当然である」という意識から抜け出せない人が多くいるのも事実である。

だけど時代は変わり、今は夫婦一緒に家事をして子育てをして助けて合っていく時代である。

これから、社会が良い方向に向かうことを信じて

私の娘たちが大人になった時には、今よりもっともっと生きやすく、伸び伸びとした世界になっていることを切に願う。

あさ