劇場公開日 2020年6月12日

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コリーニ事件のレビュー・感想・評価

全107件中、101~107件目を表示

5.0かっこいいドイツ映画登場!

2020年6月13日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

知的

萌える

2回目鑑賞。戦時のイタリアで「モンテカルロの一夜」というドイツの歌がレコードで何度も流れるのがあの時代の空気を作ってた。

フランコ・ネロの演技に泣けました。1968年の例の法律が問題であったことが法廷で明らかになったときのフランコの顔は、晴れて太陽のようだった。アンナ役の女優さん、とっても素敵、ドイツ人にはいないタイプ。私の祖父がいなかったら「あなたはKebabの売り子だったでしょ」はかなりきついけど本当だ。母親はトルコ人、父親はドイツ人だけど、カスパーが小さいとき、父親はとんずら。でもお父さん、助けてくれたね。それは「お父さんはまだ生きてるの?」とネロが聞いてくれたから。私が思うのは、どちらか一方がえらそうに、でなくて、互いが自分を考える、考えさせる関係というのがいい。そういうのどうかな、とこの映画は私たちに提案してるかなと思った。

エンドロールで、いわゆるドレーアー法には、リュプケ(CDU、後に大統領)、法務大臣ハイネマン(後にSPD初の大統領)、ブラント(SPD、後に首相)も関わっていたことが、流れた。彼らもこの法律が何を意味しうるかわかってなかったんだろう。なぜなら大混乱の時代だったから:1968年、ナチ犯罪への追及が厳しくなりつつある一方で、その反動勢力もあり、ナチス政権下で検事として辣腕を振るったDreherがその法律の草案者だ。政府はCDUとSPDの大連合。まさに法の穴である「時効スキャンダル」は、可決後にビルト紙日曜版が、翌年はシュピーゲル誌が暴いた。ここでもマスコミの力が効いている。

この映画の原作(原作者のシーラッハは弁護士でもある作家)の出版(2011)がきっかけで、ドイツ連邦法務省内にナチの過去再検討委員会が設置された(2012)。

当時の若いマッティンガーもほやほやの見習いで、カスパーとどっこいどっこい。ただ、あの時代に法学専攻だったなら保守で、学生運動側には居なかったろうと想像する。(2020.11.29)

映画とてもいいです。でも、原作読むと何が問題なのか、ドイツは戦後どのように動き、どれだけ膨大な資料を(ナチスの資料はナチスが破棄したが)きちんと保管しそれを法廷でつかったのかよくわかります。公文書が真っ黒だったり議事録とらない、何でも捨てるのは日本だけ?どこの国も?よくわかりません。日独比べてドイツは偉いね、と言いたい訳ではないです。どんなに世話になり大好きな人が居ても、法律の前で謙虚に誠実に、というのは非常にドイツ的だと思います。まして主人公はとても優秀な弁護士の卵、だからこそ。そこらあたりは映画ではちょっと弱いと思いました。原作、薄い文庫本なので関心あったら。(2010.11.28)

カスパーがボクシングやるなんて!想像外の幕開けでワクワク、素敵な俳優さん!といきなり肩入れ状態。
原作は未読ですが、鑑賞後、すぐ買いました。映画化する上で、原作の設定を色々変更したようです。

移民社会のドイツ。DoktorやProfessorといった肩書き大好きなドイツ。クラシックカーとしてのメルセデスーステイタスでもあり、頑丈で、ドイツ人が好きな車ー。定年間近で男前の教授のリッチな生活と引き締まった肉体(例外あり)、これもドイツ。アイロン大好きで、シワシワだらけの衣服考えられないドイツ。ワインを美しいグラスで飲むのもドイツ(ドイツ人はビールばかり飲んでいる訳ではない)。インテリの女子学生だって、タトゥー入れる、ピアスあちこち挿入する、髪の毛もファッションも派手なのもドイツ(ベルリンかな)。

そして、法律を真面目に守るドイツ人が、「正義」の前で謙虚になり、一度決めたことでも、いい方向に変える勇気もある人たちであることが、描かれていた。

前例主義でない、忖度しない、権威や権力に怖じ気づかない。若い人をからかいながらも、リスペクトし、励まし育てるのが上手な大人たち。そういう風に、ドイツの学校、家庭、地域では、若い人を育てる。自分の言葉で自分の意見を述べることを、ひたすらトレーニングする。「生意気」は、若い人へのほめ言葉であるドイツ。以上、美化しすぎであること、わかっています。でも、原発あって、自然をぶち壊して、不要不急の武器買って、私達が払っている税金の使い方がすごく下手くそな、そんな国の「コロナの時代の」私は、自分の国を全く信頼できない。その反動です。

トスカーナの自然も映るし、ドイツ語もイタリア語も聞けます。時代をまたぐ時間軸往来の素晴らしい構成。そして、ジャンゴ~のフランコ・ネロ。ブルーの目は相変わらず美しい。何も語ろうとしないが、表情で示すという、恐ろしく難しい演技が素晴らしかった。音楽もとてもいい!通底するモチーフは父への愛、思いです。

誰が見ても、楽しめるところ、好きなところを見つけられる映画だと思います!

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talisman

4.5初ドイツ映画かも

2020年6月13日
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三月☆うさぎ

4.0ドイツならではの良作

2020年6月13日
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本当の「正義」とは何かが焦点。
しかも、ドイツだから作れたお話。
少しでもちゃんと良い部分を説明しようとしたら、全ネタバレに直結するから、紹介も感想書くのも、超難易度高くて困る作り。

小説が原作で、作中の事件は実話じゃないけど、モデルになった事件があったことと、裁判に関わった法律の問題点は事実みたいです。

とりあえず「観てよかった」ということは強く言いたい。
数ある法廷ものに比べても負けないくらい、すんごい面白かった。

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コージィ日本犬

4.5悲し過ぎる殺人動機

2020年6月12日
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まるで松本清張作品みたいな展開。

事件は初っ端に起こります。
そして、そこから謎が始まります。

こんなに偶然って重なるものなの?というくらいに事件の関係者が半径10メートルくらいに集まっているのは若干気になりますが、それはまぁいいとしましょう。

それよりも何よりも殺人の動機が悲し過ぎて、ツラ過ぎます。そして、結末。。。

結末は、一瞬ポカーンです。
とんでも結末ではありませんが、そんなに急展開されたら、気持ちが置いてきぼりです。
え?ウソでしょ。というくらい気持ちの整理ができないままエンディングに突入です。

とはいえカタルシスはあります。
見て損はないと思います。

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ただの映画好き

2.5一種のドイツ歴史に触れる事ができる作品

2020年6月12日
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知的

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J24

4.5#33 本当の正義とは何か

2020年6月12日
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鑑賞方法:映画館

自分を育ててくれた恩人を殺した犯人を弁護するという難しい立場でも、正義を尽くそうとする主人公が格好良い。
物事を合理的に考えられる北寄りのヨーロッパだからこそ成り立つ話。
しかもドイツでしいたぎられているトルコ系っていうのがミソ。
きっと殺された元のご主人様も、主人公の行動を喜んでくれたと思う。

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chicarica

4.5シブくてコクのある、ドイツじゃないと作れない法廷サスペンス

2020年5月28日
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鑑賞方法:試写会

知的

難しい

とかくシブい内容になりがちな法廷サスペンスものだが、本作もご多分に漏れず。被告人役のフランコ・ネロがそれにさらに輪をかけてシブい。
誰にもほじくり返されたくない過去はあるが、かといって看過するわけにはいかない。負の汚点に真正面に向き合う内容の映画は、ドイツじゃないと作れないし、もっと言うと日本では作れない。
意図せず負の汚点に向き合わざるを得なくなった某人物に、「君は君だから」と声をかける主人公。実はその言葉は、同じく負の汚点を背負った原作者の心情でもある。

『ラストエンペラー』や『ローン・レンジャー』、『LION/ライオン~25年目のただいま~』を思わせるラスト演出は、あざといと言ってしまえばそれまでだが、ある人物が過去の悲しみからようやく解き放たれた心情を思うと、絶対外せない。

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regency