「1968年、ドイツでいわゆるドレ―アー法が施行され、多くの戦争犯罪者が罪を逃れた。」コリーニ事件 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
1968年、ドイツでいわゆるドレ―アー法が施行され、多くの戦争犯罪者が罪を逃れた。
焦点は、謀殺か故殺か。何のことやら、です。簡単に言えば、戦争当時の行為が命令に従っただけなのか否か、ということ。それによって刑の重さが異なる。つまり、これでうまく逃げた奴がいたということ。
そこを軸に物語が展開されるのであれば、たいていの筋書きは察しが付く。被害者はドイツ財界の大物、犯人は黙秘を貫くイタリア人、その国選弁護人は裁判初舞台のトルコ人。おまけに被害者は、その弁護士を支援してきた恩人であった。人物像の背景は初めから出来上がっていた。
緊張感はあり、ドイツらしい重厚さもあり、物語に”誠実さ”もある。しかし、予想範囲内。
それでも最後、あれで救われた気がした。誰が、は言わないけど。
コメントする