コリーニ事件のレビュー・感想・評価
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ナチス物は飽きたので鑑賞したが…
ドイツ映画といえばナチス絡みが多いので、うんざりしているのも事実だが、これはイタリアからの出稼ぎ労働者と、ドイツに多いトルコ系の軋轢を描く映画かと思って入場。 結果、またもやナチスものでした🥺。 事件のキーガジェットとして「ワルサーP38」が出ています。おかけでWikipediaでP-38を調べました。私の世代だとP-38は「ナポレオンソロ」や「ルパン三世」に出てくる現役兵器ですが、21世紀の今日では古物なのですね。そこを押さえないと本作は理解出来ない。勿論トルコ系弁護士にも「世が世ならアンタはケパブ屋台のあんちゃん」などと辛辣な言葉が浴びせられています。それにしても「裏切者イタリア」への対応はドイツらしいというか、厳しいモノがあります。「1対10」ね。それをホントにやるとは。「事件」が起こったイタリアの田舎町は現在も第二次大戦時も風景にさしたる違いはなく、そこにヨーロッパの積層した歴史を感じました。
正義とは
率直に言って面白かったし、想定していた以上に奥が深かった。 沈黙を続ける容疑者に対し、国選弁護人が頑張って調査をはじめますが、その裏にあったものが表に出てきた時は物語の大きさにびっくりしました。 原作者は、これのことを言いたかったのかと、学校で習わない歴史が学習できました。 また、ピザ屋のお姉さんが、アクセントになっていて好印象でした。
二次大戦ドイツ、戦争の背景と犠牲について考えさせられる映画。
フィクションですが、なかなかノンフィクション的な雰囲気のある映画。 見ごたえありますし、考えさせられます。 二次大戦のドイツ市民の背景を勉強するには非常に良い映画です。 現実に似たようなことがありそうだな~と。 見た後は、重い、重すぎるため、見たことを忘れていました。 戦争と一言で言っても置かれた立場と状況で全く異なりますよね。 第二次大戦に限らず、私たちが教えられている戦争の事実は本当に真実なのか? 改めて考えました(戦争以外でも真実は見つけにくい)。 戦争というものを考えるのには、とてもいいフィクションの映画だと思います。 ですが、現実にありそうで可哀そうで、見た後は気分が重いです。 戦争や内戦の背景も色々ありますよね。 【ロシアとウクライナ】 東ドイツが西ドイツと統一されたとき、アメリカ(西ドイツもかな?)はソ連と約束をしました。 「これ以上の東方へのNATOの拡大はしない」と。 こうして、ソ連の許可を得て、ドイツは統一されました。 ところが、今は、その約束は守れていません、ロシアは怒りました。 【イスラエルとパレスチナ難民】 第二次大戦のころ、ユダヤ人は西欧人として同化している人たちと、シオニズムを重要視する人たちとに二分化していました。 収容所に運ばれていくユダヤ人とは別に、シオニズム重要視のユダヤ人は船でイスラエルに運ばれていきます。 また、イギリスはユダヤ人(シオニズム系)には、「パレスチナをユダヤ国家とすること」を約束します。その一方ではアラブ人にも「アラブの国家独立」も約束します。 多くのユダヤ人がパレスチナに来て、アラブ人を追い出しました。 こうしてパレスチナ難民が生まれました、アラブの国家は作られていません。 ガサ地区のアラブ人は気の毒です。 本のレビューに「ユダヤ人だって同じことをイスラエルでしている」、と書いてあったのを見たことから、少し調べて事実をしりました。 イスラエルが、何故、国家として認められないのかを初めて知りました(最近は認める国も増えましたね)。 ユダヤ人が侵略し、パレスチナからアラブ人を追い出したことを知りました。そのやり方が酷かったことも。 第二次大戦中のドイツではユダヤ人迫害が行われてもいましたが、 時期同じくして、イスラエル建国のために船で運ばれていたユダヤ人も多くいました。 なんとも、やるせない現実です。 【レビューまとめ】 コリーニは完璧フィクション映画ですが、実によくできたフィクション映画です。 戦争の背景にあったできごとに焦点を当てています。 戦争の後片づけ、いまだ終わっていないことが多いですよね。 日本の憲法は戦後アメリカが作ったという話は、本当なのでしょうか? 日本の戦争も終わっていないな~、とか。 映画見終わった後に、ぼんやりと考えました。 一緒に見た旦那と、無言で映画館を後にしました。 旦那は可哀そうだと何度か言っていました。 見た後の気分は軽くはないので、気持ちが元気なときに勉強のために見るといいかも。
隠されワルサー
書棚に隠されたワルサーは罪の意識なのだろう。 法律すら間違いを犯す。 やはり時代を問わず、戦争は悲劇、憎しみ以外の何も生み出さない。 今も行われている戦争が、一刻も早く集結することを願う。
悪法もまた法なり
「終戦の日」が近づくと話題になる「戦犯」。
日本では処刑された戦犯まで靖国神社で「英霊」(=神)として祀られていて、問題視されているが、
ドイツでも似たような問題があるんだな。
何というか、「身内を裁く」ことの難しさを痛感させられる。
併せて、「正義とは?」
「法から見放された者はどうすれば?」を静かに問いかける作品。
あとは、ドイツの法廷って日米とも全然違うんだな。
ガラス張りの被告席とか、証人が判事を向いてたり…
ドレーアー法。 ドイツにはそんな法律があったのか。この法律は悪用す...
ドレーアー法。 ドイツにはそんな法律があったのか。この法律は悪用するために作られたのか、それとも誰も戦争犯罪人の救済に悪用できることに気づかなかったのか?
法なんかで裁くからこんなことになるんだ。
こんなテーマは誰にも答えだせるわけないんだから、 答えを出そうとするのをやめよう。 ぐるぐるぐるぐる頭の中で、 真実とは、悪とは、正義とは、戦争とは、憎しみとは・・・ って考えて考えて、 そんで明日から頑張って生きていこう。 「映画」という枠で見ると、 法廷モノってズルいよね。 説明シーンが冗長になりづらいから。 でも、冒頭のホテルでのシーンが白眉。 ちゃんと映像で伝えてる。 ボクシングシーンは意味不明。 幼少期のカスパーとフィリップが出会ったのに、 次のシーンで出てきたのがヨハナ。ここで混乱。誰? 操作のシーン、回想シーンともに丁寧で分かりやすい。 ただ、ハンスとカスパー家の関係がよくわからん。 なんで面倒みてやったの?実の父親も生きてるし。 それでも、よくできた法廷劇。 それでも、人は殺してはいけない。 それでも、戦争はしてはいけない。 それ以外に、この映画を評する言葉を 私は知らない。
重厚なテーマを扱った法廷サスペンス
この映画の核心は犯人の動機にある。大恩人を殺した犯人の弁護をすることへの葛藤がありながらも、不可解な点を見逃さずに主人公が真実に迫っていく様子は見応えあり。 単なるサスペンスドラマという気持ちで見始めたが、そこにはナチスドイツによる民間人の大虐殺、戦争犯罪人を守るために作られた法律の存在など、重厚なテーマがあり、とても考えさせられる内容であった。
ドレーア法の欺瞞
ドイツの暗部ドレーア法の欺瞞を暴くシーラッハの法廷ミステリー小説を映画化。
ホテルで年配の実業家ハンスが殺される、犯人コリーニは完全黙秘、弁護人は法廷経験のない新米ライネン、しかも被害者のハンスはライネンの大の恩人という普通なら不適格な胡散臭い設定。
死体の惨状から相当の恨みを持つ者の犯行と誰でも察しはつくだろう、ドイツだからおそらくナチス絡みだと予想は着くが犯人がユダヤ人でなくイタリア人なのでそう単純ではなさそう、仕事絡みの怨恨かとも思えるし・・、ハンスの孫のヨハナとのラブシーンなど挟まり一向に調査は進まないので前半は耐えるのみ。そういえば冒頭のボクシングシーンは何だったのだろう、不屈の闘士と言う面を見せたかったのか・・。
イタリア人迫害は意外だったが早々にイタリアが降伏してしまいナチスとしては不甲斐なく見下していたのだろう、ナチスの戦争犯罪の免責時効を狙ったドレーア法は本作で初めて知りました。
ナチスが軍資金や技術資料をもって敗戦前に国外逃亡、実業家として成功していた例はよく聞いたので温厚で面倒見の良い好好爺が元ナチスという設定もあながちフィクションともいえないのだろう、映画だからドラマ仕立ては分かるが骨太のテーマだけに色恋沙汰や親子の確執などのサイドストーリーは要らなかった気がしました。特にヨハナはロンドンに夫が居るようだし「祖父が支援しなかったらあんたなんかケバブ店の店員がいいところ」とライネンを明らかに見下したセリフを吐いていただけにしおらしいところを見せても白けます。見方を替えればライネンは恩を仇で返したようにも思えます、著者のシーラッハさんの祖父も元ナチスだったそうですから複雑な思いをライネンに込めたのかも知れませんね・・。
罪を憎んで人を憎まずとはならない
戦争中に起きた殺人が法律で無罪になった。 残された子供が恨みを晴らす為、殺害に及ぶ。 しかし、理由が分らない。 犯人が寡黙で八方ふさがりの中、弁護士が糸口を見つける。
許されざる者
第二次大戦が終わってから75年も過ぎてなお、このような作品を世に問うことのできるドイツという国の、歴史に対する厳しい矜持。 わが国の「水に流す」という、節操のない“風習”が、政治の劣化を激しく招いているんじゃないか。 2009年のイタリア映画『やがて来たる者へ』も合わせて観賞されたし。
後半からはよかった、
後半から、よりわかりやすく見入った。 前半はなくてもいいわけではないけど(笑)、後半になりだんだん話がわかってきておもしろく感じた。 しかし当時のドイツ、狂気の時代、ナチスの連中もよくあんなことができたものだ。 感覚がマヒしてるのか、なにが彼らの感覚を狂わせあんな蛮行をさせたのか。 そんな実際にあったという歴史の事実が、ハラただしくもつらい。
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