「行き止まりはないと信じたい」行き止まりの世界に生まれて bikkeさんの映画レビュー(感想・評価)
行き止まりはないと信じたい
3人の少年が親や継父に殴られて育ち、スケボーでその気持ちを癒やす。人気者で憧れの存在だったザックは飲んでは妻を殴る大人になった。ビン監督の母は再婚した夫がそんな酷いことをしているのは知らなかった、仕方がなかった、私が強くなれなかったから、と自分を責める。キアーは父が自分を殴ったのは、自分を愛してくれていたからだと信じようとするが、ビンが継父に殴られて納得でこなくったというのを聞き、父への想いとの狭間で揺れる。
苦しい毎日に風と疾走感をくれる、そんなスケボーで結ばれた3人それぞれの日々を見つめながら、「それはおかしいんじゃないか」というビン監督の思いは撮影を通して映し出され、まわりに伝わったのだ。それぞれが行き止まりの様に見えていた暮らしから抜け、前を向いて歩き出す、その出発点となり力にもなったのだと思った。
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