劇場公開日 2020年9月4日

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「希望から隔離されてはいない姿があった」行き止まりの世界に生まれて 室木雄太さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5希望から隔離されてはいない姿があった

2020年11月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

時折、彼等の心中に去来する思いが、私事の様に胸に響いた。ディレクターが半生を真摯に捉え、紡ぎ出す世界。それは彼等の未来への道標となる。別世界の物語では無い、華やかな謳い文句が溢れ浮ついた世相の片隅では、置き去りにされた土地で自らの生きる道が灰色に霞んで見える様な境遇が、ここ日本にも存在するからだ。彼等がスケートボードを乗り回す時、街は開放区の様に光を射し、だからこそ彼等のライディングには「真の自由」を感じ、魅了される。過去の拭いきれない深い悲しみと喪失感、それでも、現在と向き合い続けた日々があり、分断された世界から、飛び出せる勇気は自らが生み出した。彼等の幸せを願いたい。

yutamuroki