「大切な現実逃避」行き止まりの世界に生まれて MARさんの映画レビュー(感想・評価)
大切な現実逃避
貧困や家庭内暴力に苦しんだ幼少期を過ごした3人の12年間を記録したドキュメンタリー作品。
キアー、ザック、ビンの3人が主人公。彼らはスケボーで繋がっており、すべっている時だけ悩みを忘れられる。
義父の暴力に苦しんでいた自分を、同じく親子関係に悩んでいた親友キアーに重ねていたビン。
しかし皮肉にも、もう一人の親友ザックが重なってしまった人物は・・・。
その他、良くないと知りつつ、どうにも夫と離れることのできないニナとビンの母親。。
人間の弱さと逞しさ、貧困のスパイラルが生む諸問題の実態がよく描かれていた作品だった。
因みに私、映画は沢山観るけど、ドキュメンタリー作品を観るのはこれが人生2度目。
通常のドラマ作品にしても良さそうな内容だったけど、ドキュメンタリー手法が新鮮な自分には、また違った側面から見つめることができ、なかなか面白かった。
また、重い内容と、夕日に染まるスケボーシーンのコントラストが美しい。
mid90sでもそうでしたが、鬱屈とした生活の中、スケボーをしているときだけ笑顔を見せる若者達。
スケボーは、彼らのような若者が強く生きていくために必要なツールとなっているんですね。
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