「友を見つめる優しい眼差し」行き止まりの世界に生まれて せつこんさんの映画レビュー(感想・評価)
友を見つめる優しい眼差し
全米で最もみじめな町と言われるイリノイ州ロックフォードで、スケボーをする少年キアーとザックが大人になっていく様子を2人の友達のビンが撮影。
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まさにこれは現実版『mid90s』、なんならこっちのがもっと面白い。現実はフィクションよりも奇なり。『mid90s』で見えなかった側面がこの映画でわかってくる。
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キアーは黒人で父親にたまに暴力を振るわれてたけど最後喧嘩別れしてそのままお父さんが亡くなってしまって、それでもお父さんのことが好きで複雑な心を抱えた優しい真面目な少年。
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その反面、ザックは白人でいつもラリって酔っ払って、若くして彼女との間に子供ができるんだけど彼女にDVをしちゃうかなり問題児。
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『mid90s』だったらファックシットがザックで(ファックシットは全く虐待とかいう描写はない)、レイがキアー、フォースグレードがビンみたいなとこかな。でもビン本人も、母親の再婚相手からかなりの虐待を受けていた過去があって、暴力を振るうザックと暴力を受けた側のキアーを複雑な気持ちで見つめてる。
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でも画面越しにザック含め出てくる人全てに大して憎んでいるような眼差しは全くなくて、ただそれぞれの痛みに寄り添った優しい映像だった。友達を思うビンの気持ちが痛いほど伝わってくる良い映画。
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