新喜劇王のレビュー・感想・評価
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チャウ・シンチー20年前の傑作の現代バージョン
チャウ・シンチーはバカコメディの人と思われているかも知れないが、本当にハートのある映画を撮る。もはやハートこそが唯一最大の関心事で、そのために多くの映画では当然とされているような構成を平気ですっ飛ばしたりもする。なので、本作の展開(特に終盤)をあっさりし過ぎているように感じる人もいると思う。でもそれは、チャウ・シンチーがプロットを丁寧に処理することに特に重要性を感じていないのだろう。で、じゃあ何を描こうとしているのかというと、「夢を追うことの地獄とその先に見える希望の光」。素晴らしいラブストーリーだったオリジナルの『喜劇王』から恋愛パートすら削ぎ落としていることに凄みすら感じる。そしていまや中国の大ヒットメーカーなのに、本当に名もない時代の気持ちを失っていないことに感動する。
あと『喜劇王』の続編ではなく、映画『喜劇王』が存在する世界で、女優を目指すエキストラの奮闘記です。
当時ならもっと笑えたかな。
うーん、笑うツボが違うのかな。コメディとしてはあまり楽しめなかった。ブスいじりとか、バカいじりとか、懐かしいけど笑えなくなってる自分にある意味ハッとさせられる。無名女優が有名になるサクセスストーリーとしては面白いけど、スッキリ、ギャフンといわせるようなものを求めてしまうのも、やはり最近のストーリー展開に毒されてしまったかなあ。
チャウシンチーらしからぬ
素晴らしい映画(笑)。夢に向かって頑張っていても報われないことのほうが多い。だけど助けてくれる家族や友人って誰でもいるよね。コメディで味付けした「夢は必ず叶う」作品を沢山の人に観てもらいたい。
永遠とは今から宇宙滅亡まで。人生とは・・・
白鳥の湖から『ドラゴン怒りの鉄拳』(精武門、Fist of Fury)のテーマ曲へ。やっぱりチャウ・シンチーはブルース・リーファンなんだな~と思える音楽の選曲。また、『サイコ』へのオマージュ?というかそのままのリメイクっぽい作品あり。
ルームシェアしていたのシウマイに主役のチャンスが回ってしまい、失意の中、バイトとエキストラに精を出すユー・モン(エ・ジンウェン)だったが、婚約者のチャーリーは実は一種の結婚詐欺師だった。彼との結婚資金のためにエキストラをやってたのに・・・という展開。もう一段階のオチがあるかと思っていたのに、何だか白雪姫ならぬシンデレラストーリーともとれる。
『喜劇王』を観てないので何とも言えないけど、一体誰のことなんでしょう?普通に喜劇王と言えばチャーリー・チャップリンなんだろうけど、そこもネタの一つなのだろうか。チャップリンの遺した名言の一つに「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見ると喜劇だ」がある。ユー・モンの人生は災い転じて福と為すといったところだが、それは彼女の執拗なまでの努力の賜だということ。マー・ホー先生が見いだせなければ残念な結果だったというのも運命だなぁ。
理解は難しいところはあるけど、デトックスに。
今年249本目(合計525本目/今月(2022年8月度)25本目)。
大阪市では8月から毎週土曜日が中国映画祭りになり(ある映画館が。以前は毎日、だった)、その一環で見に行きました。
分類的にはコメディ…になるんでしょうね。なので、結構笑えるところも多い…と思いきや、映画女優・男優など有名な人になることを夢見る人のストーリーなので、「現実」もつきつけられます。その中でまた軽めのロマンスも描かれたりと、いい意味で「新喜劇王」です。
※ 他の方にもレビューがある通り、「新」があることから、「喜劇王」という別の(古い)映画があることを示唆する内容ですが、その「喜劇王」を見ていることは映画を見る上で前提にされていません。
特にだれかが「極端に」悪役に描かれるということはないし、映画のタイトル名からもわかるように全般的にはコメディものなので、確かに「中国映画祭り」という扱いで放映が不特定のようですが(なお、アマゾンプライム会員だと無料で見られることを確認済み。2022年8月20日)、「変な映画・珍妙過ぎて心にリアルダメージを負った映画」の後にVODなどで(本当は映画館で見たほうがよいが、今は日が特定されておらず、バラバラ)で見るのがおすすめです。
なお、字幕が少し不親切で若干、看板などの中国語から意味を推測する必要があるシーンがある点は把握していますが、少し古い映画である点、漢字文化圏で理解が類推できること(これがフィンランド映画で字幕がないとか言われれると減点幅は大きい)を考えると、減点なしにしています。
体育会系清貧
シャウ・シンチー作品はいくつか見てきたが、苦労と貧乏の表現が好きである。
悲惨でみじめで大変なんだけれど、どこか安心して見られる温かさがある。
落ち込みはするのだけど、卑屈にならないというか
むしろ爽やかな登場人物像が浮かび上がってくるところが印象的で好きだ。
これ、体育会系、清貧とでもいおうか。
本作もその清々しさが波状攻撃。存分に味わえてよかった。
物語りはまったくひねりのない王道で、
コメディーというよりヒューマンドラマである。
ただし、それでも退屈することなく、それ以上、楽しみ感動してさえしまうのは、
上記のような人物の描き方によるところが大きいと感じて止まない。
(だから他の監督さんだったら、こうはまとまらず大変な事にもなりそう)
もちろん本作は純然たる夢物語だし、ていのいい占いのようなものではあるが
だからして落ち込んでいる時こそ観ると、
ものすごくデトックスできる作品なのではなかろうかと感じる。
ひねりのない物語の中でも、往年のスターと主人公のお父さんはちょっと見ごたえがあって、
気に入ってしまった。
それにしても「白雪姫」の筋書き、オモシロ過ぎないか。
見たいわ逆に。
こっちが本道なのですね
人魚姫みたいな息もできなくなるほどの笑う映画を求めて見てみたらけっこうハートウォーミング、とはいえこれはこれでとても良い。他の方々のレビューを読むとこっちがチャウ・シンチーの本来の味っぽいですね。
主役の女の子があまりにもひどい目に合うけど、まあ最後には挽回するんだろうなと思うから安心してみてられたし、金持ちのエキストラ仲間と安直にくっつかないのも好印象でした。マー先生いい人だったねー。
イマドキ!?ってくらいベタな笑いと涙をてらいなく
みんな大好きチャウ・シンチー監督が、自身が監督・主演・脚本を担当した「喜劇王」の主人公を女性に変えてリメイクしたコメディー映画。
「え、イマドキこれ!?」って思うくらいベタ過で昭和感溢れる笑いと涙をてらいなくやり切ってみせるのは流石のチャウ・シンチー印だと思うし、本作でデビューとなる主演のエ・ジンウェンを始め、一体どこから連れてきたんだってくらい“いい顔”の役者を揃えるキャスティング能力も見事。
続編ではないので「喜劇王」を観てない人が観ても十分に楽しめる。
ジャケ関心→感動
言ってしまうとポスターを見てどんな作品なんだろう。と興味を持ったものの
コロナ禍で映画館に行く気になれず・・・。
少林サッカーもカンフーハッスルも見たことがないため、監督さんの名前と情報もなく、
本当にジャケ買いならぬ、ジャケ関心でした。。。
結局、上映もあっという間に終わってしまい、私の記憶もあっという間に薄れていきました。
しかし、つい先日、
レンタル店で「なんか面白そうなのないかなー。」と物色していたところ、
レンタルされている見覚えのあるパッケージの新喜劇王を発見→即レンタルしました。
最初、何の設定もしなかったため、日本語字幕で広東語?が聞こえた瞬間に、
頭は一瞬にして真っ白に。
あ、ヤバいやつ借りちゃったなー。これが第一印象でした。
頭を切り替え、日本語吹き替えに設定し、再度再生すると
あら、不思議。
すんごい面白いじゃん。これ。
万年エキストラだったのに、最後の最後で大どんでん返し。
最終的にあきらめなければ、努力は報われるんだな、って考えさせられる映画で、感動しました。
いけない妄想
20年前に少林サッカーのDVDを衝動買いして、擦りきれるほど何回も見たもの(者)です。
今回、楽しいのを見たくて見ました。
私はちょっと変わっているので、始まってほどなくして、主役のユー・モンが椿鬼奴ねーさんで、詐欺師の彼が杉村太蔵で、落ち目の喜劇役者のマー・ホー先生がペナルティーのワッキーで、「マーホー先生が通るよ~」のおばさんが、もたいまさこだったら面白いなぁ~などと妄想しはじめてしまいました。
後半の劇中劇の長台詞はなかなか迫力ありました。
ユー・モンがオーディションを勝ちあがっていくところはドタバタし過ぎで、もう少し丁寧にして欲しかったです。
香港のアカデミー賞の舞台がこじんまりしていて、ちょっと寂しかった。
ロケ弁当を揺れるバスの中で食べるシーンが好きです。エキストラ根性に脱帽。
でも、エキストラの弁当を蹴るのは良くないなぁと。
そんなことを思ってしまうB級映画好きもいるということで・・・・・・あれ、なんか聞いたことがあるセリフ?
新喜劇王
裏切らない展開です。
中盤かなり退屈に感じましたが、ラストのための弛緩なのだとわかりました。
確かに序盤からのイビリはひどいです。笑えないかもしれません。こういう笑いはもう古いのかもしれません。
エンドロールのNGシーンでフォローがあるといいと思います。
が、本来チャウ シンチーの魅力はそんなもん根こそぎ持っていく熱気と狂気のはず。とすれば今ひとつなのだろうか。
いや、主役のエジンウェンは良かった。彼女のへこたれなさは最高です。が結論です!
そうか。
へこたれないお父さん、へこたれないマーさんも最高なんだな。
挫けそうなときこそ、観るべき映画
チャウ・シンチー監督の「新喜劇王」を新宿武蔵野館で観た。「少林サッカー」「カンフーハッスル」で荒唐無稽で直球勝負のエンタテイメントで観る者の度肝を抜いたチャウ・シンチー。最近は、「西遊記」とか、「人魚姫」とか、面白いのだけど、どこか昔のようなサプライズはなく、変化球投げすぎで、ちょっと物足りなさを感じていた。
本編は、原点回帰じゃないけれど、まさにシンプルな直球勝負。コロナの悪影響や複雑化した仕事など、ますます挫けそうになる今こそ、まさに必要な映画じゃないだろうか。
ベタな話だが、どんな目にあっても人を恨まない、人の所為にしない、主人公モン(映画と同様、遅咲きのエン・ジンウェンが正に体当たりで好演)のあり姿に、自らを省みてしまう。
新宿武蔵野館では、2020年6月25日までの上映だが、自分を見失っているひと、元気がでること、請け合いである。
おすすめ。
映画と俳優への愛に溢れていた
大まかな展開は旧作と同じながら、主役を男性から女性に変えてのリブートに、細かいギャグのアップデートがあり。
巨匠扱いされても、相変わらずくだらない映画を撮るチャウ・シンチー監督。
主演のエ・ジンウェンは、基本の作りは可愛いのに、さすが女性を汚く撮ることに特異な才能を示す監督だけに、ブスメイクで作中ずっとブサイクに見えました。
「お前の容姿で映画に出るチャンスはない」と言われ続けていて、心が痛かった。
昨今の人権的配慮を重んじる風潮を認識しているからか、容姿への容赦ない表現が前作比では格段に減っていたものの、「女優は外見でしかチャンスはない」という以前の風潮に対して批判を込めていたように思う。
ラストにかけての駆け足すぎる逆転展開は強引で、そのあたりで点数は低めにさせてもらいながらも、作品からは監督の映画や俳優への「愛」があふれているのは伝わってきて、観てるこちらが微笑みに溢れながらの退出となりました。
チャウ・シンチーは幸せ運び屋
「少林サッカー」で大ファンになり、といっても後は「カンフーハッスル」しか見てませんが、久々に見て、チャウ・シンチー、変わってない、いい!と思いました。若くて綺麗で可愛い女優さんを、そこまでまたしてもむごく扱うのか!!場面満載で、大笑い!受けてたつエ・ジンウェン、素晴らしい!さすがチャウ・シンチーが見いだしただけある!上手い女優さん!大好き!お父さんとお母さんも、良かったな~
シュールな「白雪姫」映画、すごく笑えた!沢山笑って、泣いて、幸せになって、初めて気がついた。ここ数ヶ月自分に欠けていたのは、「感動すること」だったんだ。感動がなくても人間は死なないかもしれない。でも、生きるためには感動が必要なんだと思う。だから、芸術はエンターテイメントは、人間が生きる上で絶対に欠かしてはいけないものなんだ。頭でなく、心と体で実感できました。映画館の映画、ありがとう。
ラスト15分に号泣
チャウ・シンチーの新作ということで観賞。冒頭からチャウ・シンチーっぽいナンセンスな笑いがありますが、正直、これまでの作品と比べて笑えず、失敗したかなと思いましたが、ラスト15分で大号泣でした。マー・ホーの「あきらめないことだけで成功だ」というセリフは、言葉だけとればややベタですが、これまで一時間近く主人公が努力してきた姿を見せられているので説得力があり胸を打ちます。そこからラストまでは感動しっぱなしでした。
さらに、香港映画によくあるエンドロールのNGシーンも他の映画とは違う特別なものにみえ、ここでも泣きました。チャウ・シンチーの役者への愛が詰まった最高に感動できる映画でした。
エンタメを極めたものを見た
出だしからかなり長い間の耐え難い苦痛・・・くだらないギャグ、ベタな展開、軽々しい歌とうまいとはいえない演技とアフレコ・・・
かなり違和感をもった声のズレは、オリジナルの北京語を広東語に吹き替えていたから(?)ということを後で知る。にしても、この内容は自分史上最悪の作品になる予感─
しかし!それらすべて演出であり、チャウ・シンチーの策略だった!
超エンタメを超楽しんで、超感動。エンターテインメントを極めたものの究極の作品を目の当たりにした。
ミラクルマスクマンからチャウ・シンチーがかなり好きで、演じても創っても、これほどまでの質のアーティストは他にいないような気がしている。
今回の作品は監督自ら出演していないので、少し不安・不満な気持ちを持ちつつの観賞だったけれど、終わってみれば最高傑作だったという印象だった。
これほどまでに喜怒哀楽を刺激された作品はない。素晴らしい劇中劇を観賞しきった。
栄養シアター
チャウ・シンチー
そう、私は彼の映画がとても好きだ
シンプルなストーリーとテンポの良さ
私の様なボンクラにもとても分かりやすく心地よく安心して見ていられる
あの『少林サッカー』は名作だと思う
挫折、敗北、失恋、疎外感、まだまだある負の部分を持った仲間が徐々に明るい方向へと向かっていく様は見ていて清々しいです
『少林サッカー』もそうだった様にこの『新喜劇王』も明るく負けないヒロインが努力し続ける物語
私には無かったエネルギーがもらえた様な気がしてなりません
挫折する前にはなっから高嶺の花を積もうともしないありふれた一般人なのだからと諦めているから
そんな人は誰かに感動を与えられる様な素晴らしいことは出来ないでしょうね
だから映画を見てその都度その都度ほんの少しその気になって薄っぺらい夢を見てお茶を濁しているのかも
いかんいかん、いい映画を見た後に落ち込むことはないな
帰ったら『少林サッカー』をまた見ようっと
『喜劇王』は見たことないな〜
探さなければね
新型コロナウイルスで長々と映画館離れしていたので今日はとてもいい気分です
ありがとう チャウ・シンチー
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