暗数殺人のレビュー・感想・評価
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50点
映画評価:50点
ストーリーが良いとか、
推理要素があるとか、
そういう作品ではなく
この犯罪者と、刑事の駆け引きを
多角的に目撃する。
それくらい主役二人の演技は見応えがあるし、
表現力が天才的だった。
内容はオマケだ。
【2021.10.23観賞】
骨太
ある殺人事件で逮捕された犯人が、さらに6人を殺したを自供を始め…。
物語の構造としては「羊たちの沈黙」を彷彿させるもので、
やはり殺人鬼カン・テオの危うい魅力がしっかり作品の芯になっていたと思う。
対決構造なのに協力関係というのも面白かったし、
こまごまとした疑問にもしっかり応えていくストーリーテリングで安心(?)して見ていられた。
斬新!とか必見!の類ではないけれど、しっかり作ったサスペンス・ミステリーといった感じ。
もう一歩
序盤から盛り上げて来るストーリーの展開は面白いし、ミステリ感覚で楽しめる。しかし、リングを発見した後の展開が早すぎて難しい。証拠捏造や推定無罪など、実話ベースなので、現実味があるが、ラストの盛り上がりをもっと華々しくやって欲しかった。それ以外は満点。
チュ・ジフンの憎たらしい顔…
が印象的。実話ベースと言うのが恐ろしい。虐待を受けていた父を殺したことから、殺人マシンになってしまったのか。切れると抑制できず、殺してしまう。殺人事件で拘置所にいる男から、過去の自分の犯した殺人事件の自白を受けた刑事は立件しようと裏を取りに走るが、尽く跳ね返され、裁判では物的証拠のみで無罪となり、男の思うようになってい。最初からこれが狙いか。しかし、最後は急展開、新たな証拠を見つけると、裁判所は終身刑を言い渡し終了。ここまで丁寧だっので少し勿体無い気もする。まさに警察署を飛ばされながらも、実を結んだ執念の捜査だが、兄が裕福で支援して貰っていただけにちょこっと共感できず
水面下で。。。確認できていない殺人事件
実話を元に描かれた作品。
刑事と犯人の心理戦のストーリーなので割と淡々と進む面もあるが、二人の駆け引きが面白い。
犯人役は、普段スッとしてかっこよいチュ・ジフンだとは中々気付けない。
6キロほど体重を増やして風貌が変わり、丸い背中や雰囲気が全体的に男臭い感じなっていた。
主役の刑事さんも哀愁漂う普通のおじさんに見える。
お二人とも役作りが素晴らしいと思った。
狡猾な殺人犯と憂いを帯びた刑事との駆け引きが面白かった。
所謂、韓国ノワールの残虐的なところが前面に出てこなくて良かった。
暴力やグロいのがしんどい人でも大丈夫かと。
頭脳と狂気の悪魔vsど根性刑事
WOWOWの放送で観賞。
実話に着想を得たというサイコサスペンス。
起訴されていない7人の殺害を告白することで、逆に刑を軽減させようという恐るべき企みの殺人鬼と、その罠にはまった刑事の闘いの物語。
殺人鬼は、精神鑑定で「鑑定不可能」と判定されるほどの才知の持ち主だが、自分の感情をコントロールできない狂気の男。
刑事は、家業を次いだ兄のお陰で経済的に困っておらず、時に不法に金で情報を買ったりする不良刑事だが、殺人鬼にターゲットにされ、その凶刃の犠牲になった者の存在を知るに至って執念を燃やすようになる。
派手な演出はないが、地道な捜査過程と熾烈な頭脳戦が描かれる。
「私が定年退職した2年後、ヤツは出所してまた人を殺す。その頃私はもう刑事じゃない」殺人鬼を現場検証に立たせたいと、刑事が美人検事に陳情する場面が印象的だ。「見当違いだったらその方がいい。私がピエロになるだけだ」
キム・ユンソクが、決して優秀ではないベテラン刑事を演じてリアリティーがある。
殺人鬼が告白した7人の殺害がどれも「暗数」なのは、家族からの届出がなかったり、遺体が発見されていなかったりするからだという驚き。
未解決事件は数多あるだろうが、これらは事件にすらなっていないのだ。
この事を逆手に取って刑事を操る頭脳派のサイコパスを演じるチュ・ジフンがすごい。
『真実の行方』で二重人格を“演じる”被疑者を演じたエドワード・ノートンを思い出した。
現場検証で殺人を再現して狂気の片鱗を衆目に晒す場面のチュ・ジフンには、身の毛がよだつ思いがした。
本作もまた、韓国の底辺の生活者の姿が映し出されている。(いや、これが底辺かどうかは知らない…)
日本でも欧米でも想像を絶する猟奇的な犯罪は発生しているが、貧困と家庭内暴力が悪魔を作り出すというセオリーが韓国のクライムサスペンスにあるような気がする。
把握できていない(暗数の)殺人
事件の被害者遺族は、映画に対して裁判所に上映禁止仮処分申請を提出し、制作会社側は後から謝罪していたり、上映に賛成する被害者遺族もいたそうで。正直、映画としてどう視たらいいのかわからなかった。鑑賞者=傍観者ではあるが、悲惨な事件なので当然見ていて楽しめない。作られた映画のように犯人にどぎつい鉄槌が下るわけでもない。ただ、被害者遺族やこれらの事件があったことを映画に残すことで「忘れない」ということは、大事な部分だとは思います。
韓国サスペンスはやはり面白い!
実在の殺人鬼カン・テオ。何処までが本当で何処からフィクションなのかわからないが、実在の犯人もあんなに傲慢だったんだろうか。警察を挑発するような態度、馬鹿にし、弄ぶ。実際頭もいいようで、獄中では法律を勉強して刑を少しでも軽く出来るように策を練っている。本物の悪党だ!
刑事ヒョンミンは実家が裕福なため、テオに要求されたものは現金や差し入れなども自費で払う。こんなことが許されるのも不思議ではある。
テオの最初の殺人は中学生の時の父親殺し。父親に虐待されることなく愛情を受けて育っていたら、あんな殺人鬼にはならなかったのか!それとも生まれ持ったサイコパス的なものなのか、精神鑑定不可能と判定されているようだから、答えはないんだろう😣
ラストで、無期懲役の判決を受けた後、さらに何人か殺していると自白し、獄中で自殺したとあった。自分で勝手に人生を終わらせるな😤と怒りが湧く💢。ヒョンミンは今も被害者の無念を思い捜査を続けているとは、、、1人でも多くの被害者が発見されることを願う。
被告人の、殺人を何とも思わないサイコパスぶりに寒気がした。 刑事は...
被告人の、殺人を何とも思わないサイコパスぶりに寒気がした。
刑事は一般的なイメージとは違ってものすごく温厚な人柄で、それでいて粘り強い性格は好感が持てた。
実話だけあって、完全なハッピーエンドではないのもリアル感がある。
ええっ、実話だったの?
殺人事件の犯人で懲役が確定した男から、旧知の刑事に会いたい、と連絡が入る。
面会すると、実は7人殺している、と言い出す。
刑事仲間は誰も相手にしないが、主人公は真実ではないか、と一人捜査を始める。
このタイプの話は韓国映画の独壇場だ。
【”アイツは二度と社会に戻してはいけない・・”立身出世を捨て、連続殺人鬼の暴走を止めようとする刑事と、頭の切れる犯人との攻防を描く。】
◆暗数
犯罪統計において、警察などの公的機関が認知している犯罪の件数と実際に起きている件数との差。日本でも、未解決殺人事件が多数ある事は、ご存じの通り。韓国でも劇中言われているように、同様のようだ。犯人は、この世のどこかで静かに笑っている・・。
■感想
・今作では、キム・ヒョンミン刑事(キム・ヨンソク)と、恋人を殺害して逮捕されたカン・テオ(チュ・ジフン:怪演であろう・・)の遣り取りに重きを置いて撮影している。
アクションシーンも、ほぼない。
が、ヒョンミンに対し”全部で7人殺している”と、面会時、突然カン・テオがにや付きながら喋るところからの二人の攻防が面白い。
・カン・テオの言動に翻弄されつつも、”此奴は二度と社会に戻してはいけない・・”という不屈の信念の元、真実を粘り強く追い求めるキム・ヒョンミン刑事
・少年時代に、”怒りのゲージ”が外れたにも関わらず、姉の”忖度”により、そのまま大人になったカン・テオのにや付いた表情が恐ろしい。
<人は、一度殺人を犯すと、その後は人を殺すことに対する懺悔の念が薄まってしまうのであろうか・・。そんな人物は実在の人物をモデルにしたカン・テオだけではあるまい。
未解決事件の多くの真相は闇の中・・、と言う事実に暗澹たる気分になる作品。>
羊たちの沈黙への勇気ある返歌。
羊たちの沈黙への三十年ぶりの勇気ある返歌と評す。
接見は硝子の地下牢でない大部屋、ペン渡しまくり、理知と猟奇に半端な犯人、美しくもなく命を賭けるでもない中年刑事。
地味で凡庸な事件と緩慢な捜査。
だからこそ炙り出される地味だが真っ当な正義。
支持しよう。
かなり、面白い!
過去に行なった殺人を刑事に自供する、その代わりに金銭などさまざまな差し入れを刑事に要求する殺人犯の若者。明確な時間や、場所の描写など、嘘とは思えない自白に右往左往する刑事。しかし、その自供は、犯行を入れ替えてあったり、別の被害者の事件だったりで、刑事が駆けずり回っても、なかなか立件できない。逆に、裁判に敗れた刑事は派出所勤務に回されたり、犯人から冤罪訴訟を起こされたりする始末。このまま、この頭のよい犯人に、好きなようにあしらわれて終わるのか、という話。
「俺の自供がなければ、何もできない無能のくせに!」という叫びが、犯人の全てを表している。
貧乏な家、粗暴な父のもとに生まれたというだけで、抑圧された中で育たなければならない理不尽さ。自分が人より優れていることを自覚している若者が、犯した殺人を見事に覆い隠し、逆にそれを交渉に使う。観ている俺にも、彼が人より秀でていることは明らかなのだが、その才能を使う先が殺人か・・・という点は、残念というか絶望に近く感じる。
すべての才能ある若者が、貧富の差別なく、その才能を人類の幸せのために使えますように。
おまけ
オープニングで観せる、"食うシーン"。緊迫感が、食うシーンと混ざると、なんだか気持ち悪い感じを出すには最高だ。韓国映画や中国映画は、こういうシーンが上手だと思う。
もっと気持ち良くさせて欲しかった
相変わらず韓国映画は
敵を立たせるのが上手い。
ムカつく。ひたすらムカついて、コイツ最後見とけよ!
って観てたので、もっと気持ち良くさせて欲しかった。
犯人が悔しくて発狂する顔が見たかった。
あらすじとして、
犯人が七つの殺人を吐いて、
それを警察があばいて行くのだけど、
犯人とのやり取りは刑務所の中と検証の時しかないので、
韓国映画で有りがちな犯人が襲って来たり、
更なる殺人を犯す恐怖がないので、
何となく安心して見れた感はある。
これは嘘で、どれが本当だ?と言う推理や
犯人の発言が繋がっていく様は楽しかったけど、
ワクワクドキドキは少なかった。
主人公が犯人の足跡を追う事に人生を賭けると言うのは
単に美談だけでなく、
生きがいになってしまった切なさを感じました。
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