劇場公開日 2021年6月4日

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「切った数と救った数は誰が数える?」るろうに剣心 最終章 The Beginning フリントさんの映画レビュー(感想・評価)

切った数と救った数は誰が数える?

2021年6月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

人切りが流浪人になる話

ファイナルの方はアクション増し増しでしたが、こちらはドラマに重きを置いてる作風でしたね。
と言っても、壮絶な切り合いもあるので、しっかりアクション映画してます。

原作をしってる身からすると、原作の方が面白かったかな…
ファイナルでも映ってるけれど、ゴールが見えてる展開をこうも長々やってるとじれったい。
単品で見るならいいかもですが、映画シリーズ全体の中では退屈な方かも。

巴役を有村架純が熱演してたけれど、微妙に感じたのは私だけだろうか?
演技とかはよかったけれど、巴ってなんだろうもっと人形感あるイメージだったので。
ぶっちゃけエヴァの綾波をイメージしたキャラデザなんでもっと輪郭の細い人がやってほしかった。
いや、だれがやっても難しかっただろうけれども。

沖田役の村上虹郎も頑張ってはいたけれど、別な人の方がよかったのでは?
村上虹郎は嫌いじゃないが、彼が出てる映画で面白かった映画は無いと個人的には思っている。
「虹郎が出てる映画に傑作なし」今回もこのジンクスは覆されなかったなぁ。
彼の演技っていっつも同じで物語としてのキャラクターが見えないんですよね。
沖田総司のサイコ感とかミステリアスさが伝わってこなかったな。
あと髪型変過ぎて笑えちゃうんですよね、シリアスなシーンなのに我慢しっぱなしでしたよ。
沖田と剣心の死闘は見ごたえあっただけに残念。

前々から新選組って好きじゃないんだけれど、今作をみてさらに嫌いになりました。
そういう意味ではこの映画よかったかも知れない。新選組ってかっこいい集団って見られがちだけれど、冷酷な殺人集団って感じがよく表されてた。
基本戦法は数の暴力、一対多数で各個撃破なので戦術としては優秀ですが見ようによっては卑怯なんだよね彼らは。
まあ抜刀術(居合)も相手が刀抜くより先に刀を抜く、相手が攻撃姿勢に移る前に切るが基本理念だからこちらも見方によっては卑怯なんだけれども…

生き死にかけた戦いだから卑怯もなにもないって理屈はわかりますが、強くてカッコいいとは別の話だと思ってしまうんだよな私は。
本作は人殺しが愛に目覚める話なんで正義とか強いとかカッコいいとかよりも人としての成長が主軸だから、卑怯かどうか些細な問題にすぎませんね。

本作を見る前はなんでファイナルの次がビギニングなんだよって思ってました。

圧倒的に見ごたえあるアクションはファイナルの方だし、話もシンプルだし順番的に公開はファイナルが最後でしょ。
でもビギニングを見終えて感じたのは始まりの物語だからこそ最後に公開したんだなという納得。
エピソード的にも暗いし、モヤモヤが残るけれど、本作を見たら全シリーズもう一回見たくなります。
今までの剣心とは違う姿に映るとはず。
原作知ってる人からすれば、映画化が始まった時点で剣心の過去は知ってたけれども、原作も映画も好きな人はシリーズ見返すだろうなぁ。

いい終わり方だったのは認めます。
あえて苦言を言うとすれば、その後についての文、フォントはもっと違うものにした方がよかった気がする。
なんの変哲もないフォント文字だとなんか感情が乗ってなくて無機質で気持ちが冷めます。
時代劇なのにかっちりした文字出てくると違和感しかないし作り物感があらわになってしまう気がしました。

10年間お疲れさまでした。
新時代のチャンバラを見せてくれてありがとうございました。、

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劇中セリフより

「やっと来たか、新時代が」

時代の為に戦うってどんな感じなんだろう。
今の平和な日本が有るのも過去に多くの犠牲を払ったから。
犠牲に報いるためにも一生懸命生きたいですね。

フリント