「いっそセレナーデ」ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋のおわりから 梨剥く侍さんの映画レビュー(感想・評価)
いっそセレナーデ
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オープニング・クレジットの間に、めくるめくスピードで映画一本分くらい話が進むので、どうなることかと思っていたら、そこからの変化球が本当の決め球だった。
最初執筆中の小説と現実が行き来するあたりは、これは「おかしなおかしな大冒険」をやろうとしているのかなとも思ったが、そうではなかった。
別世界に行った主人公が元の世界に戻ろうとする動機が、初めは“①失った名声を取り戻す”ためだったのが、やがて“②失った妻を取り戻す”思いの方が強くなり、さらに“オリヴィアのピアニストとしての名声”と“自らの作家としての名声”を秤にかけた結果、“③今の世界を選択する”と。台詞に出しては何も説明しないので少しとまどうが、すんなり腑に落ちた。このあたりがフランス映画ならではの粋とも言える。
結局何がきっかけで別世界に行ったのかはよくわからず、主人公は小説の結末がどうのと一人合点していたが、検証しないままなので何とも言えない。私は最後てっきり、二人が同時に気絶したベンチのシーンに戻ると信じていたが。
元ダイアー・ストレイツのマーク・ノップラー似の友人にはかなり笑わせてもらった。
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