Our Friend アワー・フレンドのレビュー・感想・評価
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名優たちの穏やかなアンサンブルに引き込まれる
愛する家族が闘病を余儀なくされる痛みと悲しみを伴った物語ではあるものの、本作は決してお涙頂戴的な展開に陥ることがない。それどころか非常にさりげない語り口で”生の輝き”を伝えてくれる。直近の出来事が描かれたかと思えば、次の場面では話がずっと過去へ飛ぶなど、いわば直線的な時間軸で進む物語ではないが、これがどういうわけか、記憶の中で次々と浮かんでは消えていく泡沫を見つめているみたいで胸を打つ。この特殊な構成が成立しているのも、すべては三人の芸達者たちが見事なアンサンブルを奏でているからだろう。通常だとこの内容で2時間は長いと感じるはずが、彼らの手にかかると各場面がどれも宝物のように輝きだす。彼らの自然体の演技には、かくも観る者を穏やかに引きこむ力があるのだ。誰もが出会いと別れを繰り返しながら歩み続ける人生。見終わってふと周囲を見廻し、自分を支える大切な人たちの存在に感謝の気持ちを捧げたくなった。
良作です、大きな余韻が残ります それでも見終わったあとには、おおきな余韻がのこりました それでも見終わったあとには、おおきな余韻がのこりました
アワーフレンド
2019年公開 米国映画
良作です
実話だそうです
ラストで、本作はマットが書いた本によるものだと説明されます
淡々と劇的でも、感情に訴えてくるわけでもなく、自然話で普通の振る舞いを女性監督らしいこまやかな視線で映画にまとめあげています
決してお涙頂戴式の安直な映画ではありません
時系列が行きつ戻りつするので少しわかりにくいところはありますが、大した筋があるわけでもありません
マットとニコルの夫婦にはまだ少女な二人の娘がいます
マットにはデインという親友がいます
ニコルが末期癌を告知され、ニコルの闘病とマットの介護が始まります
序盤は娘達にママがいなくなることをどう伝えるかのシーンです
ニコルとマットのなれそめ、忙しい仕事でのすれ違い、そしてこの夫婦とデインとの出会い、告知、闘病の開始、介護の負担、子供達の学校への送り迎えなどのエピソードが綴られます
薬による副作用や死への恐怖で、錯乱したり、暴言をニコルがすることもありますデインがなせそこまで献身的なのか?
デインに生きる意味を教えてくれたマットとニコルの二人の友人のために自分できることをする
それがまた自分の生きる意味を確認する事であったのでしょう
人間として当たり前のことを誠実に果たすことの尊さがこの21世紀の殺伐とした世界の中でもデインはやり遂げたのです
自分にはとても出来ないと思いつつ、少しでも真似ごとができるような人間でありたいと思うそんな映画でした
感動もカタルシスもありません
それでも見終わったあとには、おおきな余韻がのこりました
ありがとうだけでは足りない!抱きしめたい想い♥
ニコルが美しかった
2人の幼い娘を育ててるジャーナリストのマットと妻のニコル夫妻だが、ニコルが末期がんの宣告を受けたため生活は一変した。妻の介護と子育の負担を強いられてるマットを助けてくれたのは親友のデインだった。デインは2人を手伝うため、ニューオリンズからアラバマ州フェアホープのティーグ家に来て、住み込みで夫婦をサポートすることになった。さてどうなる、という話。
時系列がガン告知の前後を行ったり来たりして最初よくわからなかった。なぜあんな演出をしたのか観終わってもよくわからなかった。
親友と言いながらあそこまで夫婦を助けたデインは凄いし、やり過ぎ感もあるが、そこも見所なのだろう。
ニコル役のダコタ・ジョンソンは相変わらず美しかった。
ありふれた言い方だけど、ダコジョンに尽きる。
エグゼクティブ・プロデューサーにリドリー・スコットの名前発見。通りで、建て付けの良い、無駄の無い脚本でした。
ダコタ・ジョンソン大好きなbloodです。まぁ、普通に泣きますよね。そもそも泣かす気、満々で作ってますからね。子供出汁も効いてます。露骨です。マジスケベ根性丸出し。鏡の中のダコジョン眺めながら、だだ泣きですもん。
となるんですが、浅はかな、お涙頂戴ものになって無いのは、真の主役がデインだったから。
時系列を細切れにして並べ替えてるので、真面目に見ようとすると混乱必至。デインが自殺を考えるほどの疎外感の中で生活していた事。彼は友人家族を助けていたと同時に、救われもしていたと。
自宅で静かに息を引き取ったニコル。一番立ち直りが遅かったのがデイン。彼を救ったのは、親友マットの書いた本だって言うところに、哀しさの中にも爽やかな感動を感じてしまい。
良かった。結構。
良作でした。タイトル通りの中身で。
一組の夫婦と一人の男の友情
our friend
大切な人を看取る事
それは誰もが必ず経験する事
そんな時
肩を抱き、寄り添ってくれる
一緒に悲しみを乗り越えてくれる
生涯の友が居てくれる事は
かけがえのない幸せかも知れない
明るく社交的な妻ニコルは
ある日、自分を人妻だとは知らずに口説いて来た男
デインを夫と引き合わせる。
気が合うはずない二人の男だったが
一組の夫婦と一人の男はその日から親友となった。
人生にはいろんな事が訪れる。
希望を失い、生きる事も諦めかけたデインを
絶妙なタイミングで生へ呼び戻したマットとニコル
そしてニコルが癌の宣告を受けた時、
美しかったニコルが薬のせいで別人のように荒れ果てた時、
ボロボロになって行くマットや子供達を
仕事や恋人を捨ててまで支え続けたデイン
やがてマットは妻を
デインは親友を永遠に失う時がやって来る…
物書きのマットはニコルの死後、彼女との物語を書き始めるが…
全米雑誌大賞に選ばれたマットの著書は
「一人の男が崩れ落ちそうになると、もう一人が助ける…」
と始まる『友へ』というタイトル。
こう言う実話に弱い私はハンカチを鼻水だらけにしながら
爽やかな気持ちで劇場を後にした。
それにしてもケーシー・アフレックは仕草も風貌も
お兄ちゃんに似てきたなぁ。
でもお兄ちゃんより、こう言う普通の男の役は上手いよね。
友情っていいね
余命宣告を受けた妻ニコルと妻を支える夫マット、その2人を全力でサポートする親友デインのお話
暴走気味だけど家族のために必死に働くマットと舞台女優だけど普通の女性ニコルと人生に悩むデイン。
3人の出会いからそれぞれの悩み、病気の告知から最期までの経過を静かに描いていたけれどどのエピソードも不思議と胸に残り目頭が熱くなりました
デインが支えていた描写が長かったけどデインにとって『あの留守番電話』は友のために全てを捨てても構わないと思わせるくらい大事なものだったのでしょう
人生何が救いになるかわからないし逆もありうる
だからこそ誠実に生きなければいけないのだけど常に誠実でい続けるって難しいんですよね…
病気と友情もの以外の予備知識なく観たのですが実話だったんですね。『1人の男が崩れ落ちそうになるともう1人の男がそれを支える』そんな男に私もなりたいと感じます
自分の在り方を考える
人間成功しているだけが、素晴らしい人間ではない。
友人の辛さ、苦しさ、楽しさ色んなことに寄り添い、
言葉をかけれる、横にいてあげる。
ちょっとしたことと思うが、多分すごく大変。
それができる人はカッコいいと思う。
そんな人になりたいと思わせてくれる映画でした。
亡くなったニコルは歳も私に近く、
そんな中、周囲との関係性をみると私より幸せ。
そんな風に感じた自分が少し悲しかったし、
申し訳なくも感じた。
デインの自分の人生や存在価値が分からなくなり、
うまく周囲に言えない感じ。共感。
山を歩くデイン。
気持ちがわかる気がした。
車に戻った時、私にはメッセージがあるだろうか。
ニコルがデインに冒頭に自分を卑下しないと注意するシーンがあった。
私に言われてるメッセージだった。
本当に苦しくなったけど、
友情であれ、愛情であれ、愛の大切さを知り、
自分の愚かさを感じる映画で、
学びになりました。
ここまで出来るか、僕の友人関係
もちろん、若くして癌を患い、幼い子供を残して亡くなる悲しさで涙した。いくら友人がそうしたいんだよって言ったからって、仕事も恋人も捨てさせてってどうなの⁉️
無償の友情がもたらすもの
絶妙な距離感
時系列がランダムに交差するため
若干混乱しますが、これは監督の意図なのでしょう。
もし時系列順だと、逆にそれぞれの心の動きに気づきにくくなるかもしれないなと思いました。
それでも整理するためもう一度観たいと思いましたが…。
私は友人でも距離が近すぎる関係というのが苦手で、適度な距離を保てる間柄
というのが理想と思っています。
でも、デインは癌の友達の家族に献身的に尽くすことを自然とできていて、
自己犠牲で満足してるわけではないこと。
そして、近すぎるとついアレコレ口出ししたりしがちなのに彼には一切それがないこと。
押し付けがましくなくて絶妙な距離感を保っている彼の人間性が素敵だなぁと思いました。
私はもし過去に自身が救われたとしても
こんなふうに相手が求めることを自然に行い、寄り添うことができるんだろうか……?と考えてしまいました。
あとこの映画は、それぞれの弱さもちゃんと描いています。
ニコルは優しいママで、愛する夫や親友もいて、必死に病と戦うパーフェクトなキャラクターだけではなく、
彼女なりの(病以外の)苦悩があったことが
私は彼女に人間味を感じました。
感動の実話!みなさん泣いてください
という意図を感じないのに涙が止まらなかったです。俳優さんたちの自然な演技に惹き込まれました。
意外なことに
あっさりした観賞後感でした。
愁嘆場は控えめで、爽やかな気分になれます。
メインキャストの3人が本当に芸達者ですね。
ともすれば、デインは欺瞞的に見えたり、ニコルは聖母のように見えたりしてしまいそうな危うさのあるキャラクターですが、しっかりと人間味があり実在感を持たせることに成功しています。
一方で、良くも悪くもとりとめのない話ではあります。
難病モノという太い幹はありますが、起伏に乏しいと感じました。
「実話に基づく話」の弱点がモロに出た結果ですね。
登場人物が分かりやすく成長したりしないのはリアルではありますが…。
ただし本作は、お話のつまらなさという弱点を演技アンサンブルで見事カバーした結果、平均点は余裕で超えています。
まさに座組みの勝利ですね。
よって観る価値は絶対にあります。
大切なものを、大切にするのは難しい
結果だけをみると
ハッピーエンドではないのかもしれないし
悲しいストーリーなのかもしれない
しかし、パートナーとの闘病生活の間や
それ以前の二人と、友人たちとの関係性や出会いを
時系列をランダムに知っていくことで
それぞれとの関係性や人物像が輪郭をはっきりさせていく
それらは、決して悲しい、辛いだけのものではなく
あたたかさを感じられるストーリーだった。
自分が思い悩んでいた時
偶然救われた記憶、相手は無意識だったかもしれないけど
自分にとっては忘れられない記憶
そういったものが、糧になり、自分の行動の指針となる
ということは大いにあるだろう。
しかし、それを他人が理解するというのは難しかったりする
同じ経験をしていないのだから、
当たり前とも言えるが
本当に、大切な人の大切にしているものや事、人、時間を
自分も同じように大切にできるのだろうか
難しいとは思うが、そういった人でありたいと感じた作品だった。
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