ロード・オブ・カオスのレビュー・感想・評価
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恐ろしくて悪魔的だが、魅せる。
恐ろしく邪悪な作品だ。危険で痛くて悪魔的。R-18指定なので、事前にどのような描写が含まれるのか確かめてからご鑑賞されることをお勧めする。とはいえ、ノルウェーにおける90年代ブラックメタルの勃興期に起こったこの事件は、音楽ファンでなくとも多少は知るところのもの。事実をもとにしている強度や語り口の巧さゆえか、何度も顔を背けはしても、ことの顛末を見届けたいという思いだけは確実に高まっていく。登場人物は皆ぶっ飛んでいて、観客にとって共感可能な何かを秘めているわけでもない。ただ、主演のローリー・カルキンだけは別。時に常軌を逸しつつも、どこか透明感があり、暴走の中に怖れがあり、ふとした瞬間に夢から醒めたような瞳をする。そんな心の咆哮に寄り添いつつ、映画は徐々に彼を突き放して闇を深めていく。その熱さと冷たさの波状攻撃。悪魔的な情熱というある種のシュールさ。止められない狂気。強烈だが見応えはある作品だ。
「マリリン・マンソンも所詮エンタメ」by大槻ケンヂ
MAYHEMもBURZUMも初期の楽曲は結構好きで聴いていましたし、ブラックメタル界隈では教会を燃やしたとか死んだ殺した殺されたなんて話があったのも知っていました。本作はその「事実」を再現しつつ、当事者達の内面に迫ろうという作品。狂った青春物語でもあり、問題提起でもあります。
いわゆる「マウント合戦」の成れの果てでもありますが、徐々に本物の狂気へと悪化していく様は現代社会に通ずるものがあり、他人事と思えません。ネット上でも「にわか」「もぐり」などの言葉で煽ったり、いかにバズるかを競い合ったり。
社会的な地位が不安定な若者は、時に自身の存在をアピールするために過激な行動に出たりします。是非この作品を観て冷静になって欲しいです。まぁ、流石にここまでやる人はいない…あ、いたからこの作品があるんだよな(怖)自分がおかしな方向へ向かってないか、有名になったりバズったりすることがそんなに大事なことなのか、別の方法があるんじゃないか…血にまみれたこの映画を観て考えてみましょう。
なんか真面目な話をしましたけど、本作の他の見どころもざっくり。
・登場人物がテレビで「死霊のはらわた」「ブレインデッド」を観ている!
・MAYHEMの代表曲、Funeral Fog、Freezing Moon等が聴ける!(一部のみ)
・かのマコーレー・カルキンの実弟ロリー・カルキンが主演!
・ナイフで人を刺すシーンや、自身の身体を切り刻むシーンが結構多いので要注意!
レコードを売りたいだけの「ポーザー」か、思想を実行に移す「本物」か。その間で揺れる若者達の純粋で狂気に満ちた悲しい物語です。
悪魔になれない人間vs悪魔になった人間
ノルウェーは自然豊かで国民の幸福度も高く、毎年多くの自殺者が出る。それは独裁者とキリスト教に支配された結果である。
本当の自分とそれを守るための自分のせめぎ合い。
正気でいると死にたくなるから、ハッタリをかまして強く見せたかった。そんな中途半端な悪魔の主人公。
誰しもが自己防衛のハッタリを行う。それは時が経てば、揺らいでしまうし、崩れてしまう。嘘なんてそんなもの。人間とはどこまでも中途半端な存在であることを感じさせてくれる作品!
すねかじりの筋金入り
ノルウェーと言えば、民主主義ランキング一位、報道の自由度ランキング一位と、万年下位に甘んじている日本にとっては憧れの北欧の国。そんな国でもこんなバカな事件は起こるんだというお話。
元々この辺りでは北欧神話が人々の信仰の対象であり、異教徒であるキリスト教による侵略を受けた歴史は最近の映画「ノースマン」でも描かれていた。
だからこそ北欧では反キリスト教的な考えが根強いのかもしれない。アンチキリスト教としての悪魔崇拝。でも結局はその崇拝した悪魔によって身を亡ぼすというお話。
音楽にさほど興味がない自分としてはヘヴィメタルもブラックメタルも違いなんてわからない。とにかく頭振り回してロン毛を振り乱して激しい音で騒ぎ立ててるような。
音楽で有名になりたいんなら、純粋に音楽だけで勝負すればいいものを何かと目立つために過激なパフォーマンスを続けてそれに歯止めが利かなくなり、メンバーの死を招いてしまう。普通に考えたらデッドの死は止められたはず。それがライブで受けたもんだからリーダーのユーロニモスは危険な行為も容認してしまう。
それどころかバンドを売るためにデッドの死体を撮影してジャケット写真として利用する悪乗りっぷり。メンバーの一人はあきれて脱退する。
ただ、いくら悪魔崇拝者といってもすべては売れるためのハッタリだった。真の彼はデッドの遺体を前にして泣きじゃくる普通の青年だった。彼はこの時点でまだ引き返すことができた、悪魔の誘惑に飲み込まれずに。
だが、勢いでメンバー同士がどれだけ過激なことをやれるかとたきつけてしまったもんだから、魔に受けた、もとい真に受けたメンバーたちの行為は過激度を増して殺人まで犯してしまう。
ヴァーグなどは更に過激になり、有名な大聖堂に放火しようと言い出す。そんな状況でも権威ある音楽雑誌に取り上げられてしまったがためにユーロニモスはメンバーを利用しようとする。しかし自分たちばかりを利用し何もしない彼に反感を覚えたヴァーグは反旗を翻す。最終的にはユーロニモスはヴァーグに惨殺されてしまう。
彼らはノルウェーに住むごく普通の青年たちだった。悪魔だなんだと虚勢を張ってはいるが、親と同居するただのすねかじりだった。
所詮ハッタリとわかっていながらも集団内部で相乗効果が働き、とんでもないことを引き起こしてしまう。これはどこの国にでも起こりうる、条件さえそろえば。
米国議会襲撃事件を扇動した極右団体プラウドボーイズはその半分は最初からハッタリで襲撃する気なんかなかった。それが彼らに煽られた人間が実際に襲撃してしまい、五人もの犠牲者を出した。
日本ではオウム真理教によるテロ事件などもそうだ。信者一人一人はいたって普通の大人しいまじめな人間ばかりだ。それが教祖に扇動されて恐ろしいことを何の躊躇もなく実行してしまった。
個体では大人しいバッタやイナゴが群れになったとたん狂暴になり農作物を荒らしまわるように、人は群れると一人ではできなかった大胆な行為ができたりする。集団が生み出すそういった空気が人間の心の中の悪魔を降臨させるのかもしれない。
反社会的な行動に憧れる心理はわかる。 悪はかっこいい、みたいな。 ...
反社会的な行動に憧れる心理はわかる。
悪はかっこいい、みたいな。
若さゆえのどうしていいかわからない衝動、
暴力のはけ口が、
音楽、メタル音楽だったんだね。
思い通りにいかないもやもやを
悪魔崇拝で発散させるが、
一線を越えてはいけないところへ
どんどんと踏み込んでいってしまうストーリー。
何事も節度を持って楽しむのが大事である。
本来はメタルは人を傷つけるための音楽ではないはずだ。
この映画のナイフ暴力シーンは生々しかった。
ホラー映画みたいなわかりやすい作り物とは別で、
ストーリーと相まってけっこうきつめ。
ホラー系に免疫ない人は要注意。
イカれた映画
イッテル、イッテル、逝っちゃってる♪こいつらマジでイカれてる。ブラックメタルバンド「メイヘム」を題材にした狂気に満ちたイカれた映画。振り切れてます。描写がやたらと生々しいです。安易に観ると精神やられます。でもなぜだろう、また観たい
ワタクシ、ポーザーでいいです
にわか、口だけ、いきり、カッコつけ、見かけ倒し、ハリボテ、といったところかな。
引っ込みがつかなくなってエスカレートする若気の至りの黒歴史あるある、いやないない。力を入れるべきは音楽のはずだったのに、オマケの方が大事になってきちゃう。
メイヘムもヴァーグもサブスクで今も立派に配信されてる。スウェーデンが微妙にバカにされてるの何でだろ。
エロシーンでぼかし入ったと思ったら、グロシーンでも入ってきちゃいます。ヒイッ、痛い痛いイタイイタイいたいいたい。
オスロまで460キロ…ストックホルムから?
これが、2021年「今年の1本」
映画を見たのが4月。そこから今まで引きずっている。そういう作品の強さ、凄さを評価。
この映画、見ている間はずっと緊張が続く。どうなるんだろう、この「悪」はどこまで突き進むのだろう…残酷の極みなのに先を見たくなってしまう。
ラスト付近、映像を観ている間、おそらく悲劇的になるだろう…予測しながらも、脳内に走る持続的な緊張感が堪らない。
それはおそらく、人間の持つ限界点がどこにあるのかを考えさせる材料があるから。
映画に出てくるのは、破滅の道を突き進む若者ばかり。
自殺に突き進む、殺人に突き進む、バンドの覇権争いのトップを奪取するのに突き進む(そのため、バンドの地位を築いた主人公はナンバー2に殺される)。
全員グロテスクだけど、カッコいい。特に自殺願望に囚われ、あっという間に死んでしまうデッド(演じるのはヴァル・キルマーの息子)は、すごい存在感。
欧米人(この場合は北米)=狩猟肉食民族は、日本人のような農耕草食民族には時に理解できない、超越した思考と行動を起こす。
そういう「見たことのない」ものを「見たことのない」卓越した表現力で描き切った力が本当にすごい。
主要な登場人物像は以下のとおり。
バーグ=バンドの覇権争いに勝ちたい。途中からは、とにかく今のリーダー=ユーロニモスを超えたい。
ファウスト(演じるのは、スウェーデンの俳優一家スタルスガルト家の末っ子)=人を刺してみたらどういう感触なのか体験してみたい=悪魔崇拝の中でいろんな情報を得てそう思う。が、結局は自身の承認欲求を満たすための殺人。
デッド=親に虐待された経験からなのか、死にたいばかりの強い欲求。
このような、人間の持つ「果てしない欲求」を抉るように描く作風に、力を感じる。
一方で、祭り上げられながらもどこかにずっと怯えを持つ、そんな優しくナイーブな面も併せ持つ主人公:ユーロニモスのキャラクターを繊細に演じているローリー・カルキン(マコーレ・カルキンの弟)にも人間的な魅力が溢れている。
しかし、若さの暴走とともに、こういう「悪の暴走」が、私がすごく魅力を感じたユーロニモスを襲う悲劇の元凶となること、つまり「悪」は人間の「良さ」を簡単に凌駕してしまう、ということを映画の中でこれでもか、と見せつけられてしまう。
やはり、人間の源は性悪説に基づくものなのではないのか、と思わずにはいられない。
これが、観たあともとにかくずっと頭の中に残り、所属する映画サロンの年間回顧「今年の1本」は一瞬でこの作品を選んだ。
(ベスト1ではなく、あくまで今年の1本)
また、ブラックメタルも、こういう映画のテーマ性とのセットで流れると騒音でなく立派な映画音楽となることを補足しておく。
そんな、悪の中にも総合芸術の「バランス」を見せてくれる(魅せてくれる、惹きつけられる)、数少ない、貴重な作品ということで紹介するのですが、かなり残酷でエグい描写や音響が作中に出てくるため、鑑賞する場合は、それなりに勇気を持っていただくことをおすすめします。
これは悪の本質を表現した青春映画
ヴァルグの「大義のためにやるのか、目立ちたいからやるのかどっちかにしろ」というセリフがこの映画のテーマだと思われますね。
有名になるために教会を燃やした主人公ユーロニモスと、自分は大義のためにやっていると「思いこんでる」ヴァルグ。
同じくヴァルグの「悪魔に魂を売るなと言ったろ?」というセリフ。
ヴァルグにとって悪魔に魂を売ることとは、有名になりたいという自分の欲求を、他人を犠牲にすることで満たすこと。一方ヴァルグは、世界を良い方向に変えるには、多少の犠牲はやむおえないという考えを持っています。ヴァルグが理解できていないのは、二つは実は同じだということ。
生きていれば、理由をつけて自分を正当化したい場面はありますが、それだと人に迷惑をかけてしまうこともある。しかし自分や家族を守るために、そうせざるを得ない場合もあります。
日常に落とし込むと、ファミレスからの帰り、傘立てに自分のビニール傘がなかったので他の人のビニール傘をさして帰った。みたいなことでしょうか?笑
自分を守るために小さな悪は必要なのかもしれません。この悪の肯定こそが、ブラックメタルという音楽の魅力とも言えるでしょう。
最後ヴァルグがユーロニモスを殺したのはおそらく単なる意地の張り合いですね。
自分のいないところで「殺してやる」と言われていたことを聞いて「もういいわあいつ(怒)」となってしまっただけだと思います。映画なので一線は超えているものの、喧嘩の発端はかなりどうでもいいこと。言った本人は本音ではないしあまり覚えてない。友達とか恋人との喧嘩ってこんな感じですよね笑
尖りたい若者たちの青春映画であると同時に、大義という「ハッタリ」に隠れた自我、悪の本質を見事に表現している作品です!
やっぱりホラーだったよ〜😣💦
ホラーは苦手なので恐る恐る観てきました
リスカのシーンとか音もリアル過ぎて🤮
その辺りはほぼ直視出来なかった
私が知ってる悪魔崇拝と言えば
オジー・オズボーン
当時はコウモリとかかじってたけど
今じゃ優しそうなおじいちゃんだし·····
始めは子供の戯れ程度の悪魔崇拝だったのに
エスカレートしていく様は
見るのが辛かった(∩´﹏`∩)
自殺や殺人は本当の話らしいし
多分それで妙にリアリティある様に感じたのかしら
途中からロリー・カルキンのイケメン愛でて
感情を整えてました。
あの後半のメガネ萌えはヤバかった❤️
ホモ野郎もユーロニモスも刺されても刺されても
なかなか死なないのが、怖いね〜
教会燃やしてる時の笑い声が、怖いね〜
ヴァルグは今じゃ結婚してるって、怖いね〜
バンド映画として見れば、全然面白かった。
ホラー映画としたら、怖かった〜〜〜😣💦
【悪魔崇拝を標榜したブラックメタルバンドが引き起こした事。徐々に”悪魔”に魅入られていくメンバーの姿が、恐ろしくも切ない。極北の集団心理を描いた映画でもある。】
ー ノルウェーは、世界で一番自殺率が多いというコメントが冒頭流れる。嫌な予感がする・・。ー
◆舞台は、1987年ノルウェーのオスロ。
若きギタリスト、ユーロニモスは、自傷癖のあるヴォーカル、デッドと「ブラック・メタル」を突き詰める「メイヘム」を結成する。
■感想
・自傷癖のあるヴォーカル、デッドが、ライフルで自らの頭をぶち抜くシーン。
ー カート・コバーンの最期を想起してしまう・・。そして、その死体を見つけたユーロニモスの取った有り得ない行動。
彼は、バンドを有名にする事しか頭にない事が分かるし、悪魔が取付くのも、納得である。ー
・「メイヘム」のメンバーに参入を望んだヴァーグが、ユーロニモスに着衣の”スコーピオンズ”のロゴを指指され、”ボーザー(ど素人)”と言われたシーンから、徐々に目付きが据わり始め、多くの教会に放火していくシーン。
そして、「メイヘム」の中で、ユーロニモスと対峙して行く姿。
ー キリスト教の国では、赦されない行為である。しかも、時により聖書を破って火をつけている。彼も又、悪魔に取り入られた男である。ー
・バンドの中での、主導権争いは苛烈化し、殺人まで侵す者も・・。
ー どのような罪を犯しても、称賛するユーロニモス。ー
<恋人を得て、長髪を切り、一度は決別したヴァーグに手紙を書くユーロニモス。
彼は、悪魔と手を切ったかと思ったが、悪魔は直ぐにやって来た・・。
極北の集団心理を描いた、背筋が寒くなる映画。
今作は、ヘビーメタル映画ではなく、世界中どこでも起こりうる凄惨な事件を描いた作品である。>
犯罪者バンド
ノルウェーのブラックメタルバンド•メイヘムの狂乱ぶりや実際に起こした犯罪を元にした作品。
ギタリスト、ユーロニモスは悪魔崇拝主義のブラックメタルバンド•メイヘムで活動していた。ボーカルのデッドはライブ中に自らの身体をナイフで切るなど過激なパフォーマンスを繰り返し、一部で熱狂的な支持を集めていた。しかし、デッドがナイフで腕や喉を切り、ショットガンで頭を撃ち抜いて自殺してしまう。ユーロニモスが家に行き死んだデッドを発見する。警察に通報する前にインスタントカメラを買いに行き、脳が飛び散った遺体の写真を撮り、頭蓋骨の欠片をメンバーに渡して宣伝したためカリスマ化する。誰が一番邪悪かを競い合うサークルで王として君臨するが、メンバーのヴァーグが教会放火事件を起こし、主導権争いが激化し・・・という話。
事実を元にと言うことなので、実際に有った事なのだろうけど、デッドがナイフで腕や喉を切り血が噴き出るシーンは気持ち悪かった。デッドの自殺死体を発見して写真を撮るためにカメラを買いに行くユーロニモスの行動も気持ち悪い。
教会を放火し喜んでる姿は犯罪者以外の何者でもない。
その後メンバーによる殺人事件が2件有り、音楽はともかく、犯罪者だらけのバンドで気持ち悪かった。
グロいシーンだけじゃ無くセックスやストリップバーなど性的なシーンも含めてR18+なのが理解出来た。
なかなか過激な作品だった。
素顔
ノルウェーのブラックメタルバンド、メイヘムに関する、事実とフィクションを交えたサスペンススリラー。名前を聞いたことはあるが、曲やバンドの背景は粗知らずに鑑賞。
いやぁ衝撃的!!何が驚きって、この恐ろしい物語、鑑賞後メイヘムについて検索したら大体実話なんですね。。
そういう意味で、予備知識なしで観て正解だったかも。
作品としては、文字通りブラックな闇展開が終始続き、スプラッター的な描写も沢山。そんなに得意じゃないんですよね…w
ただ、何と言いますか、本作を観て特に感じたのは、ハッタリ合戦もエスカレートしていくと恐いな…と。
悪魔崇拝に憧れた(?)ユーロニモスにしても、最初は皆にバカにされていたヴァーグにしても、いったいどこまで本気だったのか。場面ごとに逆転を繰り返す二人の立場に深みがあり面白かった。
また、垣間見えるユーロニモスの素顔が印象的。序盤はとにかくヤバそうにしか見えなかったけど、実はまだこの中では分別があったほうなのかな。それでも、僕からしたらチキンボーンでも充分ヤバいですよ…。
あとは、トラウマとして脳裏に焼き付いた彼が一瞬見せた笑顔。本作の中で唯一、光を感じれるシーン。親友がこちら側にこなくて良かった、とでも言ったメッセージに感じられたが…結局は。。う~ん。。
その他にも、場違い的に笑わせにくる某ブルースウィリス映画や、ヴァーグを手玉にとる記者さんが印象的だった。ヴァーグ、チョロすぎ!?
因みに、私も趣味でギターをやっており、周りには所謂メタラーといった方も結構いましたね。メタル好きのギタリストさんはとにかく拘りが強いイメージ。対してワタクシはジャンルに拘りは無いのですが、その分どんな曲をやっても中途半端に…。ちょっとは見習った方が良いのかな。。
話が逸れましたが、改めて狂信的な思想は危険だなということ、それと同時に、果たして本当にどこまで本気で崇拝していたのかよくわからないことも、寧ろより恐ろしいなと思わされた怪作だった。
終わり方も良いですね。
あれはメタルと言うよりも、寧ろロックな感じもした(笑)
ルサンチマンをあっさり飲み込む退屈さが純粋な青年達のルサンチマンに薪を焚べる様が壮絶に痛ましいメタリック青春惨禍
1987年、ノルウェーのオスロ。妹思いの少年オイステインくんは“ユーロニモス”と名乗り、自宅地下の居間で自身のバンド“メイヘム”の練習に励むギタリスト。“メイヘム”は壮絶なデス声を持つボーカリスト、“デッド”を加入させると、ステージで自らの体を切り刻むデッドの過激なパフォーマンスで熱狂的な人気を集めるようになる。しかしデッドの正体は少年期に壮絶なイジメを受けたトラウマを持つ繊細な青年ペルであり、始終死に取り憑かれた彼はついに自殺してしまう。デッドの死によってメイヘムはより過激なカリスマとなり、自身のレコードショップとレコードレーベルを立ち上げたユーロニモスの元にメイヘムに影響を受けた少年クリスチャンが訪ねてきたことで、血塗れのブラックメタル史が暴走し始める。
ブラックメタルが台頭してきた時期にはメタルをあんまり聴いていなかったのでリアルタイムには知識がありませんでしたが、『メタル ヘッドバンガーズ・ジャーニー』や『ライト・テイクス・アス 〜ブラックメタル暗黒史〜』といったドキュメンタリーでメイヘムのメンバーが繰り広げた凶行の数々は知っていましたし、“ヴァーグ”ことクリスチャン本人の言動も聞いていましたが、なぜ彼らがそんな凶行に及んだのかを虚実織り交ぜて描いたのが本作。まずとにかく胸が痛いのが彼ら自身は物凄く繊細で家族思いの優しい青年達だということ。悪魔崇拝を標榜してはいるもののそれは表面的な虚勢に過ぎない。若さゆえに渾々と湧き溢れるルサンチマンを表現する手段として彼らは大音量で楽器をかき鳴らすが、その轟音をも受け流す北欧の懐深さと退屈が彼らの暴走に薪を焚べる。淡々とバンド練習に明け暮れ仲間と戯れ合っている時期の彼らはかつての自分達とほぼ同じで、お互いに虚勢を張っていることを悟られないように戦々恐々としている様は当時のVHSを見せつけられているかのように微笑ましいが、カッコだけの人間、“ポーザー”と呼ばれたくないがためにお互いを煽った結果として逃げ道のなくなった人間が犯した取り返しのつかない凶行に激しく怯え、でもやはり見下されたくなくて虚勢を張るという悪循環が延々と繰り返される様は見つめ続けるのが辛い。そのいたたまれない切なさに呼応するようにこれでもかと繰り返される刺殺シーンは尖端恐怖症の私には地獄の責苦。R18+というレイティングも納得の凄惨さですが、一方で青春映画特有の爽やかさ微笑ましさも仄かに薫るなんとも不思議な作品。
さりげなく2世俳優が目立つ作品で、短い出番ながら鮮烈な印象を残すデッドを演じたのがヴァル・キルマーの息子ジャック・キルマー。ステラン・スカルスガルドの息子ヴァルター・スカルスガルドも出ています。こんな映画ですからサウンドトラックもメタル一色。個人的にはDioのStand Up and Shoutが使われたのが嬉しくて、Scorpionsが激しくディスられてたのがちょっと悲しかったです。
パパとママがあってのブラックメタル
過激な事に憑依された若者達の話だったが、印象的なのはチラホラと映し出される彼らの家庭環境。小綺麗な良い家に、優しい両親そんな絵に描いたような良い家族が映し出されているのだ。
バンドの物語というと恵まれない境遇からのし上がったみたいな話を想像するが、理解のある彼らの両親はブラックメタルの活動に小言を言うシーンも無く、なんなら資金まで出す。
親の金で悪魔崇拝してりゃ世話ない。このジャンルの音楽に感銘を受けない私は思うけど、好きな方々にはやはりカリスマなんでしょうか?
目立ちたいが為に本当に悪魔に憑依されちゃったんじゃないかと思うくらい、やる事が過激でやり過ぎで呆気に取られた。
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