ホワイト、ホワイト・デイ
解説・あらすじ
「トーキョーノーザンライツフェスティバル2020」(20年2月8~14日/ユーロスペース)で上映。
2019年製作/109分/アイスランド・デンマーク・スウェーデン合作
原題または英題:Hvitur, hvitur dagur
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「トーキョーノーザンライツフェスティバル2020」(20年2月8~14日/ユーロスペース)で上映。
2019年製作/109分/アイスランド・デンマーク・スウェーデン合作
原題または英題:Hvitur, hvitur dagur
北欧の静かなドラマだと油断していると、気づかないうちに胸の奥をつかまれる。
事故で妻を失った男が、遺品からあることに気づき、疑念と怒りに飲み込まれていく物語。家の改修作業に過度に没頭したり、孫娘との穏やかな時間の中に突然ピリつく空気が流れたりと、彼の心が少しずつ歪んでいくのが静かな演出で描かれる。
演出があからさまに怒りを表現してないのが上手くて、イングヴァール・シーグルズソンの演技が、“抑えた狂気”をじわじわと形にしていくのがいい。
やがて彼の疑念がある一点で爆発するのだが、その瞬間に至るまでの“溜め”が本当に見事だ。
派手さはない。説明も少ない。それでも、映画を観終わったあと、しばらく頭の中に淡い霧が残る。北欧映画らしい強度を持った一本だった。