ブラック・クリスマスのレビュー・感想・評価
全5件を表示
溢れ出る過剰なフェニズム
同作は2006年にもリメイクされているが、今回は更に別物にされている。
もう電話はほぼ関係無く、相手もコミュニケーション不能な精神異常者ではない(ある種イカれてはいるが)。睡眠薬レイプ被害の過去を持つ女子大生が主人公。
原典の「密かに進行する狂気と悪意」とは異質で、ハロウィンのマイケルの様に悠然と姿を現わし直接的な暴力で圧倒するタイプの犯人。
犯人側の情報を出さないままの展開だけは悪くないのだが、スリラーかと思えば黒魔術がらみのオカルトで、犯人達の正体は悪い魔法で操られていた男子学生という、幼稚園児並の発想。しかも操られていた男子学生は女性陣に皆殺しにされる。悪いのは教授とレイプ犯だけじゃないの?
最も怪しい人物が実際に犯人で捻りも意外性も無く、しかも女性監督の男社会への敵対心と偏見が前面に出過ぎていて、男に従順な女は裏切者扱いで死ぬ展開だし、男尊女卑の教授とレイプ犯にウーマンリブの闘士達が団結と暴力で勝利するという、監督の偏った精神性が作品を台無しにしている。
女性監督はこれまでの人生で「女は黙ってろ」と言われ続けてきたのか、男に対する憎しみと過剰なフェニズムが溢れまくっている。更に作品中、唯一まともに描かれたのが気弱な黒人青年で、黒人差別を絡める事でフェニズムへの批判をかわそうとするズルさも感じた。
これのどこがリメイクなのか?「2006年のリメイクよりはマシ」との意見もあるが、更なる駄作と断じる。実際興行収入も期待値の半分以下となり、評判も芳しくなかった。原典の評価すら落としかねない改悪リメイクはやめていただきたい。
「暗闇でベルが鳴る」のリメイク→失敗?
ダースベーダーもどきが出てくるまで70分位かかります(笑)
そこまでは、我慢、ガマン、がまん。
学園ホラーです。
内容は《クリスマスの惨劇》・・ですねー。
2019年(アメリカ)主演・イモージェン・ブーツ。
実はこの映画、1974年公開の『暗闇にベルが鳴る』の
リメイクなんですって。
と、聞いてもピンと来ません(布施明の元妻・オリビア・ハッセーが主演・・・
オリビア・ハッセーは「ロミオとジュリエット」の、・・・ですよね)
ホーソーン大学の学生たちはクリスマス休暇を楽しんでいた。
女子学生のライリー、クリス、マーティー、ジェシーの
仲良し4人組は変なメールで殺人予告をされて、次々と魔の手が襲って来るのだ。
そして学生会館には男子学生たちの、カルト集団組織みたいな者たちがいて・・・
かたや女の子たちはウーマンリブ思想に傾いてたり・・・
もう、なんのこっちゃ、勝手にやってくれ!!
惨劇までが長いです。
ダースベーダーまで70分。
お暇ならどうぞ。
女性差別をホラーで訴えると受け入れられるか?
中々に個性豊かな女子大生たちが揃っており、主人公ライリーも割に可愛い。
と、ここまでは所謂よくあるホラーの設定だ。
冒頭から男性至上主義的な発言のゲルソン教授が現れて今時に向かない話もある。
その辺りの事情は無視するとして、あの胸像に闇の魔力が…とかなんなんだ?
その恐れさせるリアリティさが足りん!と言うのがこの作品の不満点である。
もちろん襲ってくる理由もわからいではないが、殺人も厭わないレベルで争うのは男女揃って狂いすぎだろう。
あんだけ殺し合ってしまうと後々どうにも収集つかないし、闇の魔力が籠った胸像の力で皆狂いました…とか誰も信じてくれそうもないのが、モヤモヤする。
女性差別の問題をテーマにしている作品とは言え、やや作りの弱いスラッシャーホラー、心が男性至上主義に囚われた男ども相手に女性が押し勝ってしまうのは少々ムリがある。
まぁ芝居としてはこんな感じになるか。
ラストシーンが二種類あり別バージョンの方が男女の争いは容易に解決しない事を示唆している感じで良いと思った。(協力した男性の指から胸像と契約した者が流すねっとりとした黒い血液が男性に流れていると見える)
しかしリメイク前の『暗闇にベルが鳴る』って全く知らないのだが、リメイクするほどヒットしたんだろうか?
全5件を表示