「私小説でなく応援歌!奮い立ちます。」映画 えんとつ町のプペル 雨丘もびりさんの映画レビュー(感想・評価)
私小説でなく応援歌!奮い立ちます。
すさまじい熱量。作者の実人生から編まれた物語なのに、みっともない私小説臭がまったくしない日本アニメ映画。珍しい。
私も気付いてなかった足枷を照らし、外そうとしてくれる物語。
なんかすごい、ありがとう.....思ったより数10倍良かった。
音楽、映像、演技、素晴らしかったです。ほんとにイイ。
自慢話でもお説教でもビジネス書でもない内容で、ビックリした。
「ドラ泣き」的な涙強盗もしてこない。
みんながほどほどにジーンとするファミリー映画でなく、ちゃんと観客一人ひとりに勇気を届けようとする熱意が漲ってる。
ちょっとね、他に得難い映画体験でした。これ観た後は世界が変わる。
......言いたいことが、無くはないw
※以下、ネタバレ含みますよー
尺稼ぎみたいな場面たちが邪魔くさい。
ルビッチが、母ちゃんの病気を治すために外の世界を目指す、みたいな動機は関係なかったのかな?
舞台となるえんとつ町が、消費期限付きの通貨を用いた経済を維持するために外界と遮断したコミュニティだという設定も(すっごく面白いのに)活かされていない印象。
悪役の異端審問官はもっと掘り下げよう。
プペルの、片目が割れたり耳が取られたアクシデントはもっと活かせたはず。
ゴミ殴ったほうが痛いと思う。
ルビッチがプペルを嫌いになるトコ、かなり無理矢理。てかちゃんと謝れ。
アントニオ君のモヤモヤはちょっと理解できなかった。
あの船は"カイブツ"には見えないかな。。。。。
でもでも、プペルの結末はほんとに、やられた!見事!って思った。
素晴らしい映画体験を、ありがとうございます。