「映画になって絵本の内容以上にドラマチックになっててすごく面白かった...」映画 えんとつ町のプペル ゆっこさんの映画レビュー(感想・評価)
映画になって絵本の内容以上にドラマチックになっててすごく面白かった...
映画になって絵本の内容以上にドラマチックになっててすごく面白かった!
絵本は風船で飛んだり夢のある少年の小さな世界の物語だったけど、映画は人々全体の大きな世界の話だった
冒頭からカラフルなハロウィンパーティのダンス、からのプペルと出会ったゴミ焼却所でのハラハラ感、トロッコはアトラクションに乗ってるようなワクワク感
映画であることをふんだんに活かして画だけでも楽しめてしまう
ゴミ焼却炉シーンはトイストーリー3を彷彿としたり、アメリカ映画のようなキャラや語り口調、キャラギャップ(スコップやダン)、歌を一曲分使ったりするのもいろんな映画の良い部分が詰まっててすごい
そして、一番かなめの夢を持つことで叩かれる、だけど諦めなかった先に見える世界があるっていうメッセージ
映画内でくどいくらいに
「下を見るから揺れるんだ、上を見ろ」
「誰も見てないのに無いって決めつけるな」
「自分の未来を他人が決めるな」
繰り返される言葉が伝えたい想いを感じて胸に残る
シンプルに物語としてもとてもとても良くて、敵側に見える異端審問側にもアントニオにも、大切にしてたものや諦めたものや守りたいものや正義があったり
初めに出会ったスコップの無煙爆弾や、プペルが父親とわかる仕草のクセ、帽子を拾ってかぶせてくれるところなどの伏線がうまい…
最後もう一度帽子をかぶせてくれるとこ泣いちゃうよ…
だってあれは、上を見ることを諦めなかった、父親の汚名を晴らしたルビッチががんばった末に得られた出来事なんだもん…
プペルが父親なのも、最後きっと壊れてしまうこともわかってても泣いてしまう
最後空からやってきた星のような心臓が、空に飛んでって星になったんだよ
ルビッチが晴らした空に輝く星になった
だから父親は上を見ればいつだって会えるの
ちゃんと希望を描いてくれてるの
映画中たくさんボロボロ泣いてしまった
夢を必死に追ったことある人はきっとどうしたって刺さってしまう
誰もきっとわかりやすく悪いわけではなくて、母親が心配するのも周りに溶け込めって言うのも、守りたいものがあるからだ
だけどそうして否定されて、周りに迷惑をかけて守りたい自分の夢はいいことかわからなくなってしまう
だけどいつだってシンプルに自分を支えるのは、君と一緒にいたいとか夢の先が見たいって素直な気持ちなんだよ
あんなに力の無さそうな小さな少年が世界を変えられたの
それは彼に特別な力があったわけじゃなくて、信じる気持ちと彼の応援したくなる真っ直ぐさと周りの協力してくれた仲間のおかげで
それはまだ無力な自分でも、もしかしたら本気で向き合って頭をしぼれば見れない世界が見えるんじゃないか?って思わせてくれる
前が見えない毎日の中で、信じ続けてがんばり続けて上を向き続けたら、もしかしたら無理じゃないのかもって思わせてくれる
新しい世界が始まる気がしてしまう
だってそれを貫きまくった西野さんのこの作品が、映画になって、めちゃめちゃ観てる心を動かして…って今の現状がそれを証明してるんだもの
自分もがんばろうってものすごく勇気をもらってしまった
諦めないで上を見つづけたい、そのためにがんばる原動力をもらえた気がした