「山崎監督「はいここ感動シーン!はい泣いてくださ〜い!w」」STAND BY ME ドラえもん2 sy@nΦnさんの映画レビュー(感想・評価)
山崎監督「はいここ感動シーン!はい泣いてくださ〜い!w」
星5付けてるレビューが皆「面白かった!」「泣けた!」みたいな空虚なコメントばかりで、極め付けは「頭空っぽにして見れる」なんですよね
感想は人それぞれと言ってしまえばそりゃそうなんですが、自分は"構成"の観点でレビューしてみますね
内容はぐう名作でお馴染み『結婚前夜』にあれこれ脚色を加えた物になっています(山崎監督オリジナルの要素がかなり強いし多いです)
『おばあちゃんの思い出』『雪山のロマンス』等の要素もあったり
演出は王道と言えば王道だし陳腐と言えば陳腐
ドラえもんの名作映画ってしっかり起承転結の流れが構成されてあって、「泣ける」じゃなくて「胸が熱くなる」エモさがあるから良いんですよね
ジャイアンの家でのび太の結婚祝いの飲み会して、ジャイアンの歌にのび太が笑いながら「やめろヘタクソ〜!」って野次飛ばす所とか、そういう些細な描写で誰もが共感出来る子供から大人への変化を演出してるからこそ評価が高いのであって、別に泣けるからじゃ無い
その辺りの"藤子作品への理解"が根本的に全く足りていなくて、原作の洗練されたテンポ感だったり侘び寂びを『いらないもの』として認識したんだろうなって観てて思いましたね
くどい位の間延びした感動演出ほんとキツかった
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名作っていうのはプロの賢人達が時間と情熱を掛けて精製してるので、その"構成"には一切の無駄がないんです
欠けて良いシーンなんて無いし、シーンを入れ替えても違和感が生まれてしまう
この山崎監督のスタンドバイミーシリーズは色んな過去作の感動シーンを切り貼りして寄せ集めたMADみたいな形式で作られています
構成はもちろんグチャグチャだし、色んな映画からシーンをパッチワークしてるせいで脚本に首を傾げてしまうような矛盾もかなり生じている
感動出来るシーンもその前後の"溜め"と"開放感"が無いせいでカタルシスが無い
「はいここ泣けるシーンですよ〜!はい泣いて!」ってされてるのがずっと続く感じ
この作品は映画じゃなくてただの名シーン集です
はっきり言って99年版の結婚前夜を観た方が時間の有効活用です
古い作品だからって毛嫌いせずTSUTAYAででも借りて見て下さい
そちらの面白さは太鼓判を推して保証致します