劇場公開日 2020年1月3日

「熟女の純情」リーディングハウス KinAさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5熟女の純情

2020年1月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

スリラーをベースにロマンチックなエッセンスをたっぷりと加えた、ちょっと過激な大人のおとぎ話。

人肉だー!人肉だこりゃ!!やったー!!大勝利!!
カニバリズムを直接的に映したシーンは無いけれど、この映画の根底には常に人肉ソーセージが在る。もうそれだけで優勝。
想定外の人肉要素、いつでもウェルカム。

毎週開催される読書クラブの実態。
「見目好い男を連れてくるが勝ち」という絶対的ルールの中、渦巻くタチの悪いマウント争い。
取っ替え引っ替え男を連れてくるって、それを何年も続けるって尋常じゃない所業でしょう。
そのうち街の男みんないなくなっちゃうでしょう。

骨格やパーツのバランス、配置を厳格に測定し、明確に点数化される男のビジュアル。
完全なる見た目至上主義で日々行われる男の選定には、現実世界での男女の関係を皮肉ったような目線を感じた。
ああいう下品なこと、してる人いるでしょう。

ローラの若さ溢れる悪女っぷりが面白かった。
あからさまな色仕掛け、高圧的な嫌味と勝ち誇った顔のまあ腹立つことよ。
ソフィーは美人だけどやっぱり歳は食ってるし、表情がいつも暗くて、二人の対比にチクチクやられた。

余白の多さにまたキュンとする。
まずクラブの設定が面白すぎて、細かいことを考えるだけで興奮しちゃう。
「愛を信じないこと」をモットーにしているだけに、皆それぞれ裏切られた経験がおありなんだろうか。
クラブに入るのにどんな経緯があったんだろう。どうしたら入れるんだろう。いや絶対入りたくないけどさあ。

熟女の純情、男の執念。
禁断の恋心が裏裏を行く予測不能のドラマを生み、非常にスリリングだった。
翻弄されるのもストレスも快感も込みで楽しい映画だった。
あとやっぱり、たしかに人肉が在ること。凄く好き。

KinA