ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語のレビュー・感想・評価
全295件中、121~140件目を表示
脚色の妙!
レディバードのグレタ・ガーウィグが監督、脚本の本作、
大昔の作品を、こんなに見事に脚色した作品も稀ではないだろうか。
とにかく、あれ?若草物語ってこんなんだった?!と何度も首を傾げるほど。
やっぱりこの監督の作品は好き。
最初だけ、過去と現代を行ったり来たりする場面で、
どっちがなにやらと混乱するけれど、
だんだん分かってくる。
母と叔母以外は殆ど顔すら変えていないというのに。
4姉妹それぞれの事情や、
それに纏わる人達全てに感情移入してしまう。
オチが分かっているのに、
テディとの場面では胸が締め付けられる。
しかし私が1番好きなのは、
最後のシーン。
第1刷を手にしたジョーの喜びは、
なににも代え難いものだろうと思う。
当時の時代背景、
インテリアやドレスどれもこれもお見事で、
きちんと目を凝らして見てみたい。
人生はパッチワークのタペストリー
軽快な音楽に合わせて四姉妹の溢れんばかりの喜怒哀楽がスクリーンから飛び出してくる。19世紀に書かれた名作文芸小説の映画化と聞くと敷居の高い作品かと身構えてしまうが、そんな心配は一切無用。ここで描かれているのは庶民の物語であり、私の話でもあり、あなたの話でもあるからだ。
仕事、恋愛、家族、財産、そして、自分の夢と幸せ。人生において、どれ一つでも欠けてはいけない大切なものであるが、その全てを両立していくことの難しさともどかしさ。誰もが抱えるであろうそんな悩みに向き合いつつも、前向きに生きていく四姉妹の物語を次女ジョーの視点を軸に描いていく。ここまでお読みになった方なら、もうお気付きだろう。男女平等や自由経済が謳われ、ガスや電気、ネットやスマホが発展しても、19世紀に描かれた物語が21世紀を生きる私たちの琴線に触れるのだから、社会の体質や人間の本質は変わっていないのだ。
特筆すべきは現在と実家で過ごした7年前とをパッチワークのように、それでいてシームレスに紡いでいくという構成。私たちが人生に迷ったり、立ち止まったりした時に、ふと過去の経験を懐かしむかの如く、この構成は現在と過去のコントラストを見事に強調し、彼女らが抱える悩みや感情の変化を我々観客の手元にまで優しく届けてくれるのだ。
そうして、私はすこぶる関心した。なるほど、人生はパッチワークのタペストリーなのだと。明るいトーンの場所もあれば、暗いトーンの場所もある。良いことも、悪いことも、グラデーションのように変わっていくのではない。生きていく中で、ふと布の継ぎ合わせを変えるだけで瞬く間に変わっていくこともある。でも、その継ぎ目が、転機がどこにあるのかを見落とさないようにしなさいと、この作品が教えてくれている気がしてならない。
老若男女に自信を持ってオススメできる良作ではあるが、特に主人公らと年齢の近い若い世代にこそ見てもらいたい。これはStory of “our” lifeであり、Story of “your” lifeでもあるのだ。
ん〜、もっと幸せな物語かと思っていたけどそうでもなくてあまり好きじ...
瑞々しいったらありゃしない
四姉妹の物語ですからね、やっぱり女優さんをみくらべてしまうんですね。人間ってこんのに違うものかしら…見ちゃいますねシアーシャを。
そりゃ、主人公ですしね。そうなるのは必然なのかも知れないけれど表情やちいさな仕草、引き画のシルエットなどなどシアーシャローナンは本当になんて魅力的なんでしょう!くらべると大女優エマワトソンが大根なことが浮き彫りになって悲しいかった。
内容的には見てて飽きないストーリーだし、映画としての造りは無駄がなく美しい!が、どにこにフォーカスするかで迷子に。作家魂に震えるでもなく、少女時代の郷愁は悪くないけど、女性の自立問題なんかはちょっと簡単にまとめ過ぎな気がするし。ローニーがエイミーと帰ってきた時のガッカリって、ガッカリのままじゃ”意地はった結果の独身”という残念な人になってしまう。それは違う気も…
シアーシャ堪能したけれど、映画は期待してた程ではなかったかな。機内で暇つぶしに見るには良作🙏
わたしが描く わたしの物語
誰かがしつらえた物語に
委ねた生き方は楽かもしれない。
でもそうすると責任も負わず
誰かに転嫁して生きてしまうかもしれない。
自分の思い描いた生き方ではないのだから…
誰かにもたれて生きるのは
けして甘えではないのだけれど
誰かの支えになる側になりたい。
自分の価値は、自分で決めたい。
たとえ責任が自分にのしかかろうと
自分の決断は、未来の自分だ。
もし、自分を物語の主人公に置き換えるなら
それは仮想的な自分であるが、理想的な自分だ。
だったらその理想にそって生きていきたい。
自分の人生は、自分が描く物語なのだから…
*・゜゚・*:.。..。.:*・゜*・゜゚・*:.。..。.:*・゜*・゜゚・*:.。..。.:*・
若草物語は読んではいないのですが
アニメ世界名作劇場の
『愛の若草物語』と『ナンとジョー先生』は
リアルタイムで見ていました。
そういった幼い頃に見た、読んだ物語が
今ではわたしの財産になっています。
女性の自立や自生を描いた物語は多いれけど
こと女性作家の自叙伝的物語となれば
この“ Little Woman ” が時代とともに
女性のバイブルとして愛され続けるのも納得です!
若いうちにこの物語を読んでいたら
今のわたしはどうなっていただろう…
でも今の自分を肯定してこその自分だ!
と背中を押してくれたこの映画に感謝です♪
思い描いていたあこがれの四姉妹そのまま!いやそれ以上!
月曜日、レイトショー。そして、時節柄もあり、104人会場、独り占め...
月曜日、レイトショー。そして、時節柄もあり、104人会場、独り占めでした。
淡々と、さりげなく、でも、力強く美しく、時間が(平行して)ながれていきました。素敵でした。だんだん入り込んでいきました。
むかし、映画とは?という、映画の定義を読んだことがあります。それは、『一つ一つのカット・1コマ、どのシーンも、すべて美しい『絵』、美術作品になるように、撮影しているものこそが映画なんだ』 と、どこかで読みましたが、まさに、ワンシーン、ワンカットが、絵画作品のように美しかった。
ジョーとベス、ふたりの海辺のシーンが特に好きです。
観てよかったなー、と、思う映画でした。
そして、今、観た後。
気持ちが穏やかになっている、映画です。
原作が古典とは思えないくらいの瑞々しさ
個人的にはどうしても「レディ・バード」の印象をぬぐい去れなくて、なんで似たようなモチーフを繰り返し焼き直すのかとさえ思っていたけれど、不思議なくらい新鮮で瑞々しい気持ちで素直に感動してしまった。
出てくる全ての女優陣のパフォーマンスが素晴らしい。シャラメも素晴らしかったけど─。
グレタ・ガーウィグ監督の脚本と作り上げられた映像が素晴らしい。混乱と錯綜というものをうまい具合に利用して、感情を大いに揺さぶるその手法は、何とも言えずたまらない。有名な題材なだけに理解できるぐらいの複雑さで、漫然と眺めがちな一鑑賞者の脳みそを刺激してくれた。
アレクサンドル・デスプラの音楽なくしてこれほどまで感情が刺激されることはなかっただろう。幕が下りても引きずる余韻は、あの音楽があったからだと思ってしまう。
コンセプトもしっかりしていたように思えたし、非常に見やすかった。故に大いに感動できた作品だった。
それは愛じゃないわ。
世界観がとにかく美しい!!
雪や緑などの自然の描写はもちろん、ドレスを中心とした衣装や、ニューヨークの街、アメリカとヨーロッパで異なるパーティーの様子、どこのシーンをとっても絵になる素敵な作品!そして何よりも美しいのはテディ演じるティモシーシャラメさん、、
笑顔も横顔もどんな姿も素敵ですが、哀しそうにジョーを見つめる目が非常に印象的です、、見る者を魅了する目をしています、
テンポの緩急がちょうどよく、物語に引き込まれあっという間に映画が終わってしまったという印象です。
家族を愛する四姉妹の姿はとにかく愛おしく、それを見守る周りのキャラクターにも嫌な人は1人もいません。
また、作品中の登場人物の立ち位置がすごく魅力的な作品でした。今後の展開を予想させたり、誰が誰を強く思っている、など注意して見れば見るほど浮かび上がってきて、よかったです。
もう一度見たいと思えるくらい素敵な作品で大満足でした。みんなにお勧めしたい!
原作に忠実
皆様よくご存知の…というテイ
目線が優しい。
女性の幸せとは何なのか
様々な立場で時代と戦う女性達の勇姿が眩しいファミリードラマ
女優になることを夢見ながらも実直で保守的なメグ、作家志望で封建的な社会に反抗的なジョー、ピアノを引くことが大好きで控え目で繊細なベス、絵画の才能が恵まれながらジョーに対する対抗心にいつも心を揺さぶられるエイミー。マーチ家の四姉妹は南北戦争の従軍牧師として遠征中の留守を守る母のもとで仲睦まじく暮らしていたが、彼女達が成長するにつれお互いの考え方の違いが摩擦を生み、昨日までの当たり前がグラグラと揺らぎ始める。
『レディ・バード』で奔放な主人公を瑞々しく描いた監督グレタ・ガーウィグがシアーシャ・ローナンとタッグを組んで描くのは様々な立場で時代と戦う女性達の勇姿。自分が書く小説で家族を支えようとニューヨークで一人奮闘するジョーの帰郷と7年前の悲喜交々が交錯しながら四姉妹が胸に抱く様々な葛藤と決意がビビッドに描写されています。姉妹と父母の心理的な距離感が『レディ・バード』のそれと酷似しているので恐らくは監督自身の実体験が濃厚に滲んでいるのでしょう。
眼を見張るほどに美しいシアーシャ・ローナンと彼女に負けないくらい美しいティモシー・シャラメがメインキャラですが、個人的には四姉妹で最も複雑な心情を露わにする四女エイミーを演じたフローレンス・ピューが印章的、四姉妹を優しく見守る母を演じるローラ・ダーン、嫌味たっぷりに毒づきながらもマーチ家を見放さない裕福な伯母を演じるメリル・ストリープの重厚な演技も見応えがあります。出来ればオスカー賞レースの前に鑑賞したかった作品です。
そういえばエンド・クレジットを見て気づきましたが、作中に登場するアンティーク小道具にはメリル・ストリープの所蔵品も使われているようです。
素晴らしいストーリーと映像美
昨日のランボーに続き、映画の一気観。
今日はガラリと趣向を変えて、若草物語。
事前のレビューで「オスカー作品候補」、
「時間が行き来する」の情報を仕入れておきましたが
お陰様で期待以上に楽しめました。
まず、オスカー作品賞はこれで良かったのでは?
パラサイトとは比較になりません。
物語のストーリー、展開の美しさ、4姉妹の
見事な演技力に、美しい映像美。
間違いなくオスカー級の作品でした。
登場人物が多く、時間も行き来するので
一回で吸収し切れた気がしませんが、
家族の素晴らしさ、特に兄弟っていいなぁと
思わせる丁寧な描写が素敵でした。
ピアノの音色も心にジーンと来るものがありました。
特に最後のシーンで男性が弾くピアノには
涙がこぼれました。
同時の女性の立場と、現代の黒人の置かれている
立場が、何となく重なります。生まれた時代を
憎むのではなく、その時に何が出来るのか考えさせ
られる映画でもありました。
今を素敵に過ごす4姉妹とお母さんに、拍手👏
全295件中、121~140件目を表示