ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語のレビュー・感想・評価
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映画館へ行くことにまだ二の足を踏んでいらっしゃる方へも、この映画だけはお勧めしたい。
映画館で観れて本当に良かった❗️
心からそう思える作品でした。
すべてが可能な限り丁寧に描かれているのですが、そのすべてが冗長さに陥る一歩手前までで、次の展開に移るのです。極めて技巧的なのに、極めて自然な流れの中で、我々はすべての登場人物の心に触れた気になれます。
例えば、お隣の富豪のお祖父さんは、重要な役割を果たす人ではあるのですが、あくまでも脇役です。なのに、鑑賞後も主要人物たちとそんなに変わらない強さで印象に残っているのです。この人のベスへの思いを想像するだけでも、泣けてきます。
主役級の大物女優エマ・ワトソンもまったく違和感なく引き立て役を演じています。それでも主役を食わない程度には存在感があって、でも、決してそれ以上ではない絶妙さ。
個人的に一番ツボだったのは、ラスト数分の本が出来上がっていく工程の描写。
思うようにならないことばかりでも、ひとつひとつ積み重ねていくことで、なにがしかの形が出来ていく。
ページの切れ端のギザギザの切断面を揃えていくのも、糸で綴り込んで製冊していくのも、そのすべてが色々な人生が交錯していく様と見事にリンクしていました。それを見届けるかのようなシアーシャ・ローナンの表情は、誰がなんと言おうと、映画館のスクリーンで見るべきだと私は断言します。
【追記】
昨今のアメリカやヨーロッパにおける黒人差別への抗議活動のニュースなどを見聞きしている中で、この映画を見ると、ちょっと綺麗事過ぎるとか、限定的な階級に属する人たちの世界の話として、消化し切れないという受け止め方もあるような気もしたのですが、ローラ・ダーン演じる母親のように、宗教への敬虔さが深い慈愛に繋がることも理解できるわけで、そういうことを知ることができた、ということにも十分意味があると私は思いました。
【女性が幸せになる道は、裕福な男との結婚だけではない。信念を持つ美しき若草達が成長していく姿に魅入られる。小説家を目指すジョーがグレタ・ガーウィグ監督の姿とダブって見えた、多幸感溢れる作品でもある。】
ー米、南北戦争時代を背景に個性溢れる4姉妹の成長する姿が素晴らしい。-
■今作品が素晴らしいのは、
・4姉妹一人ひとりの気質が丁寧に描かれている所と若き俳優さん達の溌溂とした演技である。
・そして、キャスティングの妙。
途中から、役名=実名で美しき彼女たちの姿を見ていたほどである。
・彼女たちが様々な軋轢、恋に悩みながらも、一人の誇りある人間として成長していく姿を南北戦争を背景に、少女時代と7年後を重層的に描くところも素晴らしい。
■印象的なシーン
・長女:メグ(エマ・ワトソン:安定の演技である。)
家庭教師のジョンと出会い、結婚した7年後、お金に不自由する姿。ジョンが”僕は甲斐性無しの旦那だね・・”と寂しそうに呟く姿を遣る瀬無い想いで見つめるメグ。
ーこの作品が、決して”ハッピー”だけを描いているのではなく、成長する過程で、苦い経験や、若き日の選択を後悔する場面も描いている事が良く分かる。ー
・次女:ジョー(シアーシャ・ローニャン:最早、素晴らしき女優の域に達している。)
冒頭、出版社に原稿を持ち込んだ際の、編集者との遣り取り。そして、7年後、”若草物語”を持ちこんだ際の、自信溢れる言葉の数々と署名のアップ。
-彼女も”ある選択”を後悔するのだが、家族(特にローラ・ダーンが演じた母)の支えで乗り越え、幸せを掴む場面(お相手は"ルイ・ガレル"じゃないか!)と、ローリーへの想いを吹っ切り徹夜で”若草物語”書き上げるシーンはこの作品の白眉のシーンの一つであろう。-
・三女:ベス(エリザ・スカレン)
ピアノが好きな、控えめな女性。その性格から皆から愛される。隣人の資産家ローレンス(クリス・クーパー)からは特に愛され、ピアノを贈られる。
-地味な存在として描かれるが、彼女が奔放な次女と4女の梯となっているのは観れば分かる。心中で勝手に”聖母”と命名する。-
・四女:エイミー(フローレンス・ピュー:近年の2作で、一気にスターに・・。)絵を書くのが好きで勝ち気、ちょっと意地悪な所もある魅力的なお転婆娘。
ー彼女が、ローレンスの息子ローリー(ティモシー・シャラメ)への想いを”好きな人の二番目は嫌なの!”と言い、去るシーン。辛いよなあ・・。でも、その言葉を言えるのは立派だなあ。-
・母(ローラ・ダーン)の博愛精神に満ちたクリスマスの朝の行動。それを見ていたローリーの計らい。
ー地味だが、”この母にしてこの娘たちあり”が分かるシーン。資産家ローレンス家の人々の気質も分かる。-
・昔気質の叔母(メリル・ストリープ)の姿。旧弊を象徴する人物として描かれるが、存在自体が、”インパクト大”である。
・南北戦争時の時代の移ろいの描き方。
序盤は”ホワイティ”だが、後半では”自由黒人”と思われる人々が描かれている。
<グレタ・ガーウィグ監督が、芸術と恋を両立させようとする稀有な女性を、自らとダブらせて描いたと思ってしまった作品。
当時の意匠、衣装も素晴らしく、人間性肯定の姿勢で描いた内容も実に爽やかな、多幸感溢れる作品でもある。>
現代的な視点から『若草物語』を語り直した快作
傑作青春映画『レディ・バード』のグレタ・ガーウィグ監督による長編2作目は、
古典『若草物語』を現代的に解釈し、
見事な脚色でアップデートした、愛すべき一本でした!
19世紀のアメリカを舞台に、貧しくも幸せに暮らす四姉妹の姿と、彼女らのその後を、
次女ジョーの視点を中心に、時系列を入れ替えながら描きます。
女性にとっての幸せに主眼が置かれた本作ですが、
「結婚のみが女性の幸せである」という古い価値観自体は否定しつつ、
「愛する人と人生を共にすることの尊さ」も丁寧に描いた
監督の優しいまなざしが、私には非常に愛おしく感じられました。
自信なさげに小説を見せ、安い原稿料で売り払うOPと、
自分の作品の価値を高らかに宣言するEDの構成、
三女ベスの行末を案じたジョーが階段を駆け下りる、2つの場面の対比などなど、
呼応しあうシーンを随所に散りばめた演出もお見事。
過去と現在をせわしなく行き来する作りに若干の戸惑いを感じたものの、
このような語り口を選択した監督の意図が、しっかり伝わる作りになっています。
原作の内容を押さえていた方が物語を飲み込みやすいのは間違いないですが、
原作未見の私でも十分楽しむことができました。
シアーシャ・ローナン演じる主人公ジョーのエネルギッシュな魅力、
ローラ・ダーン演じる母親の、どんな時も為すべきことを行う気品の高さなど、
豪華キャストによるアンサンブルはどこを取っても一級品なのですが、特筆すべきは、新進気鋭の女優フローレンス・ピュー。 ⠀
前作『ミッドサマー』では「心に孤独を抱え、自分の居場所を探し求める」主人公を演じた彼女が、
幼さゆえにわがままな自分を抑えられない四女エイミーを見事に体現しています。
彼女が、ジョーに対して長年感じてきた負い目を吐露し、
自らの思いを打ち明けるシーンは、今作屈指の名場面でした。
語り口によっては時代遅れと捉えられかねない、難しい題材に、
ガーウィグ監督独自の作家性をごく自然に盛り込んでみせた本作は、
間違いなく現代に語り直す価値のある、素晴らしい作品でした。
巨匠アレクサンドル・デスプラによる美しい音楽を堪能するためにも、
音響の良いシアターでの鑑賞がオススメです!
確かな手腕
超久々の劇場鑑賞、やっぱりいい。 そして本作も抜群に良かった。 四...
超久々の劇場鑑賞、やっぱりいい。
そして本作も抜群に良かった。
四姉妹のお話、それぞれの思いが絡み合う。何度も映画化されてるのも納得。話が面白い。
主演の次女、素晴らしい。顔といい、性格といい、ちょっとクワバタオハラが入ってた(笑)
長女エマ・ワトソン、もはや大女優ですね。三女の天使、四女の曲者もやるやる。そして、母親ローラ・ダーン、まだまだ綺麗。真打ちはメリル・ストリープ、その存在感は流石の一言。
キャスティングもお見事でしたが、構成、演出もお見事。全く長時間飽きなかった。そして迎えるある意味謎の大団円。
これ、アカデミー独占してても良かったくらい。良い作品にめぐり逢えました。
スクリーン2 座席K-13 鑑賞人数4人 まだまだコロナ禍の影響ありですが、おかげでゆったり鑑賞できました。靴下脱いでも影響なし(笑)
シアーシャとフローレンス
時間軸の往来が好きです。そういう構成の作品とは知らなかったので、とても新鮮で今に通じる現代性があって、素晴らしい映画でした。衣装も自然も家具も何もかも凝っていてよかった。どの映画でも、真っ直ぐに前を見る、シアーシャの目の強さが好きです。執筆生活は体力を奪う、だから、エイミーから肉もらえ!と思ったほど、ちっちゃい顔で細かった。そして!そのエイミー役のフローレンス・ピュー、上手い!すごくいい!ドスの効いた声(当時の女性はわざとか無意識か、男性の前では高い声で話していたのではないだろうか)、わがまま、ヤキモチ、泣く(泣き顔見るとミッドサマーに行ってしまいそうで自分を抑えるのに苦労した)。衣装のせいもあり、立派なガタイ。ミッドサマーの最後の方の「花ゴジラ」状態でした。でも、これからも見ていきたい女優さんがまたできて、嬉しい!ティモシー・シャラメ、初見!美しい!でも、それより四姉妹と子犬みたいにじゃれ合ってる姿が可愛くて、こういうのが出来る役者さんはすごいな、と思った。個人的にはニューヨークでジョーの作品を酷評した彼の方が私は好きかな~。
シアーシャが出るからこの映画見ました。公開が延期されたので本当に楽しみでした。
何本も映画化されている原作なので、暗い背景、エイミーが鼻の低さ気にして洗濯バサミの場面とかがまたあったら、今のこの時代に若草物語を映画にする意味ないだろな、ちょっと心配、と思ってただけに、気持ちよく裏切られました。ありがとう😊
若草物語はいい!
ティモシーシャラメが一番美しい✨
昔から大好きだった「若草物語」をグレタ・ガーヴィグのテイストで映画化と聞いてずっと楽しみにしていました。
ファッションや屋敷の調度品など、可愛くてノスタルジックで素敵。ただ、肝心のストーリーは時系列が終始忙しく入り乱れるため、物語では大切なシーンがさらっとしか描かれていません。そこがちょっと残念です。
四人姉妹は皆個性的で、サル顔だったり男顔だったり(失礼)昔の美人の基準とは随分変わりましたね・・・
一番美しいと感じたのはローリー役のティモシー・シャラメでした。
そして最後にフローレンス・ピュー。
若いのに演技がうまく、低い声が素晴らしい!最初に見たとき容姿は「ん?」という印象でしたが、今注目の女優というのも納得しました。
コロナ自粛解除後の映画にふさわしい作品で、行って良かったです!
現代風にアレンジされとても見やすい
若草物語との初めての出会いは小学生の時にアニメで見た記憶。そこから何度かいろんな形で目にした事があるが、その時その時で印象や感想が微妙に変わり楽しめる。今作も原作でいう2章にあたる部分を執筆中のジョーと4姉妹が大人になり幸せだった時期の回顧シーン繰り返しながらストーリーは進んでいく。
全てを2時間でまとめて描いてる訳ではないため、彼女らの心情描写などが丁寧に描かれていて非常に感情移入しやすく見易さがある。
個人的には1時間くらい過ぎたあたりで若干中だるみは感じてしまったが、後半のテンポの良さは引きつけられた。
人生は辛い事もあればその分幸せな事もある。ありきたりなこの言葉で僕は辛い時は乗り越えてきてるわけだが、この作品を見てると改めて感じさせてくれる。
そして同時に、人は生きていくうちに考え方や価値観は時間と共に変わっていき、より現実的な幸せを選択できるようになり、それが決して悪い事ではない事を改めて実感させてくれる。僕自身年齢的にも色々と考え方や価値観が変わりつつある真っ只中なだけに自己投影しながら楽しみながら観ていたりもしていた。
この作品のジョー達の人生はまだまだこれから先も長く、この後も良くも悪くも波が原作では待っている。
この世界のジョー達のこの後もまた描いて欲しいと最後に思いながら映画館を後にした。
言うほどいいですか?って感じの作品。
まず、はじめに、この作品がなぜこんなにも高評価なのかが謎。古典作品で有名だから?キャスト陣が豪華だから?
綺麗事より、むしろ人間の汚い部分などが映し出される物語が好きな私はこういうのは、斜めに構えてみてしまう。私は擦れてるのか。
むしろインディーズ映画でももっと美しく素晴らしい良作は沢山ある。そういった作品を観てきたため、言うほど良いですか?って感じ。見終わったあとも特に何も残らず映像と衣装が美しかったなぁ思っただけ。パラサイトの方が何倍も後引きました。
人々の価値観や感性ってみんな違うんだなと。改めて思います。
●良いところ
キャスト陣が豪華。そして、音楽や絵画のように美しい景色、インテリア、映像
確かに美しい、制作にお金をかけているのもわかる。
劇中の台詞の90%が原作小説に書かれたものまたは、ルイザ・メイ・オルコットの綴った手紙や日記からの引用なんだとか。ってことは、原作が書かれた時代と現代の私たちが考えていることや、行動って昔と何も変わっていないんだなって。
●マイナス部分
女の幸せは結婚じゃないと散々言っておきながら、結局は結婚したジョー。最終的にやっぱり結婚って幸せなんですよっていう価値観を刷り込まれているようで、ガッカリ。(マジでどうせなら独身貫いて欲しかった。
幸せの形って人それぞれで、
特に女性は妊娠出産といった大イベントがあるためにキャリアなども含めてなかなか思い通りにならないこともある。
女性は結婚して家庭に入るのが幸せなことだとされていた一昔前とは違い、現代はバリバリ仕事して一人で自由に生きたい人もいるし
夫はいらないけど子供は欲しいと思う人もいたり
夫婦二人で幸せという人も(同性婚も認められているし)
いたり。
幸せの形に正解なんてなくて、それぞれが自分の幸福を追求できる時代に生まれたこと、幸せなことですね。
母親役のローラ・ダーンの存在感と演技力に個人的には拍手!
“強い魂”
んん…!!
シアーシャ・ローナン&グレタ・ガーウィグの再タッグが、「レディ・バード」超えの傑作を生み出した…!!
今年の個人的No.1映画になる気がする…。
物語は現在と7年前を行き来しながら進む形になっていて、観る側は4姉妹たちが過去と現実とのギャップに対して折り合いをつけていく様子をシアーシャ・ローナン演じる次女・ジョーの視点から繊細に体験する。
この過去と現在の交錯がめちゃめちゃすごい。すごいし、上手い。
過去の記憶は、いわば“少女時代”の象徴として描かれていて、各々の悩みを孕んだ現在の生活とは対照的な印象を与える。これには過去のシーンに暖色系の色調を、現在のシーンには反対に寒色系の色調を使っていることも大きく寄与していて、過去と現在との対称性がより色濃く映し出されている。
そんな暖かな記憶の中の4姉妹は“家族愛”の心とそれに裏打ちされた“隣人愛”の精神とを健気に育み合い、貧しくも幸福に暮らしているわけだが、これが、本当に、演技だとは、思えないくらい、上手い。4人とも4姉妹の生まれですか?なんでこの4姉妹のごちゃごちゃとした感じが出せる?別に競い合って演じてる風でもなく、淡々と捲し立て合っている。どのセリフからも「4人でいれば怖くないよね」って聞こえてきそう。
その一方で、現在では“女の結婚は経済問題”というセリフに代表されるような、切実な不安や悩みが生まれ始める。そこには郷愁の思いが入り混じっていて、変わりゆく環境の中で過去とのギャップに苦しみながらも、その葛藤は万感のフィナーレへと徐々に解けていく。
過去シーンと現在シーンとの交錯が後半にいくにつれてより緻密になっていくことが観る側に自然とその心の隙間が埋まっていくのを感じさせる演出も上手い。(ただ少し複雑すぎて混乱してしまうかも?)
と言いつつも、兎にも角にも、
走るシアーシャ・ローナン。踊るシアーシャ・ローナン。笑うシアーシャ・ローナン。シアーシャ・ローナン。シアーシャ・ローナン。
細かい話抜きでそれだけのために観ても十分なほどの魔力ある演技。すっごいよ。
そんなシアーシャがティモシー・シャラメと口論するシーンはこの映画のハイライトと言っても過言ではない。美と美の衝突はまるで七色の火花が弾けるよう。
ありふれた時間が愛しく思えたら
それは愛の仕業
4姉妹による「自分らしく生きる」決意と選択
南北戦争時代の19世紀中頃、マーチ家の個性豊かな4姉妹が織りなすそれぞれの形。若草物語の映画化である。
「若草物語〜Little Women〜」は1933年のキャサリン・ヘップバーン版、1949年のジューン・アリソン版、1994年のウィノナ・ライダー版と何度か映画されており、今回も豪華俳優陣にて映画化されている。
今回のグレタ監督版は古い物語でありながらも、現代の女性でも共感出来る様な内容には監督力量を感じさせてくれるし、女性監督として第一線で活躍する理由も納得である。
俳優の話をしよう。
4姉妹の次女であり、実質的主人公と言っていいジョー役に「レディ・バード」のシアーシャ・ローナン。
今回の映画化を知り、「ジョーは私が演じる必要がある❗️」と監督に自分を主張したらしい。(主張の仕方が凄いよね😅)
今となっては普通だが、1人の女性が作家を目指す姿には共感出来るだろう。アカデミー主演女優賞ノミネートも納得✨
彼女の他にもう1人助演女優賞にノミネートされた凄い女性がいる。
四女を演じたエイミー役のフローレンス・ピューである。
前撮影映画「ミッドサマー」の撮影終了直後、こちらの撮影に直行したが、リハーサルに間に合わずぶっつけ本番だったという。
しかし、この映画での圧倒的な存在感。こちらは助演女優賞を受賞していてもおかしくないくらいの演技である。
この2人が4姉妹、いやマーチ家、いやお隣さん家まで引っ張るかの様な物語にはNHK朝ドラの様な何となく観続けたい魅力がある。
自分達マーチ家も決して裕福では無いのにクリスマスの日に貧乏なお隣さん家に食事を分け与えるシーンや、娘を亡くしたMr.ローレンスの元にあまり行動的では無かった三女ベスが行動に移すシーン(そして更に行動が広がる。しかし、、、)などには観客も心揺れ動くはずだ。
「女にとって結婚は経済問題」だったこの時代。
彼女達の行く末はマーチ伯母であるメリル・ストリープの言う通りになってしまうのだけれども、彼女達はそれを真っ向受け入れながらも、更なる新しい時代へ扉を開けるのだ🚪
いやはや、よく出来た物語✨
現代に甦った名作、是非とも映画館にて彼女達の「風」を感じて頂きたいと思う🎞
ガーウィックは、オルコットと自分自身のジョー像を見事に描いてみせた。
本作は、アカデミー賞脚色賞を『ジョジョ・ラビット』と競って、結果として賞は『ジョジョ〜』が獲得しました。どちらも原作に基づいた劇映画として甲乙付けがたい内容でしたが、本作は恐らく原作の読者を前提とした語り口であったことが評価の一つの要因となったのでは、と思います。
本作はもちろん、上映時間の都合上、取り上げる出来事は刈り込んであるし、時間軸も大胆に操作していますが、基本的には原作の諸要素に忠実です。もっとも、原作の筋自体は大きく変えない一方で、ガーウィック監督は結婚に幸せを見出すのか(メグ)、自分の道を突き進むのか(ジョー)、という重大な選択の場面で、かなり思い切った展開を提示しています。この展開には、ガーウィック監督自身の経験や価値観、そして原作者のオルコットの意志が強く反映されていることは間違いなく、少なくとも表面的には『若草物語』の世界観を壊さずに非常に現代的な視点を織り込んでいく手法にはとても感心しました。
あからさまな「神の視点」で語られることはないものの、本作が『若草物語』内世界に留まらない超越的な(メタ的な)視点を含んでいることは間違いなく、その点で邦題を、原題通りの『若草物語』ではなく、今回の表記とした配給側の判断も素晴らしいです。
リトル・ミス・サンシャインを観た後の自分の感覚と似てた気がする。 ...
リトル・ミス・サンシャインを観た後の自分の感覚と似てた気がする。
泣いたり笑ったり、切なくなったり・・・グレタ組最高です。 みんな演技が素晴らしい!
シアーシャローナンの作品は、個人的に当たり外れがあるけど、これは彼女だからこそ出来た作品だと思った。 一番好きなシーンは、髪を切ってお金をお母さんに渡したあと、泣いちゃうところ。
ジョーは、とても勇敢で一生懸命で強い心を持っているのに、根はすごく繊細で、自分に自信がなかったりして、そんな人間らしいところがとても愛くるしい。 周りにいつも姉妹がいて、みんなそれぞれの道を歩んでいって、大人になった時に感じる「愛されたい」という感情を素直に口に出せる純粋さにキュンときた。
たった2時間で、しかもただただ一つの家族とその周りの人たちの話をしているだけなのに、この時代に生きている自分にも共感できる普遍的な要素があったり、出逢いや別れ、大切な人たちとの他愛ない時間の美しさが力強く映し出されていて、とても濃い作品だった。
原作の内容を全く知らなかったけど、ずっと愛されるワケがわかった。
脚本も面白くて、その時の思い出と現在をバランスよく行き来して、主人公と同じように感情移入させてくれるところもとても観やすかった。
あとはもう、ティモシーくんがほぼほぼ目の保養と化してしまった。笑 お美しい。
あの、一途なプレイボーイ感が可愛くてたまらん。
今の苦しい時期だからこそ、大切な人と過ごす時間を大事にしていきたいと思わせてくれる。
人間の優しさが全部詰まった作品。
P.S. なんで映画のタイトルをこれにしたんだろう・・・笑
2/3 試写会
不機嫌なジョーは、感情溢れ満たされる傑作。この作品に恋に落ちた、すべての瞬間が愛おしい。焦燥も涙もそして笑顔も --- こんなにも豊かな情感に温かさで心揺さぶられるなんて、かけがえの無い余韻に包まれる。ジョー役シアーシャ・ローナンの名演技は特筆に値する。《表現》者グレタ・ガーウィグが監督した作品(『レディ・バード』)はもちろんのこと脚本/出演した作品を見ても女子が羨ましいと思うことがよくあったけど、本作は時代性によって抑圧・画一視された《女性性》とそれでも押さえることのできなかった自由への渇望を若者に寄り添った瑞々しい感性かつ、彼女自身文学にも精通し本作では多くのベテランも起用した玄人というより苦楽や痛みを知る大人/保護者寄りな温かな視点で描き切る。結婚することだけが幸せとは思わないけど、やっぱり孤独を感じるし愛されたい。唯一気になったのは昔と今が交互に行き交うストーリーテリングだったけど、それも途中から気にならなくなり、後半・終盤に差し掛かる頃にはそうしたアプローチこそが本作のパワフルさにも結実しているようにすら感じられた。故に、いくらかの古典は今日でも十二分に通ずる普遍さ・メッセージ性を備えていて、今日に語り直す価値があると力強くもしみじみ思わせてくれる。『ナイブズ・アウト』に並んで去年から現時点で今年最も見たかった本作は、そんな高い期待を優に越えてくる素晴らしいものだった。今解き放たれる人生豊かにする本物の映画の魔法。見た多くの人にとって特別になるだろう。また見たい、何度でも何度でも頁をめくるように。
痛いほど分かる --- メグ、執筆ジョー、絵画エイミー、音楽ベス、そして近所のローリー"テディ"にフレデリック、誰もが魅力的で共通性がある。性別こそ違えどジョーにも少し自分を見出せたし、けどやっぱり自分はエイミーかなぁなんて思う瞬間もあった。鈍臭さも向こう見ずな所も負けん気強くて勝ち気な性格も不貞腐れたり意固地になったり。それはやっぱり感情の機微にしっかりと寄り添い向き合ったグレタ・ガーウィグの脚本に出演者と信頼関係を築いたであろう演出の賜物でありつつ、キャストも皆素晴らしい好演・名演によるアンサンブルを奏でている。それを更に押し上げ世界観・没入感を際立たせるべらぼうに光り輝く《衣装》もまた広く評価されるべき、撮影も音楽も良い。とりわけ(毎度ながら)シアーシャ・ローナンとフローレンス・ピューの演技は圧巻。そう、この二人こそ上述したように特に共感を覚えた二人だ! 個人的にシアーシャ・ローナンは最も好きな役者の一人であり、メリル・ストリープに匹敵する名女優だと確信してきたので、今回そんな二人の初共演(多くはないけど...?)見られて良かった。相棒/盟友シアーシャ・ローナン × 旦那役?ティモシー・シャラメは、エマ・ストーン × ライアン・ゴズリング、蒼井優 × 池松壮亮に並ぶ名コンビ(あとクリステン・スチュワート × ジェシー・アイゼンバーグも?)。他にも母親役には『マリッジ・ストーリー』のノリノリな弁護士役とは打って変わってのローラ・ダーン、父親役にはボブ・オデンカーク、そしていい味を出すテディの祖父でベスと通ずる隣人クリス・クーパー。往年のジェームズ・アイヴォリーがジェーン・オースティンを映画化したみたいな雰囲気、とでも言うか、安直な表現になってしまうが最高。他人事も私事にしてしまう。自分の感性刺さりまくり琴線触れまくりということもあるけど、それ差し引いたところでやっぱりグレタ・ガーウィグは今最も目が離せない映画人だ、確約/保証しよう。自分もうだうだ言ってないで書こう。
にしてもやっぱりワンダイが歌い出しそうなこの邦題は...苦笑
キャストさんや、景観が美しいです。
タイトルなし
作家ルイーザ・メイ・オルコット
名作「若草物語」
オルコット自身の幻影でもある主人公ジョー
上巻は可能性は無限大だと信じていられた姉妹たちの少女時代
下巻は大人の厳しい現実が書かれている
この映画は
四姉妹の次女 作家ジョーのストーリーが
上下巻(今と幼少期)を別々のタイムラインで並べられている
.
『私たちは道を歩く時はいつも小さかった頃の自分と一緒に歩いている。いつも自分たちがなりたかった自分を今の自分に融合させている。』
グレタ・ガーヴィグ監督のそのアプローチに
最初は戸惑いも感じたけれど
だんだん惹き付けられ引き込まれていく
.
誰しも思い出す子供の頃の記憶
人生には痛みも伴う
四姉妹…献身的な母・父・友達…
それぞれの世界観・人生観
自分を誰に重ねて観ようか…
殺伐とした映画ばかりの世の中に現れた、一輪の花のような作品。
こういう映画を待っていたんだ!!
人と人が愛し愛される映画って最高!
『ジョーカー』とか『1917』とか、人を騙したり殺したりする殺伐な映画がアカデミー賞候補になる中、この作品だけは違った!
心の底から相手を想いやれる、愛で溢れた映画でした(^^)
これは今の時代だからこそ、心に深く突き刺さるメッセージが盛り沢山!
同じ女性として、仕事や家庭や結婚などなど、将来のことで悩む彼女たちの姿に心打たれまくりました!
若草物語のあの4人の姿が現代にそっくりそのまま蘇ったかのような感動…!
開始早々から、映画の楽しさに引き込まれて、ずっと観ていたいと思ってしまったほど(笑)
特に、シャーシャローナンちゃんの満点の笑顔にもう釘付けでした
(*☻-☻*)
彼女はこれまで本当にいろんな役をやってきたけれど、どれも共通して言えるのは、1人の人間としての生き方を確立していということ。
女だからとかではなく、自分はどうあるべきかどうしたいのか悩み苦しみながや、信念を持って行動している姿が本当に大好き!
同じ女性として、共感したくなる部分がたくさんあるところが魅力的な要素の一つ。
これからももっと天真爛漫な人柄を数多く演じてほしいと思いました!
対するフローレンスピューちゃんの、オテンバな妹役はもう歳最高!
姉の行動に興味津々で、どこまでも姉に嫉妬心を燃やしている感じがとてもリアルで最高でした。
よく姉妹あるあるで、お姉さんに対抗心を燃やす妹って多いけど、その役がとても板についていて最高でした!
若草物語と言えば、やっぱりジョーとエイミーの話なので、そこの部分を中心に話の展開が進んでいくのはとても良かったです!
この映画はまさに、2020年の今の時代にふさわしい!
4人の少女たちが、将来の自分に悩み苦しみながら成長していく姿は、現代の女性の将来の悩みに通じるものがありました。
結婚か、仕事か。
お金持ちか貧乏人か。
独身か、パートナーか。
何が正解なんてない、自分が何を重要視して、どう生きたいかを考えている。
自分にとっての一番の幸せって一体何なのか?
彼女たちの生活を通じていろんなことを考えさせられました。
一つ言えるのは、みんなどんな選択をしたにせよ、幸せだっていうこと。
幸せの形って人によって違うからこそ、人生の選択って多彩だなと思いました。
大好きな出演者が豊富の今作!
アカデミー賞にもノミネートされているので、期待大です!
個人的には早くも今年の作品に出会ってしまった感じ(笑)
このまま、賞を受賞してくれたら最高に幸せです(^^)
素敵な映画をありがとうございました
(〃ω〃)
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