「確かに「誰も読まないような話」なのに面白い」ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語 Scottさんの映画レビュー(感想・評価)
確かに「誰も読まないような話」なのに面白い
オープニングでシアーシャ・ローナンの小説が採用されるんだよね。それで嬉しさ爆発で走る姿が映されて「この人、幸せになって欲しい!」と思うの。
そこから順に登場人物が紹介されて「エマ・ワトソンだ!」「お母さんが一番イケてる!」「お父さん愛されすぎ!」とか思いながら観てたの。お母さんSATCの人と勘違いしてたけど全然違うね。
すぐ思ったのは女性が書いた作品だなってことなの。男性の登場人物が、すごく都合良く動く。理想的な男性なの。魅力はあるからいいんだけど。
それで、女の人が観たら「女性の登場人物がすごく都合良く動いてる」って作品も多いんだろうなって思いました。
ジョーがニューヨークで作品を批判されて逆ギレするところは、批判って難しいと思ったな。才能があると思うから厳しいこと言うんだけど、それ受け入れてもらえないよね。
途中で「女性の結婚は経済問題なの」みたいに、女性問題の台詞が入ってくるんだけど、そこは説明台詞っぽくてちょっと浮くのね。翻訳の問題なのか、原作でも浮いてるのか。敢えてやってる感じもしたな。
ジョーがベスの死後に小説を書くところは良かった。これだけ取り憑かれたように書けるなら、あとは技術的な問題だけだからね。みんな何かを書こうとして「書けない……」と苦しむんだろうし。
その作品もボツになりかけるんだけど、出版社の娘さん達が「読みたい!」って言って出版決まるのいい。
そこからジョーの結婚話になるんだけど、シナリオのレベルを下げて「ソープオペラかよ!」ってやるのが面白かった。出版社の意向で強引に結婚させてるからってことなんだろうけど、ここは原作でもレベル下がってるのかな。
面白く最後まで観たんだけど「なんで面白いんだろう?」と不思議な気分だった。四人姉妹を丁寧に追いかけてるところがいいのかな。「なんで面白いんだろう?」という謎を解くために原作も読んでみようと思ったよ。原作未読で映画観ました。
脚本・監督は《レディ・バード》の人なんだね。シアーシャ・ローナンとコンビ再びだったんだ。面白かったから、またコンビ組んでやって欲しいな。