「5/6までは名作、残りの1/6は凡作」ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語 もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
5/6までは名作、残りの1/6は凡作
①トーキーになってから確か4回目の映画化。原作(特に第一作目)が名作なので余程下手を打たない限り(下手な演出、脚色、演技)そこそこの映画になる題材だが、今回は半ば過ぎまでは現代の名作誕生か!と感心した。子供の頃に読んだ『若草物語』を思い出して「そうそうこんなエピソードもあった。この名場面もちゃんと織り込んでいる」と泣かせてくれたが、残念ながら最後は失速してしまった。何故だろう。②『続・若草物語』を現在進行中の話にして、『若草物語』を回想シーンにしている構成は悪くない。特に回想シーンはどれも良くできていると思う。③ローリーと結婚してからのエイミーがどや顔になったのが悪いのか。確かに後半はフローレンス・ピューがシアーシャ・ローアンを喰い気味でそれでバランスが悪くなったのかも知れない。④ヒロインが最後に結婚するか死なないと本が売れない、という原作が書かれた当時の時代相を皮肉ってジョーが結末を書き換えたという視点は面白いが、それが映画的に上手く処理されたとは言えない。⑤最後の学校のシーンは取って付けたような印象。突然平凡なファミリードラマの大団円みたいになってしまった。⑥上映時間145分は長過ぎ。映画が息切れしてしまったか、観ているこちらが飽きてしまったか。⑦ティモシー・シャラメはあの美貌には不釣り合いなくらいやはり上手い。あまり好きじゃないし、何処にでも顔を出すメリル・ストリープはさすがに老けたが、映画の重石には確かになっている。⑧名作になる一歩手前で転けてしまって残念だが、子供時代を思い出させてくれたので☆ひとつオマケ。