「真実は一つじゃない。」シェイクスピアの庭 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
真実は一つじゃない。
子供を喪った哀しさは、男系が途絶える辛さと混濁しシェイクスピアを襲う。真実を知らされたシェイクスピアは娘たちと向き合い、妻と向き合い、己の葛藤に終止符を打つ。
Second-Best Bed はアンと一緒に眠ったベッド。Best-Bedは"This field-bed is too cold for me to sleep"なんでしょ?そんなベッドでアンに眠って欲しくない。取り戻した絆を象徴するSecond-Best Bedを相続すると言う、可愛らしいジョークの意図は「死んでも心は君と共にある」。
ケネス・ブラナー、ジュディ・デンチ、イアン・マッケランの演技が素晴らしかったのと、ザック・ニコルソンの撮影!「スターリンの葬送協奏曲」「ガーンジー島の読書会の秘密」に続いて三作目ですが(俺調べ)、良いですね。大好きです。
燃え盛る劇場に重なるシェイクスピアの影。1本の蝋燭の灯りだけで暗い食卓を囲むスザンナ一家。暖炉と多くの蝋燭で照らされるシェイクスピアの夕食の場面。昼間で灯りもとらず薄暗い部屋で抱き合う男女。真っ暗になるまでサウサンプトン伯爵の帰りを待つ家族たち。日没後に別れを告げるハムネット。明暗を用いた表現のテーマ性。
離れ離れに座る三人を捉える壁際からの構図をはじめとし、画面を横方向に走る線を強調する静的表現。視点の高さに合わせる動的表現。庭は、おそらく息子(ハムネット)の視点の高さ。馬上から見下ろす高さ。等々。
もうね、この画だけでも大好き、って言いたくなります。
ストーリー的には、現代にも通じるところがあり。
全般的には、期待値通りで良かったです。
bloodさん、コメントありがとうございます。
ちょっとwikiで調べてみないとレビューが難しかったです(^-^;
仰る通り、こういった良質作品が増えることを願ってます。シェイクスピアを読みたくなりました❗でも多分読まない…