劇場公開日 2025年6月13日

「今こそが「現代の黙示録」なのだろう」地獄の黙示録 ファイナル・カット アベちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0 今こそが「現代の黙示録」なのだろう

2025年8月29日
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鑑賞方法:映画館

歴史的名作なので映画館で観させてもらった。遥か昔に家のテレビ(放映なのかレンタルなのか覚えていない)で1回観てたが、かなりいいかげんに見てたので後半の展開が訳わかんなくなくなったこともあり記憶の隅に追いやっていた。当時はただの若者で、特に映画ファンでもなくベトナム戦争のことも、政治やら経済にも興味もなかったから尚更である。それから40年以上もたち立派?な大人(というかただのジジイ)になり、少し映画通になってきたのでレビュー(下手くそだけど)も書けるようになった。
カンボジア奥地のカーツ大佐が作った帝国の中で、彼がウィラード大尉に語るシーンでベトコンを「完璧で純粋で一切迷いがない訓練された兵士だ」と称え「自分が彼らのような兵を持っていたらこの戦争はたちまち片が付いた」と言っていた。10年にも及ぶこの戦争はベトナム側では300万人もの死亡者を出しながら5万8千人のアメリカ軍を殺し北ベトナムが勝った。
私は少し前にベトナムに居住し仕事をしていたが、ベトナム人の「アメリカに勝ったプライド」はビジネスの中にも息づいているのではと感じることが何度かあった。そして、今日の経済発展は上手く日本や中国や韓国を利用して築いているのではないかと思う、。
それにしても映画制作された1979年で、この映画の迫力とリアリティは凄いと思います。キルゴア中佐が指揮したハチャメチャな戦闘シーンはナパーム弾の砲撃やヘリコプター爆破など度肝を抜かれます。又ベトナム戦争前のインドシナ戦争でフランスは負けて撤退していたが、その前から入植していたフランス人らに途中でウィラード大尉が出会い食事を共にし何故か未亡人とアヘンを吸い一夜を共にするシーンは(オリジナル版ではカットされてるんでした?)唐突感あるようですが、ベトナムの抑圧された長い歴史を垣間見れるようで良かったと思います。
さて、この映画の原題「Apocalypse Now」。直訳すると「現代の黙示録」となる。「地獄の黙示録」は日本が映画を売る為にインパクトを加えた邦題とのこと。だが、映画公開からこれだけ長い期間が経っても世界では戦争は絶え間なく続いている。為政者が作り出す「正義とか大義」はすべて偽物である。コッポラ監督が新作公開に併せリバイバルのリバイバルでこの作品を劇場公開させたのは今こそが「現代の黙示録」だと言いたかったからなのかも知れないですね、。

アベちゃん
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