劇場公開日 2025年6月13日

「新作のように観てしまった」地獄の黙示録 ファイナル・カット naokiさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0新作のように観てしまった

2025年8月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

興奮

驚く

取り憑かれた映画と申しましょうか、この映画との出会いは小学生の頃、日本ヘラルド提供の日曜9時ドラマのCMで見かけました。顔にペイントを施したランスのアップにカーツ王国でのカヌーに乗った現地人のお出迎えを見て子供心に衝撃を覚えました。親に映画館へ連れていってもらえませんでしたのでモヤモヤ感が残りました。街行く大学生らしき方が友達同士で「コッポラの黙示録、最初は面白いけど後半は訳わかんないよ」話しておられました。
それから数十年後「特別完全版」をワーナーマイカル系の映画館で観る事ができました。ほぼ満席で、この映画をどうしても観たいという観客の熱気を感じました。観た感想は最高でした。サントラCDを買い特別版DVDボックスを購入し結構ハマりました。
数十年後コッポラは特別版は無かった事にしてファイナルカット版で新たにIMAXで公開しました。私はどういうわけかDolby Cinemaで鑑賞したのですが、これが今ひとつでした。コロナ渦のせいか館内は私の他に数名で、これなら特別版を観たときのワーナーマイカルの方が良かったなぁ。たぶんプロの方が観たらカーツの影が黒階調で美しいなんて賞賛されるが私には響かなかった。そしてIMAXで観なかった事を後悔しました。

5年後、コッポラの新作「メガロポリス」公開を機に黙示録IMAX版が期間限定で公開される事となりました。待ちに待ったIMAX版ですが半分、私の心は醒めてました。「臨場感はワルキューレの奇行シーンぐらいでしょ」「撮影監督はV・ストラーロだけどコッポラ映画が強すぎて(ストラーロ風)映像は影が薄いなぁ」しかしIMAXの大画面に映像、音響に圧倒され私の思い込みが覆りました。
サイゴンでのウィラード大尉、街行く人々の声が聞こえる。シェフとマンゴーを探しに行くジャングルの緊迫感(何か言いようの無い音圧)。
河川哨戒艇が段々と戦場に近づいてくる臨場感。
遠くから聞こえるベトコンの挑発。
カーツ王国での出迎え(重低音のリズム)。
雨の音がサーと消えて静寂となるエンドシーン(初公開時はクレジットカットしたのは頷ける)。
なぜ、この映画がIMAXと相性がいいのかと調べてみると当時で世界初の6チャンネル(だったかな)を採用した音響効果だった訳です。

初公開時にカットされたプランテーション(フランス人入植者の農園)は正にストラーロの画面でした。
女主人ロクサンヌ(オーロル・クレマン)がウィラードに阿片をすすめるシーンは、まさに「ラスト・エンペラー」のようでした。
プランテーションを守っているユベール(クリスチャン・マルカン)との会食シーンでの論争は特別版で観た時は、はーんという感じでしたが今回は見入ってました。
「ベトコンを作り出したのはアメリカ人」
えっ!?じゃこの戦争の意義は?
それて対テロ戦争やイラク戦争でも言える事ですね。

この映画は、まだ戦争が絶えない世界で、いろいろな問いを投げかける作品です。
全編を通して見応えがありました。

naoki
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