「闇の奥から見つめるもの」地獄の黙示録 ファイナル・カット シネマディクトさんの映画レビュー(感想・評価)
闇の奥から見つめるもの
映画史に残る攻撃ヘリ部隊の奇襲シーン始め、西部劇を模したプレイメイトの慰問やカーツの異様な王国など、撮影監督のヴィットリオ・ストラーロの映像は妖しく官能的な魅力に溢れています。一口に戦場の狂気と言えば簡単ですが、主人公が川を遡上し暗殺のターゲットであるカーツを追体験することは、人間の本質の原点への回帰のようで、非常に内省的かつ難解です。結局、正気を保つために狂気に振れるのか、それとも元々狂気が本質なのか、川の上流の先にある闇の深淵の不気味さにふれたような気がしました。
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