WAVES ウェイブスのレビュー・感想・評価
全153件中、41~60件目を表示
立ち直れる方法がある??
高校生活をレスリングに打ち込むタイラー。彼の高校生活はバラ色のように思えるが、ふっと気づくとオピオイド(Oxycdone)を飲んでいるようだ、父親のキャビネットからそれを取り出している。これは衝撃!バラ色の人生は問題だらけになるのが目に見えているからだ。常習性のある痛み止めで、この常習で、マイケルジャクソン(?)やプリンスが死んでいる。それから、ガールフレンドが妊娠したようだし、タイラーはレスリングを休み肩の手術を医者に勧められる。シーズン中でスカラーシップをもらって大学に行きたいようでレスリングを休みたくないので、親にも誰にも言わず、一人でなやむタイラー ウィリアムズ。
下記のような問題点のなかで生きている高校生。
酒のみ運転、
ドラッグ(エクスタシーなどのカジュアルな)の常用
アルコールの常習、
富裕層に手に入りやすいもの
スポーツを動物のように扱うコーチ、
スポーツ優先ででスカラーシップをとって大学に入る
10代の妊娠
プロチョイス/プロライフ、ー生き方
家族の会話の希薄さ
暴力
SNSいじめ
司法の盲点(個人的見解ー18歳以下が刑務所で大人と一緒に扱われる。ガールフレンドが妊婦でもあり、三十年求刑)殺そうと思って殺してない(事故)が48歳まで務所暮らしをする。ータイラーの務所生活は描かれていないが、大人の受刑者と混じって、悲惨だと(暴力、恐喝、レイプなど?)思う。これで、タイラーはたちなおれるだろうか??立ち直らなければいけないのに。
2部のような続きがあって救われた。エミリーと父親が釣りに行って、二人が自分たちを曝け出すことにより、心の負担が軽くなって、次のステップができるるシーンが良かった。タイラーが起こした事故により、家族がバラバラになり、それぞれで悩むより、お互いが懺悔する方が、心の浄化になるし、今を考えて生きていかなきゃならない。この三人が団結する時なのだ。そうは簡単に問屋は卸さないが、父親の『だいじょうぶじゃない』という本心を告白するシーンが好きだ。エミリーの助言によって、エミリーのボーイフレンド、ルークは暴力をふるわれ、死期が近い父親にミズリー州まで2日かけて会いにいく。末期癌で喀血している父親はルークの胸元で泣く。『今までのことを許してくれ』とは言わないが、その意味をわかって抱きしめて赦すルーク。お互いに許し合い、癒される。それをみて、エミリーも次のステップにすすんでいけると。
スタイル重視で薄っぺらい映画
必要以上に派手な演出やポップな音楽が邪魔して感情移入できなかった。主人公の青年が愚行を繰り返す前半は特にげんなり。この映画のようにメッセージ性があるように見せかけて、真摯に何かを訴えかける姿勢が感じられない映画に嫌悪感を覚える。それと、レビューサイトであるフィルマークスが映画に出資するのはどうかと思う。
吐き出して飲み込む
青春時代の誤ちと再生の物語。と、そう言い切って受け入れて感動して終わり、とはなかなかいかない絶対的な気持ち悪さのある映画だった。
兄パートのとんでもない胸糞悪さを妹パートが見事に綺麗にカバーしてくれる。
前半のストーリーに全くノレず、いよいよ感覚が鈍ってきたかしらと悲しくなっていたけれど、後半があって良かった。
大きな亀裂が入ったとき、それを埋めるには時間と対話と外の世界が必要。
一度吐き出して、もう一度飲み込むこと。
ぐちゃぐちゃに踏みつけて、もう一度拾ってみること。
人生の常、人間関係の常なのかもしれない。
エミリーにルークがいて良かった。
崩壊した家族が少しずつ修復されていく過程が好き。どうしたって自分に重ねてしまうじゃない。
ルークと父のやり取り、エミリーと父のやり取り、夫と妻のやり取り、どれにも胸を打たれる。軽率に涙ポロポロ溢してしまう。
ただし、私はこの映画はかなり気持ち悪い作品だと思っている。
まず、被害者側への気持ちがどこまで行っても見えない。
どれだけ時間をかけてもどれだけ対話を重ねても、愛する人と再生する機会を永遠に奪われてしまった家族のことを忘れてはいけない。
アレクシスが妊娠したとき、彼女の家庭ではどんな言葉が交わされたのか。どんな気持ちで未来を決めたのか。
考えただけでゾッとする。
身勝手で自分本位で、それでいて可哀想ヅラをせんとするタイラーが終始嫌いでしかない。
そもそもなんかギラついてて怖いしうるさいパリピだしすぐ怒鳴るし、事件が起きなかったとしても一生関わりたくないタイプである。
演出のわざとらしさも鼻につく。
かっこいい音楽にかっこいい映像、弾け飛ぶような完璧なマッチング。それ自体はとても好き。
でも、本当にそれで良いの?という気になる。演出、合ってなくない?ウォウウォウ。ドヤドヤしてるだけになってない?ウォウウォウ。
車内をぐるぐる回るカメラ、高揚しきったタイミングで効果的に入るくらいじゃないとただ酔うだけなのよ。
ただの青春映画で終わらせないことが目的なら、かなりの成功作なのかもしれない。
事件が起こるまでを丁寧に観せることでありったけの重さを孕ませ、キラキラした空気を気味悪く感じさせる、そんな計算があるのかもしれない。
ドン引きレベルの罪悪感を負ったあとでも恋愛事には軽率にキュンキュンしてしまうので、なんだかんだ面白く観られたけれど。
記憶には残る映画だけど
それにしても長かった。ラスト10分がなかったらタイラーへの嫌悪感と悪感情だけが残るとこだった。きっと記憶には残る映画だと思う。
それにしてもこの監督とは相性が悪い。「イット・カムズ・アット・ナイト」の時は、これで終わり?って思った。それを思えばwavesの方が、いい余韻で終わったかな。
この作品もいっそのこと加害者の家族の苦悩をメインにしてもよかったのでは。
だからWAVE "S" だったのか。
この監督、テレンス・マリック監督の撮影アシスタントだったんですね。溶けそうな光が主役の映像美、しっかりと継承されていて既視感を覚えました。ストーリー自体は一歩間違えばとてつもなく泥臭い方向へ流れそうなのですが、どの部分を切り取ってもvideo art作品として成立しそうな美と音楽に相当助けられていると感じました。
予備知識なく見たから、悲しいだけの初めのWAVE が去った直後は虚しいだけでした。男って、どこまで馬鹿なの?子どもなの??自分中心なの???(怒)・・・・・・
マッチョな父、人一倍マッチョを貫かないと黒人がある線以上の水準を維持して生き抜くことが、BLMが叫ばれる今以上に難しかったのではあろう世代。でも子どもは自分のカーボンコピーじゃないんだよね。なのに、子どもは親を失望させたくなくて、悲しくも隠し事を続けて、取り返しのつかない位こじらせちゃう事って、万国共通なのだと思います。成功している親だって、人として絶対的に不完全な存在なのだと気づける年齢はせいぜい20代半ばかしら。
予備知識なく見たから(しつこいですね)、SECOND WAVEがあって、本当に救われました。エミリーは、まるでみんなのお母さんみたいでしたね。兄をフォローして抱きしめ、父を慰めて抱きしめ、ボーイフレンドの死に行く父親の最期も抱きしめ。継母も、夫よりは遥かに大人でしたね。男って、とにかくお子ちゃまなんです〜、っていう通奏低音を感じました。
それにしても、高校生の飲酒運転、ドラッグ、なんとかして!!
タイトルなし
前半の兄編はあまり感情移入できなかった
カメラワークや色使いがスタイリッシュ且つ雄弁
逆に脚本を薄く感じてしまう部分もあった
10代の危うさや華やかさを表現するには◎
後半の妹編は心情に寄り添った展開で救われた
ルークのキャラクターも素敵
父と娘、夫と妻の描き方も良かった
後半に兄との関わり方の深堀りがあるともっと好きだったかもしれない
前半と後半がぶつ切りで一つの作品としては唐突すぎるように感じた
あくまでも主人公側の描写しかないのはあえてなのだろうか
MVのような映画
恋人、親子、家族の崩壊を表す前半パートは、音楽ガンガンで、歌の合間に芝居シーンが配されたMVのよう、
その再生を表す後半パートは、しっとり余韻のような、
演出、シーンのつなぎ等、独特の表現法のおかげで最後まで見られた。普通に撮ってたら、途中もたなそう。。
それにしても、妹が天使すぎた。
本作のキャッチコピーよりも、ティミーと並んで好きなルーカス・ヘッジ...
本作のキャッチコピーよりも、ティミーと並んで好きなルーカス・ヘッジズと、Netflixの「ロスト・イン・スペース」に出ていた
テイラー・ラッセルを見られるのを楽しみにしていた作品。
のっけから、重低音が体に響き、音響の良さに驚きました。
渋谷パルコのWHITE CINE QUINTで鑑賞したんですが、他のスクリーンでもやはり、重低音は凄かったんでしょうか??
音は良かったです。が、知っている曲がほとんど無かったせいもあるかもしれませんが、本作の選曲は全くのれませんでした。
そして、それは作品にも当てはまり途中から観るのが飽きてしまった。
ルーカス、なかなか出てこないし、、
親子の問題、家族の絆、差別心、希望、そして宗教≒聖書。様々なテーマが盛り込まれている。
暗めのお話しは色々と考えるきっかけをもらえるので好きですし、本作で語られるテーマ1つ1つが非常に重たくて暗い。
それを払拭するように、色鮮やかな色彩や映像を差し込むのはテーマとの対比を描いていたのかもしれません。
そこに共感出来ればよかったですが、自分は全く共感出来ずでした。
シュルツ監督の前作も合わなかったので、
相性があるんだなぁ。
好きなシーンもありました。
ダイア・ワシントンの“What a Difference a Day Makes”が流れるシーン。
劇中で全く違うシチュエーションでこの曲を流すその対比的な描き方は素敵だった。
そしてルーカスとテイラーの演技は素晴らしかったなぁ。テイラー・ラッセルの聡明さが表情ににじみ出ていて、、
Shazam映画
でもシリアスなトーンになると急にピアノがポロローンみたいなステレオタイプ劇伴になるのね…っていう。そこまで音楽にこだわるならドローンとかでも良いのではと思った。
以下はほんのりネタバレの寝言です。
エンドロールのクレジットは妹のエミリー役が先だったので、ひょっとして主人公は妹だったのかな? と思った。
ストーリーの切り取り方とカメラワークが独特な浸る系作品。
日頃あけすけでタイトな映画ばかり観ているのでこのゆったりムードに慣れるまでに少し時間がかかった。あとグルグルカメラと激しい明滅があるので人によっては酔うかもです。
アマレスなら「フォックスキャッチャー」、家族の地獄なら「アメリカン ビューティ」、プレイリスト映画なら「ベイビードライバー」、そして叙情的な黒人映画としては「ムーンライト」の方が、などと無粋なことを思う。
妹がかわいいかった。
兄貴は金髪ポーズのマッチョなのでちょっと松本人志に空目。むしろ松っちゃんがマッチョな黒人男性に寄せて行ってると言うべき?
パパも辛かったんだろうけど、あの転向ぶりはちょっと都合が良すぎる気もする。
それが主眼ではないにせよ、マチズモの暴発の結果を女性が後始末するというのは古式ゆかしいいつもの構図だし、私には根本的な解決になってない気がしました。
キラキラした若いカップルの場面で同時にパパとママにもきっとこんな時代があったんだろうなと考えたりしたけど、だからって彼らに解決策があるわけじゃなく、タイラーはもう戻れない。彼の肩関節のように。まだたったの18歳なのに。これからも波のように繰り返されるだろう、ありふれたアメリカ家庭の悲劇。
途中、もしや妹が兄貴のやったことをループするのか?と思ったけど、そこまでは鬼じゃなかった。
タイラーは結果的にこの一家にとってキリストのような存在だったのかなあ。「俺は神」だし…
水の場面が多い作品で、観終わって外に出ると偶然にも雨が降りだしていた。それで水は神(の慈愛)の象徴ってことだったのかなと気づくなど。
wavesは、もちろん人生の波と音楽のダブルミーニングなんでしょうけど、正直あんまり音楽の使い方がピンと来なかった。
それにしても、頭にA24のロゴが出て、走る車の窓から人が顔を出すとつい余計なこと考えて緊張する。アリ・アスター監督のせい。。
インスタ映画。
彼女もいて部活も好調な主人公タイラーが、肩の不調でレスリングを続けられなくなり、彼女が妊娠して、、どんどん追い詰められていく話とその妹のエミリーの話。
.
この映画、前半はタイラーの話で後半がエミリーの話っていう2章立てになってる。私は前半がめちゃくちゃ好きで、後半はちょっとダレちゃったなぁ。
.
でも構造はよくできてて、画面のサイズが前半までに徐々に狭くなるにつれてタイラーも追い込まれていく、それが後半、エミリーの心が回復していくと共に狭くなったサイズが広がっていくっていうミラー構造になってる。
.
画面のサイズだけじゃなくて、同じような場面が前半と後半でいくつか出てくる(ドライブシーンとか、ドラッグやった後に車のドアから顔出すシーンとか)。ウェイブス(波)っていう題名と同じように上がって下がって上がってるんだねぇ、よくできてるわ。
.
あと何よりオシャレな音楽と映像がまさにインスタ。見てると酔うってレビュー見かけたんだけど、これって普段からGoProで撮った映像とか、インスタ、TikTokを見慣れてるかで変わる気がする。私は大丈夫だった。
.
そう考えると、10代20代に受ける映画かな。元カノのインスタ見てもう新しい人できたのか?って1人で先走ちゃうこととか、気になる人のインスタを見てポテト食べてるだけの映像が投稿されててこいつまじかって思ったり、今の世代の人が見たら共感できることが映像だけじゃなくて沢山あると思う。
最初はあ〜あ,やっちゃったかなぁ⁈何て思いきや否や…
大変失礼極まり無い言い方&申し訳ない事に
{私自身の勝手な思い込みで,良くある⁈黒人系のヒップホップ系のガンガンで}一寸した手違いで自分の彼女を殺めてしまったがしかし…。 其処から一変して,わりと可愛い妹さんが主役になり、真っ当な?恋愛劇という2部構成的の作品になったなぁ〜という処。
偉そうに言うと,最初の印象からの急変して、最終的には全体的にまぁまぁという感じになった気がした⁉️
美しい映像と音楽が紡ぐ驚きの展開が引っかかりも含めて心に残る
極上の映像と音楽が奏でる裕福な家庭での黒人兄妹の青春物だと思うと結構ヘビーで意外な展開があり一筋縄ではいかないのには、驚くと同時に居心地の悪い感動?をもたらしてくれる。
トレイ・エドワード・シュルツ監督の作品は初鑑賞だが、明るいフロリダの太陽の下で、兄とその恋人に起きるドラマの流れは、不安要素含み、鎮静剤中毒に陥る雰囲気や中絶反対派とやり取りなどで、サスペンスホラーなどを過去に製作していた様子が伺えて、大切な人を失ってしまう展開とテイストなどは、今作の製作会社のA24の怪作ホラー「ヘレディタリー継承」の展開を思い起こす。
だから妹が道中に車の窓から身を乗り出す場面に不必要にドキドキした。
人物の心情を画面サイズによって表すところやパトカーの回転灯の光と音が被さる心情演出や心情寄り添う音楽も効果的。
ネタバレあり
気になるところは、レスリングで優秀な選手である兄が、精神的に追い詰められて薬物依存になっているとはいえ、妊娠した恋人に暴力を振るって結果的に殺人を犯してしまう展開は、かなりドン引きしてしまう。もちろんそれ相応の罰を受けるのだが、相手側の残された家族の様子なども重苦しくて拒否反応を持つ観客も居ると思う。それも含めての人生の波を描いているが、最初に記した居心地の悪い感動だと提示している。
主役の家族は、有色人種だが、裕福で特に差別的な扱いを受けずに暮らしている様に見えるが、産婦人科の前で抗議をする中絶反対派の女性が、アフリカ系の兄に対して蔑称の言葉を使い激怒させる場面でアメリカのリアルを垣間見せる。ただ、兄妹ともに恋愛関係に落ちるのは、それぞれ違う人種なので差別は超えられるとの作り手の思いも感じる。
前半で目立たない妹が主役になる後半は、学校で居場所がない自分を受け入れてくれる恋人との交流を通じて互いの家族との再生の物語として機能には希望の波を立ててくれる。
引っかかりも含めて心に残る作品。
ポスターやコピーに惑わされないように
誰にでも訪れうる至難にどう立ち向かうか、人生を如何に生きるべきか、そんなテーマに迫り、登場人物の心情やダイアログに溢れた作品。
しかし勿体ないのは、素材があまりにも今どき過ぎること。リアリティと言えばそれまでだが、若者の戯れ様やBGMなど、特定の世代や視聴者層を除いて親近感を覚えにくいのではなかろうか。
主題は普遍的なのに、共感を得る間口が演出によって非常に狭められてしまっている感が否めないのが惜しい。
アメリカ版君たちはどう生きるか
個人評価:3.7
青春の輝き、若さの危うさ、それを美しいフロリダの光で描く。人は皆過ちを重ね生きて行く。それを一つの家族を通し誇張なく丁寧に描いていると感じる。
妹の彼氏となったルーク。その父親が闘病の末、死の直前に、やり残した後悔はあると答え、息子の胸で泣く。後悔する者への赦しの気持ち。どんな教えよりも大事な事だと感じる。
死んでしまいたいと思うほど自分を責めるのは、君が正しい生き方を強く求めている証だよ。吉野源三郎の君たちはどう生きるかの名言が聞こえてくる。
選曲が素晴らしい
音楽に頼り過ぎですが、選曲が良い。
監督の世代ど真ん中のセレクトで、観終わった後にサントラとKanye West並びにKendrick Lamarを中心に聴き返しておりました。
しかも、Radioheadとかも混ぜてくるのが憎い。
使い方も効果的。
主人公の名前がTylerで文武両道の天才ってところとかほんと憎いを通り越してあざとい感も出ちゃってますが、まぁいいじゃないですか。
映画の中身はほとんど覚えておりませんが何故か余韻の残る不思議な映画でした。
ただ、映画館で爆音で観ないともしかしたら面白くないかもしれません。なんせ中身がないので。
妹超いい子
かわいいし。ルーカスヘッジスも安定のボンクラいい子感で、このカップルを際立たせるための前半タイラーのクソエピソードだったのねと、溜飲が下がりました。にしてもタイラークソすぎたし、長かったし、後半の夫婦喧嘩で勝手にタイラーが刑務所で自殺したと思ってたので、まだ生きてたんかい!とムカついたけど、憎しみからは何もうまれないからねと反省しましたよ。にしてもさ、最後まで彼女のこと好きな演出するの気分悪かったです。タイラーは美人の彼女をトロフィーワイフ的に連れてただけでしょ。若さゆえ云々と言うには18歳は大人過ぎます。
あと色使いうまかでしょーと言わんばかりのあれジャマね。心境を表現してるとか言いやがったら笑止。90年代じゃないんだから。
対比
初めて書くレビューなので駄文ですが悪しからず。
この映画はまさにwave"s"だった。
まず、360°回転するカメラ、兄が元カノを殺した後から狭くなるスクリーン、妹に彼氏ができてから元のサイズに戻るスクリーン、そして最後はまた車の中で360°回転する。360°映すことでスクリーンに映せる最大のサイズにしたのではないだろうか。最大から最小へそしてまた最大へと波打つかのように。画面が普通のサイズから回転するシーンに移る直前、音楽の鳴る方向が回転していき、"お、回るか"と期待させてくるようでとても心地が良かった。このようにこの兄妹の心情とリンクして画面のサイズが大小と変化していった。
次にホームパーティーの光とパトカーの光も印象的であった。兄が殺人を犯す直前、家の中は赤と青の光に包まれておりパトカーのサイレンを連想させた。その後、案の定パトカーの光が画面いっぱいに映る。"妹編"の時も最後にパトカーの光が一瞬映ったがそこは無理やりだと感じてしまった、、
そして最後のエンドロールが終わった後の息づかい。これは兄が殺人を犯す直前の荒々しいものとは違い、安心したかのような妹の息づかいであった。このエンドロール後を聴かなければこの映画を観たとは言えないのではないか。
この他にも対比するシーンは多かったが、このように対比を繰り返しまるでたくさんの波を打っているかのようだった。であるからwave"s"なのではないだろうか。
映像的にとても綺麗で満足のできる映画でした。最後まで読んでいただいた方はありがとうございます。
‥ ‥ 高校生の限界っ❗️
(千代の富士関の引退会見風)
近所の中でもちょっと古くて人の集まらなさそうな映画館でこの作品をチョイス。
実際の鑑賞者は👤他1名でした👤
(後日談: その後、閉館しました。)
常に部員を最新鋭のレスリングマシーンに鍛え上げようとするあさってな教育方針の高校の部活と、日々それを叱咤激励する完璧主義の父ちゃんに追い込まれた思春期の息子が、負傷していた肩を壊して自暴自棄になり、喧嘩してキレたはずみで彼女を殺めてしまい、一家もろとも転落してゆくという様を描いたストーリー。
映画って‘あらすじ’を知らずに観に行った方がより楽しめるだろうに、観るか観まいかを判断するために取りあえずどんな話だろうかと調べてしまうところがジレンマですね〜。
男だからなのか、脳筋だからなのか‥ とにかくキレてしまったり、ましてや暴力を振るってしまうと何かと後に禍根が残りますので、明日は我が身で己を見失わぬよう気を付けたいものです。
(人は怒りをどこまで制御し得るのか🤔!?)
ですが、我を見失ったお兄ちゃんが収監された後の落ち着いた妹ちゃんのパート💞では眠気にやられてしまいました😪
人は哀しいかな間違いを犯してから色々と気付く。‥でもまた同じように怒りを溜め込む場面になった時に、今度は過ちを回避できる‥ほど一度の学習で改められるなんて出来の良い人はなかなか少ないのでは⁉️
人が変わるのって難しいス😔
傑作、ただし日本ではその限りではありません。
日本人には残念ながらあまり馴染みがない、分からない要素が盛り込まれているので、RottenTomatoの審査員&オーディエンス評が80%越えと高得点なのに対し、日本の評価が3〜3.5という差が出てます。
本作はストーリーに関しては割と王道で、語られ尽くされてきた、家族のしがらみや恋人とのすれ違い、キャリアの挫折、思春期の葛藤を描いてます。ただこれまでと全く大きく違うのはそれが最高の楽曲を通して伝えられる事、また美しい色彩で脳に直接訴えかけてくるところにあります。カメラワークや効果的な対比表現を使った演出も秀逸で、若手監督と設立まだ10年足らずのA24だからこそできる、実験的な要素が盛り沢山でした。
■プレイリストムービーと言われる所以
20代から30代で全米ヒットチャートを耳にしてきた人なら誰しもが舌鼓を打たずにはいられないタイラーザクリエイターやエイサップロッキー、実験的な音楽とクリスチャンのエッセンスを盛り込むチャンスザラッパーやR&Bの未来フランクオーシャン、ヒップホップのキングとも言われるケンドリックラマー、そしてかつてクイーンオブブルースとも言われたダイナワシントンなど新旧の天才達が約2時間の映画で耳を満たしてくれます。
音楽を好んで聴く人なら分かるであろう、自分のシチュエーションと音楽が完全にマッチする心地よさ、この映画はそれを2時間味わえます。
例えば冒頭で使われるアニマルコレクティブのフロリダダという曲。橋についてのリリック部分が使われ、主人公タイラー達はとても幸せそうに360度回転するカメラワークと共に橋の車を走らせています。まるでこれから起きる波乱への橋をもう渡り始めてしまったと汲み取れます。なので彼らはきちんと前も見ずに、危なっかしくも自由で若い、エネルギーに溢れた運転をしています。
また恋人とのすれ違いが起きる部分では、タイラーザクリエイターのIFHY、歌詞は"お前を嫌いだが愛してる、俺は愛を続けるのが得意ではない、お前は完璧でいるのが得意、俺たちはトラブルを起こすのが得意"というリリックが重なります。誰しもが共感できるんじゃないでしょうか。
ダイナーのシーンではダイナワシントンのワッタディファレンスデイメイク。1日でこんなに違うなんて、たった24時間過ぎただけなのにと、この映画の要素を代弁しています。(それも映画では2回ダイナーで流れ、それぞれが別の捉え方ができます)
タイラーの恋人がダンスパーティで消え去るシーンでは、エイミーワインハウスのlove is losing game。恋は負け戦であるという歌詞ですが、それよりもここで語られるべきはエイミーワインハウスはオーバードーズで若くして亡くなっています。まるでアレキサスの未来を物語るように使われます。
タイラーがキャリアも恋愛関係も歯車の調子が悪くなり、ドラッグと酒で友人とヤケを起こしますが、その際に使われるのはケンドリックラマーの名曲バックシートフリースタイル。ラマーが気持ちが大きくなって無茶をした16歳の自分自身を歌った曲ですが、まさにタイラーのそれを体現しています。
このほかの楽曲全てが、作中の状況とリンクしており、読み解くにはその曲の意味を汲み取り、アーティストの背景を知る必要があります。ただ日本では残念ながらその英語力を養えていないし、アーティストのトピックスも日常には入ってこないためこの映画を100%楽しめないという結果に。
■対となるメタファー
第一幕のタイラー編ではハッキリと対照的なものの見方で描かれます。そしてその対となるものは赤と青という2つの反対色で表されます。例えば興奮、怒り、高まりなど起伏の激しい時は"赤"を象徴的に使っています。カーテンの色、中絶をさせに行く際のタイラーの服、ダンスパーティーでのアレクサスのドレス、ドラッグをキメた時も赤い炎が燃えさかります。
一方で気持ちが穏やか、無感情、サイレンスなシーンでは基本的には青で統一されています。部屋の色、家族団欒でのシーンでの服の色、海など。エイミー編での学校は無関心や放心を表すかのように殆どが青です。これは美術担当がネオンデーモンやスプリングブレイカーズを手掛けたエリオットホステッターによるものということもあるでしょう。オンリーゴッドフォーギブスでレフン監督がしたように、ハッキリとした上下関係や対立を表すのに効果的な演出だったと思います。
第二幕のエミリー編ではその境目がだんだんと曖昧になります。父の懺悔、親子という切っても切れない関係を受け入れること、男は強くあるべきという前時代的な思考の棄去、肌の色、宗教、性別全てを排除したものの考え方になっていく、いわばキリスト教的な隣人愛(分け隔てなく愛すこと)へと変異していきます。そのためこれまで赤と青で隔てられたカラーは徐々に希望の黄色を帯び、やがて虹色になっていきます。ちょうどそれはスプリンクラーの虹や、車にぶら下がるエアフレッシュナーで表現されます。
■実験的要素
新進気鋭の配給と監督ということもあり、積極的に新しい試みが盛り込まれていました。360度回転するカメラワーク(あれはどうやってるんでしょうね)や、同じ曲を映画内で二回使ったり、腕立て伏せにパンしたり(まるでシャイニング!)、テキストチャットの効果的な使い方。そして何よりも良かったのはアスペクト比の変化。It comes at nightでも使われていましたが(監督が同じ)、トータルで4回アスペクト比が変わります。これらは登場人物の心情を観客にリンクさせるために非常に効果的だったといえます。mommyの1:1が1:2になったシーンを思い出した方も多いのではないでしょうか。
■総評
上記にて説明したようにエドワードシュルツ監督の体験とプレイリストをベースに我々が見るというよりも体験できるような今作wavesは聞いたことあるようなストーリーでも、より豊かに、鮮やかに描かれていた事がわかります。唯一悔やまれるとすれば、冒頭で述べようにそこまで日本ではヒットしていないために大きなスクリーンや極上の音響環境で本作を見れない事が残念で堪りません。
全153件中、41~60件目を表示