WAVES ウェイブスのレビュー・感想・評価
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美しい映像と考え尽くされた演出に心揺さぶられます
今更ながら配信で初めて鑑賞。ざっくりとした感想になりますが、人間の傲慢さや家族の崩壊、許し、再生、思春期の若者の経験不足からくる儚さ、などなど美しい映像と音楽により表現されており、A24のホラー作品以外の映画の面白みを感じることができる作品と思います。この前に「ミッド・ナインティーズ」を観てこの作品を観ました。大変勉強になり刺激になります。
感想
幸せな前半。
たくさん彼の充実した生活が描かれる。
その中に不安が着実に積み上げられていく。
キャラクターに説得力があり、だんだん不穏になるのが絶妙。
タイラーの爆発や暴力シーンはすごかった。
映像が上手くて怖かった。怖くて息が止まる。
人って武器なくても簡単に死ぬことがある。
彼は筋肉があるので、なおさら力の使い方には気をつけないといけなかった。
物にあたっても人に対してはほんと…だめ。
悪い方に向かってるのはわかってるけど、お酒飲んで車でパーティに行くシーンでは、
どうか、最悪の事態にはならないようにって思ってた。
親はどうすればよかったとか責任感からもう余裕がなくて疲れてる。
妹も学校で居場所がなく、大変でも言える状況じゃない。誰か助けになってほしいなと思ってると、男の子が現れる。まあ、よかった。
事件の身近な人は、この場合は家族が、自分はどうすればよかったか考えてしまう。
でも、どこまで行ってもタイラーのせいで、責任はタイラーにしか取れない。
父親のせいと思うことが多いけど、タイラーの彼女への行動はタイラーのせいだった。
でも、どうにかもっと前に何か出来たらと思うと父親との関係が浮かぶ。
父親は若い頃の苦労があって今の考え方になってるのが垣間見られる。ただの悪いキャラクターじゃなくて、手を抜かず考えられてるのいい。
精神的に落ち込むことを許さなかった父親も参っていて、妹がケア役に回らないといけなくて、それは仕方ないんだけどつらくなる。
溜め込まないか心配したけど、すぐ後に妹エミリーも父親に話せててよかった。
事件のとき、妹のエミリーに止めてほしいと見ていて思ったけど、止められなくても彼女は悪くない。
もっと悪くないと言ってあげたいと思った。
彼氏の方は、父親との関係が修復するのあっさりで拍子抜けが少し…。
でも、そのおかげで家族の再構築に前向きになれて、素直なメッセージを送ってて、いい方向に行く終わりでよかった。
ニュースでみたら、ヤバイやつ、最悪の事件、で終わることを、幸せな頃から描いて、日々の我慢からネガティヴな出来事がありだんだん不安定になるとこ、そして事件を起こし家族がバラバラになりどう前を向くかまでわかりやすく全部ある。
こういう事件にもニュースの見出しではわからないバックグラウンドがあり、身近で社会にも関係あることを考えてほしい映画なのかも。
ストーリーはわかりやすくて、映像も上手い。でも映像の上手さがポップな感じ(おしゃれで大衆向け?)で、好みじゃなかった。
この内容はもっと落ち着いた感じでみたかった。それだと暗すぎかな。
そこまでなるかね
今っぽいアメリカの青春の話。
結構それっぽくてよかったです。
いくつか突っ込みを。
レスリング。
経験者だからわかるけど飛行機投げはなかなか決まらんが何故見せ場で2回も?
お父さん、フォールのところで突っ込んでたけどフォールできてたら普通はスルーだよ。
お父さん。いざってときになぜ弱いのか。ちょっとはバトってもよかったのでは。
まともにファック連発してたけど、いいんだね。
妹の彼氏。なまってる感じは何を表現してるのかわからなかった。
音楽はおしゃれだが
主人公は最低なクズ野郎だし、殺されたガールフレンドが気の毒だし、加害者家族にされた妹は可哀想だし、死期が近いDV父親を見舞うボーイフレンドの話も言ってしまえばありきたりだ。
それだけの話を格好いいBGMを付けておしゃれにパッケージして売り出すA24の手腕に恐れ入る。
誰の人生にも起こりうる普遍的なテーマを芸術的に描く
冷静にレビューすると芸術的でドラマチックでそれなりに良い作品だけど、
感情的にレビューすると受け入れがたい”not for me”な映画
普遍的なテーマだからこそ、どこに共感するか、どこに自分との類似性を感じるかで捉え方が大きく変わる映画だと思う。
様々な過ちがあって、それで人生が上手くいかなくなる様子、そこからの回帰が独特のカメラワークで描かれている。
客観的に観れば、それらの過ちって明白で、回避できそうだけど、渦中にいる人たちは、過ちが修正できないレベルにならないと気づかない。
それって人生の普遍的なことで誰しもがこの映画の登場人物たちと似た人生を歩む可能性がある。
この映画を観た後は家族や恋人との向き合い方を真剣に考えたくなる。
彼らの人生、一歩間違えれば明日は我が身。
と、ここまでは冷静に書きましたので、あとはネタバレ含み感情的にレビュー
おしゃれなポスターに惹かれて鑑賞したら、めちゃくちゃ詐欺だった。
中学生で妊娠して、中絶しようとしている時点で受け入れられない。
一生懸命頑張っていたスポーツもケガが原因でできなくなって、それでドラッグにおぼれて、
勢いでその彼女を死なせちゃって…ただの屑じゃん。
それで加害者家族である妹が周りから誹謗中傷を受けて苦しむところも描かれてて、
「まぁ、そうなりますよね…はぁ」としか感情が出てこなかった。
現実のニュースでもありそうなことを、とっても芸術的に演出しているから、
なんかおしゃれな雰囲気あるけど、
若気の至りではっちゃけたDQNが自滅して、家族まで巻き込まれる話。
冒頭でも書いたけど、どこに共感し、どこに類似性を感じるかで捉え方が変わる映画だから、
私にとっては若気の至りで中絶ってところが、自分や家族の人生と比較して1000%無理だった。
後半長かったな
音楽をテーマにした作品なのかな。
前半は若い時を思い出すような内容で、それなりにテンポ良く観れてたんだけど、事が起こってからの後半はまるで監督が変わったようにスローで、若干退屈だった。ストーリー上仕方ないけど、あんな簡単に死んでしまうの?は唯一感じた不自然点だった。
評価:3.2
苦し過ぎる青春映画
ジャケットの印象とは全然違う内容に、終始戸惑いっぱなし。特に前半は辛過ぎる。登場人物それぞれが苦悩を抱える訳だが、よくよく考えるとどれも結構身近と言うか真っ直ぐな想いが招いた苦悩であることに、やるせなくすごく複雑な気持ちになった。
私的には決して後味が良い作品とは言えないが、未来が開けそうな開放感あるラストシーンに少し救われたかな。
総論としては、重いテーマでズーンときたが、光の使い方がとても印象的でスタイリッシュさもある作品だった、というところか。
人の強さと弱さ
予期もしなかったことが一家に起こり、一人ひとりの強さと弱さを見れた気がする。
二人のお父さんの強さと弱さ。
そこがとても印象的だった。大人も悲しくて辛いときもある。兄は人間だからこそ。
など色々印象的だった。
前半は兄の話で、後半は妹の話。後半のために前半があるような気もする。
妹のお話のほうをもっと長く描いてほしかった。
でも全体的に好きな映画。
特に後半。音楽もしかり、映像もしかり。
誤魔化してるのかな?ってところもあったけど、もう一度みたいかもしれない…♡
A24お得意の見事なパッケージ力!
ストーリーとしては、家族の破綻と再生なので、それほど特筆すべきものはないものの、納得できる線の現在進行形のリアルな設定の中で、目を見張るカメラワークと映像表現。それらを支えるサントラの数々(エンディングにアラバマ・シェイクスとはお見事!)により、なんだか特別なものに思えてくる。
それをあえて抗うことなく、そのまま真っ直ぐに受け止めたら、素直にジーンときた。
もう一度家族になりたい
時折挟まれる美しい映像、たまに流れる切ない音楽。
前半はあにタイラーの幸せな高校生活から一転どんどんと落ちていく。後半はその兄の起こした事件後の妹の立ち直っていく姿が描かれる。
お話としてはあるあるチックなんだよなぁ。傷害致死で30年かぁ。亡くなった家族としては短いし、加害家族としては長いなぁと。
サウンドとカラー
やっぱり『ウェイブ』と『ムーンライト』のジャケ写が同じ色なように、全体的の色合いとか海の撮り方とかコッテリしてて独特な風合いあり
相当な悲しみにあるとき
目の前の世界は急に灰色になるように
怒りや無謀さが色と音でよく表現されてた
「これは曲じゃない怒りを表わすポエムだ」
というリリックのラップがカッコよかった
キラーチューン満載で最近の楽曲のお勉強になったわ
曲が先にリストアップされてリンクするようにシナリオが書かれた全てがMVのようなフィルム
まさに音楽と映像を感覚的に味わう感じのものでストーリーにはなにも感じなかったな
WAVEを感じなかった。
気鋭の映画会社だそうですが、A24の作品はあまり好きじゃない。
何か新しいことを、という姿勢は素晴らしいと思いますが、
そっちばかりに力を入れて、肝心な部分がおろそかに
なってるような気がします。このWAVESも、そう。
歌詞とストーリーのシンクロ、カメラワーク、アスペクト比。
それは、いいんだけど、肝心のストーリーがなあ。
兄編と妹編をくっつけたような展開だし、ラストもう〜ん。
私が、古臭いだけなのかもしれないけど、
やっぱり合わないな、A24はw
長い…
光と音の演出っていうのかな?
それが多くて多くて。
それを短くすれば3分の2くらいになりそう(笑)
ちょっと過剰に感じてしまったな。
アートといえばそうなのだろうけど。
すいません、アートが理解出来なくて。
あと運転シーン。
怖いんですけど〜
ちゃんと前見てよ〜
顔出すな〜
しかし、犯した罪は重過ぎた。
最後は笑顔でハッピーハッピー。
なんてことにはどう考えてもならんし。
それぞれ、これからを生きていく。
生きるって結構しんどいことも多い。
それでも生きていく。
そういうことかな。
落ちるところまで落ちた、というところ。
最悪までいったらあとは少しずつ良くなるだけ。と思いたい。
タイラーの彼女は本当に妊娠していて、産もうとしていたのか?
あんなにパリピな人たちと騒いでたけどさ〜
そこがちょっと気になったな。
安定のルーカス、いつ出てくるのかと思いきや、後半の主役だったか。
この人はやはりいいな。
ずっと気になっていた。
この金髪チリチリ頭。
やっと観られてよかったっと。
かんせいどたかし
映画的なケレン味?面白さ?満点
ストーリーは不穏でまさに人生波のごとしだが、音楽と色彩がオシャレ!悪いことがおきているのにかっこよくてちょっと出遅れてしまうところも実人生の感覚に似た気がする。
恋人からの「整理来ない…」発言はホント記憶消すスイッチ即オシワードだよなー
結果どうなったのかをきちんと映さないところがとても親切だと思った。
再生って言うけどそんなに簡単じゃない。
死ぬまで贖罪と生への喜びのなかで葛藤するのが現実だと思う。その浮き沈みの、まさに「WAVES」(複数形にしてるのは人間すべてだと思う)を謳歌しようとする疾走で終わることに感動した。
ホント センスいいわ
高校生カップルの最悪の結果
この手の主人公は貧乏な設定が多いけど、裕福そうな家の子。
そして、スポーツや恋愛と青春。
それまではいいけど、なんでこうなるのっていうエンディング⤵
本当にこの手の内容は映画にする価値あるのかな?
ちょっとねえ…?
まー陰鬱。救いのない前半から胸を締め付けるような後半。
肩を壊しただけで勢いつけて人生を転げ落ちていく兄と、
そんな兄を救えなかった自分は何なのかと悩む妹。
もうね、知らんがなって話ですよ。
日本の”高校生”とはもう根本的に違うから共感しにくいし
なんだろう、そんな簡単に崩壊しちゃうの!?って感じ。
いや、簡単ではないんだけどさ、崩壊に至る心理描写とか
もうちょっと丁寧にやってくれないとっていう。
ぜったい日本人向けには作られてないし
何ならアメリカの、すごくドメスティックな空気感を描いてるような。
国が変われば青少年の悩み方も変わるってことで。
人生には良いことも悪いことも代わる代わるに訪れるって話かと思ったら
なんかほとんど悪いことしか起きてねーじゃんっていうね。
最後にほんのり差す光明みたいなとこも含めて
僕は『マンチェスター・バイ・ザ・シー』の方が上手だと思いますよ。
物語の核心に至るまでの2時間が辛い
本作は斬新な構成で、
くっきりと前後半に別れていた
前半は兄の物語、後半は妹の物語
前半はもう見るに堪えないような
(我慢して観るんだけど)、
文字通り「disgusting」な内容
18歳が未熟なのは分かるけど、
タイラーはとにかく弱すぎる
脆弱で何も守れない、
責任を果たせない
胸糞が過ぎる前半だった
一転して後半の妹の物語から、
少しづつ救済の兆しが顕れてくる
けれども それは簡単なことではなくて、
苦悩と苦難の描写がずっと続き、
気がつくと2時間が経過していた
辛い2時間、兎に角しんどい
物語の核心が訪れるのは、
残り15分を切ってからのこと
エンドロールの時間を除くと、
わずか10分弱の核心のために、
2時間に及び苦難のストーリーが展開されていた
この辛くしんどい2時間のおかげで、
核心の10分が「Starting over」
として際立っていた
「憎しみよりも愛が大切」
作品の質の良さで定評のあるA24の映画
低予算ながら、チープさを全く感じさせない
テーマはシンプル
「憎しみよりも愛が大切」
憎しみは破滅に繋がる愛こそすべて
と、目新しいものではないが
全編を通して痛々しいほどのリアルな
演技や演出の説得力に圧倒される
前半兄タイラー、後半エミリーのパート
タイラーのパートはハラハラ感とやるせなさが
たまらなかった
エミリーパートは、
家族やルークと上手くいってほしいと
願わずにはいられない別の意味でのハラハラ感が
マナティーと泳いだり
ルークの父親を看取るエミリーとルーク、
エミリーと父親との本音の語り合いを見ていて
この家族は、恋人たちは大丈夫、と思えた
愛って・・・どういうものか
考えさせられる映画だった
話し合うことの大切さ…
家族だと中々折り入ってできないかもしれない。物語は2つの構成に分かれる。前半は兄の転落人生。レスリング部で活躍する高校生タイラーは綺麗な彼女もおり、厳格な父親に育てられながらも、継母の愛も深く、正にリア充。しかし、肩の怪我でレスリングの夢が絶たれる、恋人の妊娠発覚、中絶拒否→酒、ドラッグ服用→恋人を殺してしまう→終身刑、と人生を転げ落ちてしまう。後半は残された家族、特に妹のエミリーを中心に描かれる。殺人犯の妹ということで学校でも誰とも話さない生活。しかし、全てを知った上で理解するルークという恋人ができる。一方、母親は息子を厳しく躾け、追いやった父親を受け入れずにいた。ルークを虐待し、生き別れたルークの父が癌となり、二人で看取るうちに、家族の絆の大切さ、今いる家族の大切さをエミリーは改めて感じる。エミリーから連絡を受けた母親も父親を受け入れようと努力する。人生は一寸先は闇、そこからの家族の再生を描いている。全体的に映像、色彩がとても鮮やかで、夕焼け、テイラーの部屋窓、パトカーのサイレンの赤、青が印象的。
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