「ジョゼの成長ぶりがあっぱれ」ジョゼと虎と魚たち(2020・アニメ版) N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)
ジョゼの成長ぶりがあっぱれ
原作未読。
東京ほどもキラキラしていない関西の町並みを背景に、
自立してゆく若者二人の恋物語。
なにはともあれ、あら、舞台は大阪、京阪神なのね、と分かった地点での親近感。
そんな関西人には少し距離のあった、おされなトーキョー、ラブストーリーでないだけで
こうも手触りが違うのか。
気の強いジョゼのキャラクターもそれだけで好感度爆上がりの冒頭。
「耳をすませば」を少し思い出させる物語で主人公たちは
ひと昔前まではド定番だった、守る男、守ってもらう女にという役割にあらず
対等に自立し、励まし、励まされる力配分で描かれている。
その姿は胸をすくし、見ている側もがぜんそんな二人を応援したくなってしまった。
見どころはやはりあの短尺で、
世間知らずだったジョゼを大成長させてしまう展開だろうか。
あの無理のなさには、エンドロールを見つながら思い出す冒頭に
あっぱれ、と思ってしまった。
見終わった後、主人公らを見習いキリリと背筋を伸ばしたくなる。
そんな作品。
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