星の子のレビュー・感想・評価
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新興宗教にハマった両親と、15歳のちひろ
「あやしい宗教」を糾弾するでもなく、否定するでもなく、
映画は淡々とスローテンポで中3のちひろ(芦田愛菜)の日常に
寄り添います。
若い方達には、心地よく共感を得られそうですね。
大きな事件も起こらない・・・いいえ、15歳の多感な少女・ちひろにとっては、
この映画の中のエピソードは、すごい事件、すごい経験の連続なのかもしれないです。
もう多感でもないし、感受性も枯渇したオバさんには、
《ヤマもないしオチもない。観終わって爽快感もない》
が、正直な感想です。
2020年。大森立嗣監督。芦田愛菜6年ぶりの主演作。
原作は芥川賞作家・今村夏子のベストセラー。
幼い頃病弱だったちひろを心配した両親(永瀬正敏と原田知世)は、
あやしい宗教にのめり込んでいく。
お父さんとお母さんは緑色のジャージを着て、頭にタオルを乗せて互いに
ミズ(万病に効くと言う)をかけっこしている。
姉のまーちゃんはそんな両親を見捨てて16歳で家を出て行く。
ちひろは多少困った親だとは思っている。
生活は貧しくなり(お父さんは働いてる雰囲気がない・・・)
食卓には貰い物の食べ物が並ぶ。
高良健吾と黒木華が宗教のリーダー的存在として出演いるが、
特に大きな役割は果たさない。
宗教にハマった両親に育てられたり、虐待を受けたり、
そんな育ち方をする子供って想像以上に多いのですね。
それでも親が好き。
親から離れられない。
まだまだ「ちひろ」は子供です。
ちひろの成長を応援して見守りたい・・・そんな気持ちになりました。
過去鑑賞
繊細な映画だったな〜
今年28本目。
多感な時期である中学生の時期は、嫌でも家庭のことを気にしてしまうよなあ。しかも親が新興宗教団体に所属してたら尚更だよね。
けれども主人公は両親を大切に思う気持ちがあった。それが脆い状態だからこそ綺麗で儚かった。芦田愛菜ちゃんの作品はこれからもチェックしようと思う。
ちょっと気になったのは途中で急にアニメの映像のカットがあったこと。あれはどういう意図なんだろう。
伝えたいことはなんとなく分かるだけど、あんまり伝わらなかった
2022.48本目
「メタモルフォーゼの縁側」を観て、芦田愛菜の演技がもっと観たくなり視聴!
宗教と両親の間で揺れる主人公の心情や葛藤がこの映画のメインテーマでキーになってくると思うんだけど、言葉でのヒントが少なくて、表情や行動から汲み取る必要があったように思う。
主人公の年齢的にも立場的にも言葉にならない感情の揺れが沢山あるだろうし、だからこそ良いとは思うんだけど、観ている側からしたら伝わりづらい部分が多かったように感じた。そこは、主人公の立場だったら…と想像させたかった部分なのかもしれないけど、あんまり感情移入できなかった。
原作を読んだことがないのでわからないけど、原作小説を読めばそのあたりがスッキリするのかな?
「宗教の良し悪しはものによってあると思うけど、人それぞれの『信心』は尊重されなくてはならないな」
観た後に残ったのはそれくらいの感情だった。
あとは、私の恋人がいわゆる2世なので、新興宗教の集会の雰囲気とかには、うんうんきっとこんな感じなんだろうなーって想像するヒントにはなった。
芦田愛菜はとっても良かった!
主人公と同じ立場の人にとっては、かなり刺さる作品だとは思う。
悲しくて不安で寂しい
親ガチャ
根本に愛情があるが、それが間違った方向に向かっていて尚更悲しい。
娘にまともな食事も与えられない程お金がないのに、宗教にはお金をかける。
お姉ちゃんに子供が産まれたと聞きも、何も分からないのに「よかったね」って言えちゃう。
やはり狂ってる。
普通にコワってなった
本作で描かれているレベルの宗教はレアなケースだとしても、怖いなーって思った。信じることに没頭してしまうと、なんでも人間はへんな方向に進んで止められなくなってしまう。なので、やっぱりメディアリテラシーに気をつけて、一つの事に信じ過ぎず、分散することが何においても重要なんだなぁと思った。
純粋な目
こんな繊細な世界を扱っていいのかと心配になったが、興味を持った。どこまでがリアルなのか分からないが、第三者から見れば偏見を持ってしまうことも当事者から見れば真実で正しい。
周りからの反応を見て、不安を抱きながらも絶対的な存在である家族を通すことでその見方は変わる。
お互いに想いあってるけどその表現の仕方は違う。
思春期女子の葛藤と偏見と自立の物語。
内容は、未熟児で生まれ体質改善に不思議な水が効くとの事が発端で、新興宗教に入信した家族を取り巻く思春期の少女と周囲の人の物語。好きな言葉は『あれ?!河童かと思った!?』で世間の偏見と差別意識の違いを見せられた感じがしました。悪気が無い所に潜む悪意に満ちた笑いが響きました。好きなシーンは、キッチンに隠れて信仰上禁止されているコーヒーを☕️姉妹二人で話しながら飲むシーンが自立と懐疑心と決心の様で上手い演技だなあと感じました。最後の会いたい時には会えず、探してる時には見つからず、流れ星☄️も家族3人共見たい時には発見出来ず両親には見え、芦田愛菜1人の時には違う星が⭐️見え、別々の生き方になるが、それでも家族を大切にする思いは皆同じなのだと思わせる所が、何処か物憂げで芸術的でもあり商業的でないところが強気な作品だなぁと感じました。そういう星の元で生まれた物語のエンディングは、視聴者に考えを預け其々の答えを出して欲しいとの作者の願いが叶いますよう祈っております。🌠
芦田愛菜はやっぱり偉大だった
芦田さんの役柄は、迷いと強い信念の混在する難しい役であるように感じられましたが、さすがと言いたくなるほどしっかり演じきっているように感じられた。目立つような設定のない素朴な役柄なのに、抜群の存在感で映像の中に佇んでいる姿に、改めて偉大さを感じた。
親は全て正しいもの?
私はある新興宗教を両親が信仰する家庭に生まれ、
その宗教の3世として育ちました。
生まれたその日に親により入信届けが出され、
私の名前はその宗教の教祖により名付けられたという名前です。できれば改名したいと思うほどに嫌いな名前です。
心の中ではずっとその宗教をおかしい、気持ち悪い、と思いながら生きてきましたが、決して表に出すことはなく、親に言われるがまま毎週行われる集会に参加し、最後にはその宗教の大学を卒業しました。(両親にはその大学にしか行かせないと言われづつけていたためです。)
私は自分の力で考えない人間に育ってしまいました。
現在は実家を離れ1人で暮らしているためその宗教とは距離を置いて生活をしています。それでも両親が私の住む地域の同宗教活動者に私の住所を勝手に教えており、たまに訪問してきますが現在は完全に接触を絶っています。
親は未だに私がいつかこの宗教を信じ、
信仰することを信じています。
私はこの宗教はおかしいと思う気持ちとここまで大切に育ててくれた親を否定したくないという気持ちで今でも揺れています。
宗教の家庭に育つ事で今まで本当にたくさん傷ついてきました。今回映画を観て、主人公のちひろの姿が重なってとても辛かったです。他人の前で身内の宗教について語られた時の急に胸がドキッとして息ができなくなる感覚はずっと忘れられないと思います。
ちひろと似た家庭に育った私としては子供の苦しみをもっと表現してほしかったな、、、と
自分の親が信じているものを親と同じように信じられない気持ちほど辛いものは無いです。
別れの前の静かな時間
今作では「自分の病気のせいで新興宗教を盲信する両親」に対する呵責が描かれるが、自分の親の全てを受け入れたい、しかし、それは叶わないと言う大人になる為の階段として経る普遍的なものを描くことに成功した作品のように思う。
キャストが素晴らしく、イケメン教師に岡田将生を持ってきたことで、ただの「偏見」と言う代名詞になってしまわず、宗教への批判が人間味を帯び、主人公が感じる辛さがよりリアルになるようだった。
素直でありながらどこか何かを悟ったような芦田愛菜の演技は言わずもがな、その他キャスト全員素晴らしかった。
最後に親子3人で流れ星に目を凝らすシーンには込み上げるものがあった。
どのような両親であれ、そしてその間にどういう関係を築いていたとしても子供と親との別れは必然のものである。
その別れを切なく匂わせながら、しかし3人で寄り添う時間は永遠のものであることを思わせるような余白が原作にも通じるものなのか是非読んでみたいとも思った。
俳優さんたちは頑張ってたと思う
とにかくリアリティがない。
両親の信仰心いまいち表現出来てない、綺麗すぎる新品みたいなジャージ、綺麗すぎる黒板、10代の芝居がかったセリフ、お金無くなって古い家に移ったのは分かるけど、その古い家のセット感、タオルをのせる水をかける等の見えない宗教観、起承転結がよわくてもいい映画はたくさんあるけど…
新興宗教と世間
いわゆる新興宗教と世間の温度感がよくわかりました。家族の次に親しい間柄の人が親族でなく、同じ宗教で集められている子どもたち。また、その距離感も感じたことがなくてもそれっぽさを感じます。最後にオチがなく見ている人に想像させる終わりになるので、あれとなってしまいました。
何を信じるか
信仰宗教というタブーになりそうな作品をしっかり描いた一本だなぁという印象。
大人数で赤ちゃんから高齢者まで数日の研修をうけるけど、説教は大掛かりなのに食事はいつも冷えた質素なものばかり。
宇宙から送られてきたとかいう水を信じている家族、
儀式や集会に忙しくなってしまうからなのか、
ちひろの父が仕事をしている様子も、母が細々と家事や食事をする様子は見られない、
食欲がないと、一言我が子が言えば「じゃぁこの水だな!」と頭から水をかぶせようとする親。
それで体が冷え、余計に具合いを悪くしていて本末転倒だなと感じる。
宗教から引き離そうとしてくれる親戚もいて、なんとももどかしさは伝わる。
だって、法を犯してるわけでも誰かに迷惑をかけているわけでもないからね。
信じていく、とはなんなのか、
流れ星が見えるフリをすればいいのか、
正直に見えないものは見えないと言えるか、
見えないと言った後、じゃぁ自分は何に頼ってすがって生きていくべきか、
最後のシーン、真上を見上げる芦田愛菜さんと原田知世さん&永瀬正敏さ...
最後のシーン、真上を見上げる芦田愛菜さんと原田知世さん&永瀬正敏さん夫婦は目線の方向が違って…
三人一緒に流れ星は見れないのでは?と思った。
信じている人を疑い出す残酷さ…
信じ、愛している両親を異常だと疑い出す、ましてや恋する人からそれを痛烈に指摘されることほど、悲しく、苦しいことはないかも知れない。この映画は宗教を否定しているわけではない。両親だって、娘や家族のために、良かれと心底思っているからこそ、入信している。娘の病気を治すために藁をもすがる思いだったのかも知れない。娘も他人と違うことを認識し、ましてやそれが原因で、姉が家出してしまったにもかかわらず、疑いつつも、両親を信じている。両者には愛があるので、成り立っている。それだけに悲しいことかもしれないが、今が幸せなら、それで良いのかも知れない。将来的なことを考えると大友康平演じる親戚の心配も痛いほどわかる。映画は無理に解決するわけでもハッピーエンド、何某かの回答があるわけでもないところが、リアリティがあり、かえって良かった。複雑な気持ちでいる表情を芦田愛菜が上手く演じている。しかし、緑のジャージと頭にお絞り乗せる姿は何とも滑稽だ。日本にも多種多様な新興宗教があるが、非常に考えさせる映画だった。
選択
ごくありふれた温かい家庭。優しい両親のもと、真っ直ぐとのびのび育ったちひろ。でも、大好きな両親は怪しげな宗教に身を捧げている。成長し、自分の世界が広がっていくにつれ両親の異様さがちひろの心に不安を広げていく。
病弱な娘を救ってくれた金星の水。その水の源泉に財産を注ぎ込んでいく両親。信じる者は救われるのだろうか。
生まれた時から、その水のある暮らしが当たり前だったちひろの心も徐々に傾き始める。
一目惚れした先生に両親を見られた時の気持ち。
家出した姉のまーちゃんへの想い。
学校の友達。集会で会う友達。自分を気にかけてくれる伯父。
自分が居たい場所はどこなのだろうか。進みたい道はどれなのだろうか。
家を出る事も出来るのに、自分は出られないのだろうか。それとも出たくないのだろうか。
15歳の子供が親と一緒にいたいと思う事は当たり前の事なのかもしれません。でも自分は自由に選択できるのだという事にいつか気付いてほしい。
さすが愛菜ちゃん
宗教問題は難しくましてやまだ未成年のトップ女優が演じるには大変だったろうと想像するに事欠かないが、愛菜ちゃんの演技がすばらしかった。。
未熟児で生まれ病気だったのが勧められた水のおかげで直った。
藁をもつかむ思いだった両親には奇跡であり、それが宗教への入り口だった。幸か不幸か子供まで巻き込んだ宗教活動。
親戚のおじさんの心配をよそにのめり込んでいったが子供は親を信じていたけれど宗教は信じていたのだろうか?
ただでさえ多感な年の女の子が学生生活と新興宗教と向き合うしんどさが良く伝わってきた。
終わり方には疑問が残ったが、これからの幸せを願いたくなるようなシーンで良かった。
それにしても愛菜ちゃんは脚が速いなあ、勉強はできると聞いていたけれど脚まで速いとは驚いた。
オチが無い
キャストがしっかりしているし、最後まで『この先どうなるんだろ』と先が気になって最後まで飽きずに見ることが出来ましたが…
エンドロールが流れた瞬間
『え?終わり?』
と言ってしまいました。
他の方も言っていますが起承転結ではなくて、起承承承で終わりました。
とても難しい題材を扱っていますね。
新興宗教にありがちな
『信者が監禁されるという噂』
『これは良いものだと、高値で物を買う』
『親が信者。では子供はどうするか?』
などの問題がしっかり盛り込まれているのですが、なんせ内容が『起承承承』なので、様々な問題が回収されぬまま。
『あなたならどうしますか?』という問題提起をするのが狙いのような印象は受けましたが、んー…映画としてオチが無さすぎました。
全261件中、41~60件目を表示