「芦田先生、ありがとう」星の子 CBさんの映画レビュー(感想・評価)
芦田先生、ありがとう
主演の芦田(愛菜)さんが子役時代から上手というのは有名だ。我が家では、TVドラマ 「マルモのおきて」 はもちろんだが、2014年(芦田先生は10歳)に放送されたNHKの時代劇ドラマ 「銀二貫」 での演技に圧倒されて、家族全員が 「芦田先生」 と呼ぶようになった。 その芦田先生が、久しぶりに映画に主演する、それも大森監督の映画に、と聞けば、観ないわけにはいかないでしょう。 (と偉そうに言いながら、すでに2か月以上経過し、キネカ大森での上映によって奇跡のように観られたわけです。あな恥ずかしや)
全編通して、芦田先生を堪能しました。大森監督との相性もいい感じ。みなさんのレビューを読んで、なにも起きない映画ということはわかった上で観ているので、平らな気持ちで静かに観ました。よかった。
"何かを心から信じている人" の強さ、まっすぐさ。周りから見ると怖さでもあるそれが、全編に散りばめられている。父母はもちろんだが、際立つのは、海路さん演じる高良さん、昇子さんを演じる黒木さんだ。
「歩くようになるよ、空も飛ぶよ」、「気づいた人からかわっていくの」、「迷っているのね。あなたがこっこにいるのは、自分の意志とは関係ないのよ(大いなるものに導かれてここにいるのよ、の意味)」 ・・・黒木さん、うますぎて怖いよ。信じ切っている人ってそんな感じだよね。静かに、それでいて揺るがない強さ。
完全に信じ切って揺るがぬ強さをもつ方がよいのか、それともどんなことにもわずかな疑いはもって確認しながら生きるのがよいのか。自分は明らかに後者だが、前者より後者が勝っているとも思えない。”生き方" なのかなあ・・・
暑い土地に生まれてそこに住む人あり、寒い土地に生まれてそこ住む人あり。それと同じように、新興宗教を信じる家に生まれてそこに住む人も、いる。
家族は、どんな場合でもそのベースにある単位なのだ、ということなんでしょうか。そして、家族と社会(通念んかな?)の間にはさまれる子供たち。姉も、妹も。
コーヒーはまずい。でも、この味がわかるようになったら、お姉ちゃんが帰ってくるかもしれない・・・。
主人公のちーちゃんの迷いというか困惑が終始観客に伝わってくる、静かで凄い映画だった。
お姉ちゃんを演じた、蒔田さん。「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」以来かな、いや 「いちごの唄」 にも出ていたか。「三度目の殺人」 もか。もうひとりの、上手で楽しみな女優だ。
なべちゃん演じてたの新音(におん)さんだったのか。「まく子」 以来だ。大きくなったな。大森監督、すごいな。有望女優の大集合だな、この作品。
その豪華若手俳優の中に混じって、新村くん演じた田村(飛呂人)さん。きみの、「オレ、河童かと思った」 のセリフ、うますぎだぞ。あのシチュエーションでそのセリフかよ、最高だぜ!!
おまけ
エドワード・ファーロングって、かっての美少年俳優(ターミネーター2)なんだね。