劇場公開日 2020年10月9日

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「まだ見えないね・・・?」星の子 bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0まだ見えないね・・・?

2020年10月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

新興宗教を信仰する両親のもとで育った子供の苦悩と反発、しかし、それでも信じたいと思う心の葛藤を描いた作品。

人は自分が弱っている時、誰かに頼りたいと思う時に、その心の隙間に優しく近づいてくるものがあれば、すがりついてしまうことがある。本作では、生まれた子供の病が、新興宗教が提供する水によって、たまたま完治したことを契機にのめり込んでしまった両親と、その娘達が、思春期で揺れ動く心の様子を描写している。

きっと世の中には、何かのタイミングで、こうした新興宗教に入信する人も多いのだとえ思うが、やはり私達は、オウムの脅威わ忘れ去ることはできない。本作は、こうした新興宗教を全く否定するものでもないが、やはり、私たちから見たら信者の奇異な言動や入信後に素敵な家もいつのもにかボロアパートになるまで、金を吸い取られている現実から、目をそらしてはいけない事実がある。

ちひろ役の芦田愛菜が、等身大の自然な演技や会話は、中学生の日常をそのまま切り取ったようで、天才子役と言われたてきた片鱗を十分に感じられた。両親役の永瀬と原田のも奇異な言動を真剣にこなす演技は、なかななか面白かった。

但し、最後がよくわからない。「まだ、見えないね」の会話で終わるエンディングは、何を言いたかったのか・・・?今後ももっと宗教を信仰しないと、駄目だと言うことだろうか・・・?研修会で両親はどこに隔離され、何をされていたのか?入会時とは違う、厳しさや牙を向け始めたのかもしれない。

いずれにせよ、自分は。こうした団体には、関わりたくない。

bunmei21