「明らかに娯楽寄りの社会派ドラマだ。」スキャンダル 瀬戸口仁さんの映画レビュー(感想・評価)
明らかに娯楽寄りの社会派ドラマだ。
北米の多くの批評家は、舞台が白人特権の世界である点や、ケリーやカールソンが同性愛嫌悪や反トランスジェンダーの立場である点にもっと踏み込めば、より複雑で深みのあるドラマになったと批評している。
それでも、無数の女性が日々遭遇する性被害を明らかにしようとする挑戦であることは間違いないし、良い意味で荒々しく、強烈な熱量を持った、とても良く出来たドラマだと思う。
シャーリーズ・セロンが野性味あふれる存在感を見せつければ、ニコール・キッドマンもさすがの貫禄で熱演してるし、マーゴット・ロビーも要所を押さえた演技で大いに貢献している。3人とも特筆すべきパフォーマンスだ。
性差別という、取り上げるに値するテーマと、幅広く大衆に見てもらおうとするエンターテイメント性との間で、素晴らしいキャスト陣に支えられた、明らかに娯楽寄りの社会派ドラマだと言える。
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