「主演女優シャーリーズ・セロンのカッコ良さと権力者と闘いを描く脚本の面白さ」スキャンダル Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
主演女優シャーリーズ・セロンのカッコ良さと権力者と闘いを描く脚本の面白さ
ジェイ・ローチ(トランボ ハリウッドに最も嫌われた男等)監督による2019年製作のカナダ・アメリカ合作映画。原題:Bombshell、配給:ギャガ。
アトミック・ブロンド(2017年製作)の後にこの映画を見たので、シャーリーズ・セロンの演技の幅の大きさ(実在のキャスター・メーガン・ケリーに似せたメーキャップと演技らしい)に、圧倒されてしまった。彼女、製作者でもあるが、一作一作チャレンジする姿勢が何ともカッコいいい。
「FOXニュース」のメーガン・ケリー、グレッチェン・カールソン、ロジャー・エイルス、ルパート・マードックとトランプ大統領などは、実在の人物。そこに、マーゴット・ロビー演ずるケイラといった架空の人物を加えて、組織内権力者と勇気を出して頭脳で闘う女性たちを、事実を土台に膨らまして描いたチャールズ・ランドルフによる脚本が素晴らしいと思った。強力な権力者を相手に弱き者達が闘いに勝つ物語に爽快感も感じた。
主役たちと対照的に上昇志向は乏しくFOXニュースに勤めながらクリントンを実は応援している普通の女性社員、ケイト・マッキノン演ずるジェス・カーを、ケイラ(マーゴット・ロビー)の友人として設定しているのに、感心させられた。目立たぬように慎重に生きる彼女の姿勢に、リアリティと共感を覚えた。
セクハラを訴えた社員が出た後に名乗り出るのを躊躇したメーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)、更に追随を非難する周りの人達の姿にリアリティを感じた。グレッチェンがFOX側と和解に応じたこの事件を、映画で再び掘り起こす米国映画人の問題意識に感銘を覚えた。残念ながら、日本では類似事件は殆ど報道も無く、企業内のセクハラ糾弾はもっと困難かもとも。有名なジャニーズ事務所のあの方も、セクハラ行為を本などで書かれたが、結局大きな問題にされなかったし。
制作アーロン・L・ギルバート、ジェイ・ローチ、ロバート・グラフ、ミシェル・グラハム チャールズ・ランドルフ、マーガレット・ライリー、シャーリーズ・セロン、ベス・コノ A・J・ディックス、製作総指揮ミーガン・エリソン、ジェイソン・クロス、リチャード・マコーネル、脚本チャールズ・ランドルフ(マネー・ショート 華麗なる大逆転等)。
撮影バリー・アクロイド、美術マーク・リッカー、衣装コリーン・アトウッド、
編集ジョン・ポール、音楽セオドア・シャピロ、音楽監修エブイェン・クリーン
特殊メイク(シャーリーズ・セロン)カズ・ヒロ
出演は、シャーリーズ・セロン(メーガン・ケリー)、ニコール・キッドマン(グレッチェン・カールソン)、マーゴット・ロビー(ケイラ・ポスピシル、ドリームランド等)、
ジョン・リスゴー(ロジャー・エイルズ)、ケイト・マッキノン(ジェス・カー)、コニー・ブリットン、マルコム・マクダウェル(ルパート・マードック)、アリソン・ジャネイ。
こんにちは♪
共感コメントしていただきましてありがとうございました😊
おっしゃる通りですね。やはり選別していたのでしょうか。
当該の方が居なくなって声が上がるアメリカ🇺🇸と日本🇯🇵との違いもありますね。
ありがとうございました😊
> 目立たぬように慎重に生きる彼女の姿勢に、リアリティと共感を覚えた
言われてみればたしかに。会社では目立たないようにしてたのでしょうが、演技では目立ってましたね