劇場公開日 2020年2月21日

  • 予告編を見る

「そっくりメイクはすごいが、人物を好きになれない」スキャンダル AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0そっくりメイクはすごいが、人物を好きになれない

2020年2月26日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

興奮

FOXニュースの看板キャスター、メーガン・ケリーを演じたシャーリーズ・セロンの特殊メイクは、担当したカズ・ヒロの2度目のメイクアップ&スタイリング賞受賞でも大いに話題になった。ただ日本ではそれほど有名でもないので、写真と見比べて確かによく似ていると感心はするものの、ゲイリー・オールドマンをチャーチルに変身させた時ほどのインパクトはない。

それにしてもこのメーガン・ケリーという人物、上昇志向が強く計算高い女性で、どうも好きになれない。グレッチェン(ニコール・キッドマン)が提訴した後、同じ女性としての連帯や共感よりも、自身のキャリアにどう影響するかを優先して態度を保留する。映画では描かれないが、2018年には人種差別的な発言をして、司会を務める番組が打ち切られた。

大企業でのセクハラ問題を正面から描いた点で、啓発的な意義は大いに認められる。差別やハラスメントを減らす一助になることを願う。

高森 郁哉