「コメディだが、テーマは深刻」老後の資金がありません! しょたごんさんの映画レビュー(感想・評価)
コメディだが、テーマは深刻
家計に無頓着な夫の章、フリーターの娘まゆみ、大学生の息子・勇人と暮らす平凡な主婦・後藤篤子は、あこがれのブランドバッグも我慢して、夫の給料と彼女がパートで稼いだお金をやり繰りし、コツコツと老後の資金を貯めてきた。
しかし、亡くなった舅(しゅうと)の葬式代、パートの突然の解雇、娘の結婚相手が地方実業家の御曹司で豪華な結婚式を折半で負担、さらには夫の会社が倒産と、節約して貯めた老後の資金を目減りさせる出来事が次々と降りかかる。
そんな中、章の妹・志津子とのやりとりの中で、篤子は夫の母・芳乃を引き取ることを口走ってしまう。芳乃を加えた生活がスタートするが、芳乃の奔放なお金の使い方で予期せぬ出費がかさみ、篤子はさらなる窮地に立たされてしまう。(解説より)
非常にテンポ良く進むので全体的に楽しめた。
様々な悪運が続くが、ひとつひとつの災難(起こるべくして起こったことも含め)は誰しにも起こりうるであろうし、そういったことがあるタイミングで続くことも絶対にないとはいえない世の中になってしまってるんだろうなと感じた。
また本作は基本的に善人しか登場しない(悪い人に見えて、結局全員 根は善人)ので、性悪説に立ち本作のような災難が降り掛かった際は、誰も助けてくれない、世知辛いことになるのだろう。
今の内から貯蓄、投資等含めた資産形成の重要性を感じつつ、不況な現代でそういった資産形成に回す経済的余力がなく日々の生活費に追われている方も多分に溢れているのではないだろうか。
本作はいわゆるコメディ作ではあるものの、深刻な社会問題の危険性を痛烈に感じた。